公務員は、大きく「国家公務員」と「地方公務員」の2種類に分けられます。

前者は国の機関に所属し、後者は地方自治体に所属して働きますが、どちらも「国民全体の奉仕者として、公共の利益のために働くこと」を使命としています。

ここでは、公務員の多種多様な仕事の種類について、一覧でまとめています。

国家公務員

国民全体の奉仕者として、国の機関に所属し、国が抱える諸問題の解決や政策立案などに携わります。 国家公務員とひとくちにいっても、その勤務先や仕事内容は多岐にわたりますが、公のための仕事をすることが特徴です。

公務員

国の機関や地方公共団体に所属し、国民や社会全体のための仕事に携わる。

公務員とは、国や地方公共団体の職員として、国民や社会全体のために働く人のことをいいます。

国の機関に所属するのが「国家公務員」、地方公共団体に所属するのが「地方公務員」です。

両者を合わせると日本全国に300万人以上の職員がおり、活躍の場や職種は多岐にわたります。

一般的な事務の仕事以外にも、専門的な資格・免許を取得しないと就けない仕事もあり、医療、司法、教育、福祉、公安など多様なフィールドで活躍する公務員がいます。

どのような公務員を目指す場合でも、必ず「公務員試験」を受け、合格し採用されることによって公務員として働けます。

公務員は基本的には年功序列の世界で安定した給料や待遇が望めますが、厳しい上下関係を重視して働く職場や、不規則な勤務体系になる職場などもあります。

仕事内容

なるには

就職・転職

給料・待遇・働き方

航空管制官

地上から航空機へ安全な飛行ルートや気象情報に関する指示を出し、空の交通整理を行う。

航空管制官は、航空機が安全に離着陸し、目的地に向かって空を飛ぶための指示や情報をパイロットに伝える仕事です。

地上の管制塔でレーダーや無線を用って刻々と変わる状況を把握し、事故が起こらないように細心の注意を払って航空機のパイロットに指示を与えます。

航空管制官になるには、国土交通省が行う航空管制官採用試験に合格することが必要です。

採用後は全国の空港と札幌・東京・福岡・那覇にある航空交通管制部に勤務します。

身分は国土交通省に所属する国家公務員となり、転勤もあります。

公務員なので待遇は安定している一方、勤務地によっては24時間体制となるため、夜勤を含めたシフト制での勤務となることもあります。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

外交官

自国を代表し、政治・経済・文化面などにおいて外国との交渉や交流を行う国家公務員。

外交官とは、日本の国を代表して、外国との交渉や交流を担当する国家公務員です。

人事院の「国家公務員採用試験(総合職・一般職)」もしくは、外務省が実施する「専門職員採用試験」のいずれかを受験し、外務省に採用されます。

東京・霞が関にある外務省に勤務することもあれば、世界各地の在外公館(大使館や総領事館)に勤務することもあり、世界各地のさまざまな拠点で活躍しています。

世界がグローバル化するなかで、日本でも、食糧や工業品の輸入や輸出、海外への事業展開などの動きは年々激しくなるばかりです。

その一方で、現在でも紛争やテロが続く地域があったり、長年解決していない領土問題があったりと、世界平和のための課題も山積みといえます。

外交官は、こうした世界の課題をよりよい方向へ導き解決させていくために、高度な語学力や外交に関する専門知識・能力を発揮し、情報収集や分析、交渉、広報や文化交流活動などを行って国の未来を支えます。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

国家公務員

国民全体の奉仕者として、国の財政運営や医療、社会福祉など、公のための仕事に携わる。

国家公務員とは「国民全体の奉仕者」として国に勤務し、国全体に関わる業務を行う公務員のことをいいます。

おもな活躍の場は、中央省庁とその出先機関です。

国の財政運営や外交、防衛などから医療や社会福祉、教育といった私たちの暮らしに身近な分野まで多様な領域で活躍し、政策の企画・立案をはじめとするスケールの大きな仕事に携わります。

国家公務員になるには、国家公務員試験を受け、各省庁に採用される必要があります。

「安定」や「待遇のよさ」に注目されることが多いですが、近年では定員の削減や給料カットなど、国家公務員をとりまく状況は厳しいものとなっています。

ただし、国家公務員の仕事は社会貢献性が高く、スケールの大きなものが多いため、依然として人気があります。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

働き方

官僚

中央省庁に勤務する国家公務員。国の法律や予算に基づき具体的な政策を考え、実務を行う。

「官僚」という言葉は法律で明確に定義されていませんが、一般的には「国家の政策決定に影響力を持つ国家公務員」のことを指して使われます。

官僚の多くは「三権分立」で成り立つ日本の政治構造のうち、行政権を持つ内閣の下に位置する「中央省庁」に勤務します。

通称「キャリア」とも呼ばれる官僚になるためには、公務員採用試験のなかでも難易度の高い「国家公務員採用総合職試験」を受けて合格し、官庁訪問を経て、各省庁に採用される必要があります。

30歳の平均年収は500万円程度ですが、役職が上がれば上がるほど給料もアップし、官僚の最高職位となる「事務次官」まで出世していくと年収3000万円を超すともいわれています。

安定した身分が保証され、日本を動かしていく華やかなイメージが先行しがちな職業ですが、昨今の官僚批判や厳しい出世競争、連日のハードワークなど大変な面も多々あります。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

