海上保安官の採用・募集の状況は?

海上保安官の採用・募集状況

採用状況は学校や課程によって異なる

海上保安大学校では、毎年80名前後が合格しています。

一方、海上保安学校の場合は課程により採用人数が変わります。

一番多いのは船舶運航システム課程で、ここ数年は毎年400名以上が合格をしています。

ほかの課程を見ていくと、航空課程は15~30名程度、情報システム課程は80~90名程度、管制課程は15~30名程度、海洋科学課程は20名程度が毎年合格しています。

この人数はあくまでも合格者です。

ここから実際に入学する人の数は若干減ります。例を挙げると、海上保安大学校の2018年入学者は60人でした。

海上保安学校、海上保安大学校ともに入学すると、海上保安官としての第一歩を踏み出すことになります。

人手不足により募集状況は活発

2021年現在、約14,000人の海上保安官が全国で任務に就いています。

テレビや新聞などでたびたび報じられているように、近隣諸国の船や不審船の領海侵犯への対応や、海の治安を守るための犯罪の取り締まりなど、海上保安官は数々の重要な仕事を担当します。

このほか、海難事故への対応や、海の交通を管理して国内外船の航行の安全を確保すること、さらに、海洋資源の開発・利用を目的とした海洋調査といった任務も海上保安官の任務です。

このように、海上保安官は多岐にわたる任務を遂行しなくてはなりません。

世界でも有数の広さを誇る日本の海を守り、海難事故にも滞りなく対応するためには、まだまだ人員不足なのが現状です。

近年では400名を超す増員要請を行うなど海上保安庁では積極的な増員計画を立て、積極的に採用活動を行っています。

試験を受験できる年齢の上限が拡大

若手人材の採用を増やすために、近年、海上保安学校と海上保安大学校では、入学試験の受験資格となる年齢上限の引き上げを実施しました。

現在、海上保安学校は30歳未満、海上保安大学校も「初任科」課程は大卒の学歴があり30歳未満であれば受験することができます。

試験に合格するためにはもちろん勉強が必要ですが、海上保安庁では増員に積極的な状況であるため、これから海上保安官を目指す人も、まだまだチャンスは十分にあるといえます。

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女性の海上保安官の活躍状況

ここ数年、海上保安庁では女性海上保安官の積極的な採用を進めており、2021年現在、1000名ほどの女性海上保安官が働いています。

女性が結婚・出産後も仕事を続けられるようにワークライフバランスに考慮した職場環境の整備や、一人ひとりの事情に応じた人員配置なども行われています。

女性保安官の活躍の場もどんどん広がりを見せており、航空機のパイロットや国際捜査官、運用管制官といった最前線で働くケースや、巡視船船長や海上保安部課長といった幹部として業務を行う女性職員もいます。

海上保安官は中途からでもなれる?

海上保安官になるための一般的なルートは、海上保安大学校や海上保安学校に入学することですが、このほか「有資格者採用試験」という採用枠もあります。

有資格者採用試験は、船艇職員・無線従事者・航空機職員としての資格を保有する人が受験可能です。

それらの資格を持っていれば、中途でも海上保安官になることができます。

この採用試験を受けて合格したら、福岡県北九州市にある海上保安学校門司分校で約6カ月間の研修を受けます。

研修修了後は、各区分に応じて巡視船艇の乗組員として配属、あるいは航空基地や航空機搭載型巡視船などに配属されます。

なお、試験に合格し海上保安学校門司分校に入学する時点で国家公務員として採用されるため、毎月給与が支給されるほか、年2回のボーナスも支給されます。