国税専門官

税金のスペシャリストとして、企業や個人に対し税金に関する指導・徴収・調査を行う。

国税専門官とは、国税庁や税務署に勤務し、税金のスペシャリストとして、税金に関する調査や指導を行う国家公務員です。

国税専門官の職種は、以下の3つに分かれます。

・個人や企業を訪問し、適正な税金の申告がされているか調査する「国税調査官」
・税金の催促や財産差し押さえなどの滞納処分を行う「国税徴収官」
・脱税を見つけ検察官に告発する「国税査察官」

国税専門官になるためには、「国税専門官採用試験」に合格することが必要です。

受験資格は「21歳以上30歳未満」であることと「大卒(見込み者含む)以上」の学歴であり、近年の合格倍率は4倍~6倍程度です。

採用後は研修を受け、各都道府県の税務署を中心に配属されますが、全国で12地域に分かれている国税局の地域内で3〜5年に1回転勤があります。

仕事内容

なるには

給与・年収

就職・転職

財務専門官

財政・金融のプロフェッショナルとして、国の予算執行調査や金融機関の検査・監督を行う。

財務専門官は、財務省の出先機関である全国の財務局や財務支局を中心に勤務する国家公務員です。

業務領域は大きく「財政」「金融」「その他」の3つに分けられ、国の公共事業や社会保障の予算編成をチェックしたり、金融機関の検査・監督を行うことで預金者の保護を行ったりします。

また、国有財産の有効活用によって「まちづくり」に貢献したり、地震や台風などの災害時には公共施設復旧のためにかかる費用を速やかに確認したりなど、金融・財政のプロフェッショナルとして「地域」と「国」をつなぐ架け橋となります。

財務専門官になるためには、年に一度実施される「財務専門官採用試験」の受験が必須です。

この試験に合格した人のうち、成績のよい順に採用者が選ばれていきます。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

労働基準監督官

労働者と事業者の間に立ち、双方のトラブル解決や労災に関する予防・調査業務を行う。

労働基準監督官とは、厚生労働省に所属する国家公務員で、労働基準法や労働安全衛生法に基づき労働者と事業者のトラブルの解決、労働災害の予防、労働災害の調査などを行います。

不正をしている事業者を監督、指導したり、立場の弱い労働者の権利を守る仕事をしたりしているため、労働関係における警察のようなイメージを持つとわかりやすいかも知れません。

労働基準監督官になるには、労働基準監督官試験を受け合格しなければなりません。

主な勤務先には、全国の労働局、労働基準監督署になり、数年に一度転勤のある全国型の勤務となります。

給料は法律によって定められており、公務員のため待遇は悪くありません。

受験資格も制限が少ないため、各部学科関係なく大学を卒業すると受験することができます。

日本では近年不景気が続き、労働者と事業主をめぐるトラブルは頻発する傾向にあります。

そのため近年は労働基準監督官が仲裁に乗り出すケースも増えつつあり、労働環境の改善に努める労働基準監督官の仕事は、今後も重要性を増していくと思われます。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

自衛隊

「陸・海・空」から日本の平和と安全を守り、外部侵略に対して防衛する任務を果たす。

自衛官は、日本の平和と安全を守り、外部からの侵略に対して防衛する任務をもつ公務員です。

自衛隊の活動には、国家を守る「防衛活動」大規模災害のときに救助をする「緊急救助活動」海外の紛争地域で、その地域の平和を維持する「国際平和協力活動」などがあります。

自衛隊は非常に大きな組織のため、募集している職種が多岐に渡ります。

必要とされる学歴もさまざまであるため、自分が希望する職種の募集状況を確認することが必要です。

震災時の救助活動による活躍で、自衛隊に対する期待や注目度は高まりをみせています。

また、日本近海において緊張が高まっている現代では、防衛面においても自衛隊の重要性が増してきている状況です。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

体験談

コラム

海上保安官

日本の海域を常に監視し、不審船の取締りや海洋情報を収集して海の治安と安全を守る。

海上保安官は「海の警察官」として、日本の海域を巡視船や航空機を使って監視し、海の治安と安全を守ります。

身分は海上保安庁に所属する国家公務員です。

おもな業務は、不審船の取り締まりなどを行う「警備救難業務」、安全な航海のための情報を集める「海洋情報業務」、海上交通の管理をする「海上交通業務」があります。

海上保安官になるための一般的なルートは「海上保安大学校」もしくは「海上保安学校」に入学し、1年~4年かけて所定の教育を受けることです。

在学中は学生でありながらも国家公務員の身分となり、給与をもらいながら海上保安官として必要な知識・技術を高めていきます。

広い領海をもつ島国の日本において、海の治安を守る海上保安官は高い需要のある職業です。

仕事内容

なるには

給与・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

コラム

裁判官

裁判所において刑事・民事訴訟のあらゆる証拠を調べたうえで、法に照らして判決を下す。

裁判官は、全国各地の裁判所において、刑事訴訟や民事訴訟などの判決を下す人のことです。

事前に提出された資料を読み込んで裁判に臨み、当事者や弁護士、検察官、証人などの話を聞き、証拠が妥当なものかを調べ、法に照らして判断を下します。

裁判官になるためには、まず司法試験に合格することが必要です。

合格後、司法修習の間に裁判官の採用面接が行われ、成績や人格などを総合的に判断したうえで、裁判官になれるかどうかが決まります。

日本における裁判官の数は、先進国のなかでは非常に少ないといわれており、一人あたりの裁判官に対する仕事量は膨大です。

高い社会的地位や給料が望める職業ではありますが、心身ともにハードな職務をまっとうする覚悟や熱意が求められます。

仕事内容

なるには

給与・年収

裁判所事務官

裁判所における事務の専門家。各種書類の作成や総務、人事、会計などに従事する。

裁判所事務官とは、裁判所においてさまざまな事務処理を行う仕事をする国家公務員です。

裁判部門においては、裁判が滞りなく行われるように業務を遂行し、司法行政部門では総務や人事、会計などを担当し、裁判所で務める人をサポートします。

裁判所事務官になるためには、裁判所事務官採用試験に合格することが必要です。

採用は大卒者を対象とした「総合職」と高卒者を対象とした「一般職」に分かれます。

総合職は非常に人気が高く、採用倍率が100倍を超えることもあります。

なお、裁判所事務官を10年以上経験すると、司法書試験を受けずに、司法書士の資格を取得することが可能です。

また、一定以上のキャリアを積むと、裁判所書記官、簡易裁判所判事、執行官、副検事になれる可能性もあります。

仕事内容

なるには

給与・年収

学校

就職・転職

家庭裁判所調査官

家庭裁判所において、家事事件や少年事件の当事者や家族、事件の背景について調査を行う。

家庭裁判所調査官は、家庭裁判所で取り扱う「家事事件」や「少年事件」といった家庭内の身近に起こるさまざまなトラブルに対して、その事件の原因や背景などについての調査を行う仕事です。

当事者や家族をはじめ関係者にも話を聞き、さまざまな角度から事件が起こるに至った原因と適切な改善策について検討します。

この仕事に就くためには、国家公務員試験の中でも難易度が高いといわれる裁判所職員採用試験の総合職試験(家庭裁判所調査官補,院卒者区分・大卒程度区分)に合格する必要があります。

試験には年齢制限などの受験要件が設けられており、試験を突破し、「家庭裁判所調査官補」として採用されると、裁判所職員研修所で約2年間の「家庭調査官養成課程」という研修を受講することになります。

研修を終了すると、晴れて「補」がとれ家庭裁判所調査官として正式に認められます。

社会の変化により事件の内容が複雑化する中、時代の変化をしっかりと読みとりながら、当事者や家族の心に寄り添える家庭裁判所調査官の必要性がますます高まっています。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

検察官

検察庁に勤務し、事件や犯罪に関する捜査・公判や裁判執行時の指揮監督を行う。

検察官とは、法律に違反した人を取り調べ、起訴をするかどうかの判断を下し、事件についての立証を行う人のことです。

身分は法務省に所属する国家公務員であり、キャリアや経験に応じた5つの階級(「副検事」「検事」「検事長」「次長検事」「検事総長」)が存在します。

検察官の仕事は、警察から送検された被疑者の取り調べを行い、起訴をするかどうかを決定すること、そして起訴の場合には裁判所にて公判を行い、被告人の弁護士と判決について争うことです。

検察官になるには、難関といわれる「司法試験」を突破したうえで、「司法修習生考試(二回試験)」にも合格し、さらに法務省が行う面接試験を受けて採用される必要があります。

検察官に任官されるまでは長い勉強が必要であり、法曹界で活躍するための使命感や志を備えた優秀な人材が求められています。

仕事内容

なるには

給与・年収

就職・転職

検察事務官

検察庁に勤務し、検事(検察官)の補佐役として事件の捜査や事務等に携わる。

検察事務官は、法務省の特別機関である「検察庁」に勤務する国家公務員です。

その職場は、大きく「捜査公判部門」「検務部門」「事務局部門」の3つに分けられます。

検事(検察官)と共に事件の捜査にあたることをはじめ、裁判で確定した懲役刑などの執行手続き、検察庁における総務や会計などの事務業務まで、幅広い仕事に携わります。

基本的には「検事の補佐役」として、物事を指示通りに確実かつ迅速に処理する力が求められます。

また、公務員のなかでも「犯罪のない明るい社会を築く」という目的を持った「公安職」の立場となるため、社会正義に対する熱い想いや正義感、責任感も欠かせません。

検察事務官としてキャリアを積めば、より上位のポジションである「副検事」や「検事」を目指すことも可能です。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

刑務官

刑務所など法務省管轄の刑事施設に勤務し、施設の運営や警備、受刑者の指導を行う。

刑務官とは、刑務所や拘置所など、法務省管轄の刑事施設に勤務する国家公務員のことです。

各種施設の運営管理と保安業務を担当し、収容者の適切な生活管理・教育指導を通じて、平穏で秩序ある施設内の生活を手助けします。

また、各種教育や訓練によって、受刑者の速やかな社会復帰と更生を手助けする職業です。

刑務官には、公的な任務に携わるための良識や人間性、一定の知識教養と運動・身体能力を所持していることが期待されます。

刑務官採用試験で筆記試験や人物試験などを受けて、合格し、採用された人だけが刑務官として働けます。

定員を超える受刑者を抱えている刑務所もあり、刑務官は男女問わず需要のある職業といえます。

ただし心身ともにハードな仕事であるため、目指すには強い使命感や覚悟が必要です。

仕事内容

なるには

給与・年収

就職・転職

コラム

法務教官

少年院や少年鑑別所に勤務し、非行を犯した少年が更生するよう教育や訓練、助言を行う。

法務教官とは、法務省の国家公務員として、非行に走った少年に対し、社会復帰ができるようにサポートする専門的職員のことをいいます。

おもに少年院もしくは少年鑑別所に勤務し、少年院では個々の少年らの気持ちに寄り添いながら、教育的な指導や生活態度の指導を行います。

また少年鑑別所へ配属された場合は、家庭裁判所から送致された少年について、法務技官とともに少年らの資質を調査することとなります。

職務の特性上、給与水準は事務などに携わる一般的な国家公務員の給与体系よりも、やや高めの基準が適用されます。

少年の心の安定を図りながら、社会復帰への専門教育を行ったり資質調査を行ったりするこの仕事は、精神的にも体力的にも易しいものではありません。

しかし、それだけにやりがいも大きく、社会への貢献度もある重要な仕事であるといえます。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

コラム

入国警備官

入国管理局に勤務し、日本への不法入国、不法滞在の疑いがある外国人を調査、摘発する。

入国警備官は、日本に不法に入国、あるいは不法に滞在している外国人を取り締まる法務省の国家公務員です。

日本各地の入国者収容所入国管理センターのほか、地方入国管理局や空港、港に勤務し、法律に違反している疑いがある外国人を調査し、違反が判明した場合には、身柄を拘束します。

拘束した外国人を収容施設に収容したり、本国へ送還するのも入国管理官の役割です。

入国警備官になるためには、入国警備官試験に合格することが必要です。

学歴の制限はありませんが、採用倍率は例年30倍前後と非常に高くなっており、難関の職業といえます。

入国警備官には、警察と同様に拳銃の所持などの権限が与えられており、日本の治安を守るための正義感が求められる仕事です。

仕事内容

なるには

給与・年収

就職・転職

入国審査官

空港や港の地方入国管理局などに勤務し、日本に出入国する外国人の審査と管理を行う。

入国審査官とは、日本各地にある空港や港において、日本へ入国する人の審査や日本にいる外国人の管理をし、国の安全を守る仕事をします。

具体的な業務としては、日本に訪れる外国人の入国の可否を決定する「出入国の審査」、不法入国や不法滞在者を取り締まる「違反審査」、在留期間の変更を審査する「在留資格審査」などがあります。

外国から日本へ、禁止されている薬物や武器などが持ち込まれないかや犯罪者が入ってこないかないか、あるいは定められた在留期間を超えて不法滞在をしていないかなどを厳しくチェックします。

入国審査官は法務省に所属する国家公務員であり、なるには国家公務員採用試験に合格したうえで、各地方の出入国在留管理局によって法務事務官として採用され、経験年数を重ねる必要があります。

外国人とコミュニケーションをとる機会が多いため、働く際には語学力が求められます。

仕事内容

なるには

給与・年収

就職・転職

税関職員

全国の空港や港で、輸出入貨物の審査・検査や手荷物の検査、不正薬物の密輸取締等を行う。

税関職員とは、日本各地の税関にて、税に関する申告の受付、輸入や輸出に関する書類のチェック、品物の検査などを行う国家公務員です。

日本から品物を海外に輸出するとき、また、海外から日本へ輸入するときに、関税や消費税などがきちんと払われているかをチェックして輸入や輸出の許可を出します。

また、麻薬や覚せい剤、銃などが不正に国内に持ち込まれないように水際で取り締まる役割も果たしています。

こうした税関職員の仕事は、凶悪犯罪やテロ行為を未然に防ぐことにもつながります。

税関職員として働くには、人事院が行う「国家公務員採用総合職試験」を受験し、財務省に採用される必要があります。

特別な資格は必要ないものの、採用試験の応募者は多く、競争倍率は高くなっています。

グローバル化が進む社会において税関職員の活躍にはますます期待が高まっており、強い使命感をもった熱意ある人材が求められています。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

麻薬取締官

違法な麻薬の流通と薬物犯罪を取り締まり、特別司法警察官として状況に応じて逮捕を行う。

麻薬取締官とは、薬物犯罪を取り締まり、薬物汚染から日本を守るための仕事をする国家公務員です。

麻薬取締官の所属は厚生労働省ですが「特別司法警察官」としての権限が与えられ、状況に応じた武器の所持が認められています。

麻薬取締官の主要な業務のひとつは、違法薬物の使用者の逮捕や、国外から密輸される薬物の取り締まりなどを行うことです。

また、医療用に使用されている麻薬の流通状況の監督や、不正使用防止のための助言、薬物使用に関する相談や啓発業務なども担当します。

麻薬取締役官になるためには、厚生労働省麻薬取締部の採用試験への合格が必要です。

基本的に4年制大学の法学部か薬学部を出ていることが条件となり、専門性の高い業務を担います。

麻薬取締官の定員は日本全体も300名弱であり、毎年の新規採用人数は若干名で狭き門となっています。

仕事内容

なるには

給与・年収

就職・転職

皇宮護衛官

皇宮警察本部に所属し、天皇・皇后両陛下や皇族の護衛と皇居、御所、御用邸の警備を行う。

皇宮護衛官とは、天皇・皇后両陛下や皇族の護衛と皇居、御所、御用邸などの警衛を行う国家公務員です。

警察庁の附属機関である皇宮警察本部に所属し、勤務地は皇居と赤坂御用地での勤務を中心とし、全国の御用邸などでも警備にあたります。

皇室行事の際には、各都道府県の警察と協力して警備を行い、国賓や海外の大使の皇居参内時における護衛にも携わります。

皇宮護衛官になるためには、皇宮護衛官採用試験に合格することが必要です。

高卒あるいは中卒からでも目指せる職業ですが、採用人数が少ないため、倍率は30倍を超えることもあります。

皇宮護衛官は国家公務員のなかでも特殊な仕事となり、警察官としての一般的な能力だけでなく、礼儀正しく教養豊かであることが求められます。

仕事内容

なるには

給与・年収

就職・転職

コラム

参議院・衆議院事務局職員

特別職の国家公務員「国会職員」として、両議院の事務や警備などに携わる。

参議院・衆議院事務局職員は、「国会職員」という特別職の国家公務員であり、仕事内容は大きく分けて、会議運営事務や調査、一般事務に携わる「事務職」と、院内の警備や要人の身辺警護、来訪者対応などに携わる「警備職」の2種類があります。

この仕事に就くには、各院が独自に行う採用試験に合格し、採用される必要があり、事務職の試験は事務に従事する職員を選ぶ「一般職試験」と政策立案にかかわる職員を選ぶ「総合職試験」が、警備職の試験には「衛視(えいし)試験」があります。

給料を含めた勤務条件は一般職の国家公務員と同様のものとなっています。

両議院事務局は、これまで組織のスリム化を進めてきましたが、議員の立法活動を求める声は高く、今後も事務局で調査に強い職員を求める傾向は続くものと考えられています。

国会図書館職員

立法府に所属する国会図書館のスタッフとして、司書業務や一般事務などを担当する人。

国会図書館職員は、立法府に所属する国会図書館のスタッフとして、国会議員からの依頼を受けて国政審議に関連した依頼調査や、国会での議題を予測して調べる「調査業務」、国内外から集めた資料の整理や国会図書館利用者の資料探しの手伝いをする「司書業務」、国会図書館の方針案のまとめや人事、建物の管理といった「一般事務」に携わる仕事です。

この仕事に就くには、国会図書館職員採用試験に合格し、採用される必要があります。

国会図書館職員は特別職の国家公務員ですが、勤務条件などは一般職国家公務員とほぼ同様になっています。

国会図書館の必要性は認められているものの、近年、厳しい財政状態の中で国会図書館職員の定員は削減されており、目指す人にとっては狭き門となるでしょう。

検疫官

海外から伝染病が持ち込まれないよう阻止する

検疫官とは、海外から日本に入国したり、日本から出国したりする人たちの健康状態をチェックする仕事です。

空港や港で働き、海外から伝染病が持ち込まれないように阻止することが大きな役割です。

出国者には、海外で伝染病にかからないように予防接種を呼び掛けたり、体調不良の人が居た場合は、健康相談に応じたりします。

万一、感染症や伝染病の疑いがある場合は速やかに病院へ搬送し、健康状態をチェックします。

検疫官が伝染病を見逃してしまえば、国内に感染が広がり、最悪の場合死亡者が出てしまう恐れがあります。

また日本だけでなく海外にも大きな影響を及ぼすなど、常に危険と隣り合わせのため、緊張感を持ちながら仕事をしなくてはなりませんが、国内の安全を守る大切な仕事です。

検疫官になるには、日本国籍があること、看護師の資格を持ち、3年以上の臨床経験があることが条件です。

短時間で多くの検査をこなすため、集中力や責任感がある人に向いているでしょう。

厚生労働省所属の国家公務員の身分になれるため、安定して働きたい人、看護師の資格を活かして病院以外で働きたいという人にも向いています。

ちなみに、検疫官には看護師のほかにも、事務官などの行政職や医師、食品衛生監視員などの職種があります。

地方公務員

国民全体の奉仕者として、日本全国の自治体組織に所属し、地域の生活や産業を支えるための仕事をします。 役所で市民の事務的な手続きを行ったり、警察や消防で市民の安全を守るなど、地域密着型かつ公のための仕事をすることが特徴です。

地方公務員

国民全体の奉仕者として自治体組織に所属し、各地域の生活や産業に密着した仕事をする。

地方公務員は、国民全体の奉仕者となる公務員のなかでも、都道府県や政令指定都市、市町村といった自治体組織に所属して働く人のことをいいます。

事務を行う「行政職」に就く場合、福祉、健康、文化、治安、まちづくりなど、その地域の生活や産業に密着した業務に携わることが特徴です。

地方公務員になるには、各自治体がおこなう地方公務員試験を受けて、採用される必要があります。

さまざまな区分で試験が実施されており、試験ごとに応募資格や採用後の配属などに違いがあります。

地域密着型の仕事をする地方公務員は、行政の立場から日本全国の人々の暮らしを支えるうえで不可欠な存在です。

安定した待遇も保障されていますが、地方公務員をとりまく状況は年々変化していくことも頭に置いておく必要があるでしょう。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

働き方

警察官

国・都道府県の警察組織に所属し、事件や事故の捜査や取締りを行って社会の治安を保つ。

警察官は、社会の治安と国民の安全を守る職業です。

警察の組織は、国家に関わる公安や警察組織全体の調整を行う「警察庁」と、各都道府県が管理し、その地域で発生した事件を担当する「都道府県警察」に分かれています。

警察庁勤務の警察官は「キャリア」と呼ばれるもので、こちらを目指すには国家公務員試験へ合格し、警察庁に採用されることが必要です。

一方、都道府県警察の警察官は地方公務員で、なるためには各都道府県で実施される警察官採用試験において採用される必要があります。

配属先は多岐にわたり、地域のパトロールや交通違反の取り締まり、犯罪の捜査など、多様な仕事をする警察官がいます。

警察官の勤務体系は、たとえば交番勤務の場合、夜勤も含めた変則的なスケジュールになることが多いです。

時に危険をともなう仕事ですが、その分、給料や福利厚生の内容は充実しており、使命感とやりがいをもって働いている人が大勢います。

仕事内容

なるには

給料・年収

学校

就職・転職

コラム

消防士

地方自治体の消防本部や消防署に所属し、火災の消火や救急活動を行って住民の安全を守る。

消防士(消防官)の仕事は、地方自治体の消防本部や消防署に所属し、消火活動や救急活動などを行って地域の人々の安全を守ることです。

消防士の活動内容は、大きく「消火」「救助」「救急」「防災」「予防」の5つに分かれます。

火災現場で火を消したり救助活動をしたりするだけではなく、交通事故や災害の現場で人命救助にあたることもあります。

加えて、火災を起こさないための啓蒙活動や、建物や設備の耐火性・安全性を確認する検査業務を行うことも、消防士の役割の一部です。

消防官になるためには各自治体が実施する「消防士採用試験」を受験して合格し、採用されなくてはなりません。

採用試験では学力試験に加えて体力検査も行われ、基礎的な体力があるかどうかや、健康状態がチェックされます。

勤務体系は、24時間勤務→非番日→週休日というように交代制となり、やや不規則です。

火事や災害の際にはすみやかに現場へ出動しなくてはならず、危険とも隣り合わせの職業ですが、その分、給料や福利厚生は公務員のなかでも恵まれています。

仕事内容

なるには

給料・年収

学校・講座

就職・転職

体験談

市役所職員

市役所に勤務する公務員。事務業務や土木・電気など技術系業務を行い、市民生活を支える。

市役所職員の仕事は、産業振興、防災・防犯対策、福祉・教育の充実など市民生活の基礎を整え、管理することです。

身分は「地方公務員」であり、原則的に、難易度別に区分された各自治体の「市役所職員採用試験」を受けて合格することで、市役所職員として働けます。

公務員として安定した働き方ができることや、市民の生活に身近な立場で働けることなどから人気がある仕事です。

しかし、近年は財政の厳しさから職員数の削減が進む一方、地方分権の進展で職員の仕事は増え、個々の職員の負担は増大傾向にあります。

これからの市役所職員には、地域貢献に対する強い情熱に加えて、地域の課題解決から効率的な業務推進に向けた職場改革まで取り組んでいくような行動力、発想力なども求められています。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

都道府県職員

広域の行政サービスを行う国と市区町村間の橋渡し役

都道府県職員とは、地方公共団体の公的機関で働く人のことです。

全国では1都1道2府43県の自治体があり、各都道府県庁などの役所をはじめとした機関で働いています。

都道府県職員には区分があり、さまざまな仕事を総合して行う「一般行政」、道路や河川を担当する「土木」、建築物の申請や検査などを行う「建築」、社会福祉に携わる「福祉」などがあります。

国家公務員に比べると、地域レベルの課題に取り組み、地域住民に接する機会も多いのが特徴です。

一方で、市区町村レベルでは対応が難しい総合的な都市開発計画や、義務教育・社会福祉の維持、条例の策定など、市区町村の枠を超えた大きな仕事に取り組みます。

また地域の産業を盛り上げ経済発展のために尽力したり、まちづくりなどを通し街の魅力を発信したりすることも重要な仕事の一つです。

比較的規模の大きな課題に挑むことも多いため、長期的なプロジェクトに関わることも多く、結果を出すことを魅力に感じる人も多くなっています。

都道府県職員は公務員であるため、地方公務員試験を受けて各都道府県に採用される必要があります。

各地域によって差はありますが、大卒程度は「上級」、短大卒程度は「中級」、高卒程度は「初級」と区分しており、それぞれの学歴にあった試験を受け採用されます。

大都市圏は一定の人気がありますが、近年は「地元に貢献したい」と地方や地元の都道府県で働くことを志望する人が増えています。

救急救命士

救急車に同乗し、医師の指導の下で救急救命処置を実施。一刻を争う事態に最善を尽くす。

救急救命士は、主に救急車に同乗し、病院までの搬送中に心肺停止などの緊急事態が起こったときに、医師の指示の下で救急救命の処置を行う職業です。

救急救命士の多くは、地方公務員として消防署に勤務しています。

救急救命士になる一般的なルートは、下記の2つです。

  1. 救急救命士養成校を卒業して消防署に勤務する
  2. 消防署に勤務後に救急救命士の講習を受ける

いずれの場合でも、救急救命士の国家資格取得と、消防官採用試験への合格・採用が必要となり、救急救命士への道のりは簡単なものではありません。

救急車の出動件数が年々増えているなか、救急救命士の需要や、担う役割はますます大きくなっています。

現在は、救急救命士が、より広い範囲の救命行為を行えるよう検討が進められています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

食品衛生監視員

輸入食品の監視や検疫業務、飲食店で食中毒の調査等を行い、「食の安全・安心」を守る。

食品衛生監視員は、食品衛生法などの法令に基づき、「食の安全・安心」を守る仕事です。

働き方には2種類あり、国家公務員として検疫所で働く人と、地方公務員として各自治体の保健所等に勤務する人がいます。

輸入食品の監視業務から感染症の侵入を防ぐための検疫業務、さらには飲食店等食品に関わる施設の食品衛生のチェックなど、それぞれが専門性を生かして多岐に渡る業務をこなしています。

食品衛生監視員の資格は厚生労働省により認定される任用資格となっており、特定の大学等で学び、任用資格を得たうえで、公務員試験に合格する必要があります。

日本は多くの食材を海外に頼っているものの、検疫を行う食品衛生監視員の数はまだ少ないのが現状です。

今後、海外からの輸入食材が増えるにしたがって、国の検査体制を支える食品衛生監視員が不足すると懸念されています。

残留農薬問題やBSE問題など、食の安全・安心が脅かされる問題が国内外で頻発しているいま、その安全性を確保する食品衛生監視員の活躍への期待と需要はますます高まっています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

就職・転職

水道局職員

安心安全な水を届けるための仕事

水道局の役割は、安心安全な水を地域に提供することです。

わたしたちは、いつも蛇口をひねれば水を利用することができますが、これは各自治体にある水道局の職員が活躍しているからです。

水道局では、水道管路や浄水場を保有し、その管理や維持のための業務を行っています。

水道局の詳しい仕事は、「事務系」「技術系」「料金系」に分けられます。

  • 事務系:経理や経営、総務などの仕事を担います。
  • 技術系:水道管の管理や工事に関わること、浄水場や配水場、電気設備などの管理や保守などを行います。
  • 料金関係:水道料金の管理や、水道料金の支払いが滞っている人に対しての督促・使用中止作業を行ったりします。
  • なお、水道局という名称は市区町村によって異なり、「水道課」「上下水道局」「水道企業団」などと呼ばれることもあります。

    警察事務

    警察官の業務が円滑に進むように、警察組織全体を支える仕事

    警察事務は、地域住民の安全な暮らしを行政面から支える仕事です。

    警察本部もしくは警察署に勤務し、地域住民と直接関わる窓口業務や、第一線で働く警察官の業務が円滑に進むように組織全体を支える仕事を行います。

    公安職である警察官と違って犯人の逮捕や取り締まりをすることはありませんが、幅広い仕事に携わり、そのすべてが地域社会の治安維持につながる重要なものです。

    立場は事務職ですが、当直勤務もあったり上下関係や規則が厳しかったりなど、一般企業の事務職とは異なる部分も多いでしょう。

    警察事務は公務員であるため、就職するには公務員試験である「警察事務職員採用試験」を受験し合格しなければなりません。

    採用試験は都道府県単位で実施され、筆記試験や面接、適性検査などが行われます。

    そして試験合格後は警察学校に約1か月間入校し、警察学校卒業後に具体的な配属が決定されます。

    最初の配属以降も定期的に異動があり、総務課、会計課、施設課などさまざまな部署でキャリアを積んでいく仕事です。

    公務員の仕事にはどんな種類がある?

    公務員とは、「国民全体の奉仕者として公共の利益のために働く」人のことを指します。

    民間企業のように利益を追求するのではなく、あくまでも社会全体の幸せを守る役割を果たしています。

    公務員は所属によって二種類に分けられており、国の機関に所属する「国家公務員」と、地方自治体に所属する「地方公務員」がいます。

    前者の仕事は、国の財政運営や医療、社会福祉などに携わることです。

    私たちがニュースで見かける「官僚」や「外交官」は、国家公務員の代表的な職業のひとつです。

    「自衛隊」「海上保安官」「裁判官」「刑務官」「税関職員」などの仕事もあります。

    これに対して、後者の地方公務員は、地域の生活を守るために働きます。

    自治体のトップである「知事」「市長」や、県庁や市役所で働く職員は代表的な職業といえるでしょう。

    また、「教師」「保育士」「警察官」「消防士」、「動物園職員」などの職業もあり、仕事内容は多岐にわたります。

    公務員の仕事に就くには?

    公務員には、国の機関に所属する「国家公務員」と、地方自治体に所属する「地方公務員」がいます。

    公平な試験を経て採用を決めるため、国家公務員も地方公務員も、必ず公務員試験を受けなければいけません

    国家公務員のものは国が、地方公務員のものは地方自治体が独自に実施しています。

    試験によって日程や問われる知識は異なりますが、筆記試験や面接が主な内容です。

    一般的には、国家公務員試験のほうが難易度が高いといわれています。

    東大や京大などの難関大学の学生が数多く受けることで知られており、試験に合格することは決して簡単ではありません。

    地方公務員も倍率が高いことで知られていますが、仕事内容によっては高卒で受けられる職種もあります。

    公務員を目指す人のための専門の予備校や通信教育もあり、このような受験対策を行う学生も少なくありません。

    独学で合格できるか心配だという人はこうしたコースを受講するとよいでしょう。

    公務員の仕事の年収はどれくらい?

    公務員の年収は、所属や仕事内容によって大きな差があります。

    一般的には、地方公務員よりも国家公務員のほうが年収が高いといわれています。

    たとえば、「平成31年 国家公務員給与等実態調査報告書」によると、国家公務員全体の平均給与月額は、417,683円(平均年齢43.1歳)です。

    これは「俸給」という基本給に、地域手当や寒冷地手当、本府省業務調整手当等を加えた額です。

    平均年収でいうと600〜700万円前後と考えるとよいでしょう。

    一方、総務省の調査によると、地方公務員の平均給与月額は362,047円(平均年齢42.1歳)と発表されています(平成31年4月時点)。

    国家公務員に比べるとやや低い水準です。

    ただし、地方公務員の平均年収は自治体によって大きく異なり、都市部では国家公務員と同等か、それ以上になるケースもあります。

    各種手当や福利厚生、退職金なども充実しており、安定性が高いことは間違いありません。

    公務員の仕事にやりがいはある?

    公務員には、この国で暮らす人たちを守るために働くという使命があります。

    民間企業では利益追求が重視されることがありますが、公務員は公共の福祉を何よりも重視します。

    医療や福祉、保育や教育などを通して社会をよくするために働けることがやりがいになるのは間違いないでしょう。

    また、「国家公務員」と「地方公務員」には、それぞれに異なるやりがいもあります。

    国家公務員はスケールの大きな仕事が多く、国の政策や制度づくりに関われる機会もあります。

    外交官のように海外で活躍できる仕事もあるのも魅力です。

    「広いフィールドで自分の能力を存分に発揮したい」という人に向いています。

    これに対して、地方公務員は地域密着型の仕事が多く、住民との関わりが多いのが魅力です。

    地域への愛着がやりがいにつながるため、その土地の出身者や在住歴がある人が多く働いているのが特徴です。

    「ふるさとを元気にしたい」という人に向いています。

    公務員の仕事のデメリットは?

    公務員というと「雇用が安定」「福利厚生が充実」「定時に帰れる」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。

    実際にメリットが多く、採用試験ではたくさんの人の応募が殺到するのが公務員です。

    しかし、デメリットといわれていることもあります。

    まず、職種によっては残業が多く、激務となってしまうことがあるようです。

    いわゆる「官僚」「キャリア」と呼ばれる国家公務員は残業が多いことで知られており、休日出勤や泊まり込みをすることもあります。

    また、地方公務員のなかでも「保育士」や「教師」は忙しいことで知られており、とくに教師は部活動の指導や大会遠征で土日も休めないことがあります。

    公務員だから休みが確保されているとは限らないのが現状です。

    ただし、近年は社会全体で働き方を改革する必要性が叫ばれており、残業や休日出勤を減らしていこうとする動きがあります。

    今後は公務員の働き方が変わっていくことが期待されています。

    公務員の仕事は楽? 難しい?

    公務員を目指す人のなかには「民間企業よりも仕事が大変じゃなさそう」と考える人もいるかもしれません。

    たしかに、売上や販売数のノルマに追われる民間企業に比べると、公共のサービスを提供する公務員はハードではないように見えるのかもしれません。

    しかし、実際には公務員は日本全国に300万人以上もいて、大きな責任とプレッシャーを背負って働く仕事もたくさんあるのが現状です。

    国の法律や予算に携わる仕事、裁判で判決を下す仕事、事件事故や災害時に現場で人命を救助する仕事、生徒の勉強や部活動を指導する仕事。

    どれも決して楽で簡単な仕事ではないことがわかるでしょう。

    また、市民と関わる業務の中では、無理難題やクレームをつけられてストレスを抱えながら対応をすることもあるのです。

    「公務員の仕事は楽そう」と安易に考えて就職すると、現実とのギャップに苦しむ日が来るかもしれません。

    仕事内容や働き方をよく下調べすることが大切です。

    よくある質問

    • Q.公務員の仕事には何がある?

      公務員は、「国家公務員」と「地方公務員」の二種類に分けられます。

      国家公務員は国の機関に所属しており、官僚や外交官、裁判官や税関職員などがこれにあたります。

      地方公務員は地方自治体に所属しており、教師や保育士、警察官や消防士などが代表的な職業です。

      役場に勤める職員や知事、市町村長なども地方公務員になります。

    • Q.公務員の仕事の年収はどれくらい?

      地方公務員よりも国家公務員のほうが高収入になる傾向があります。

      平成31年の調査によると、国家公務員の平均給与月額は、417,683円(平均年齢43.1歳)、地方公務員の平均給与月額は362,047円(平均年齢42.1歳)。

      年収にすると400〜700万程度です。

      公務員には年に二回のボーナス(賞与)も支給されます。

    • Q.公務員の仕事にはやりがいはある?

      公務員には、この国で暮らす人たちを守るために働くという使命があります。

      民間企業では利益追求が重視されることがありますが、公務員は公共の福祉を何よりも重視します。

      これは、国家公務員であっても地方公務員であっても同じことです。

      社会をよくするために働けることがやりがいになるのは間違いないでしょう。