航空管制官の年収はいくら? 給料についてくわしく解説
航空管制官の平均年収・給料の統計データ
国土交通省に所属する国家公務員である「航空管制官」の給料は、「専門行政職俸給表」に基づいて計算されます。
これは国家公務員のなかでも専門性の高い仕事に就く人のための俸給表で、そのため一般的な国家公務員と比較して、やや高い給与水準となっています。
航空管制官の平均年収・月収・ボーナス
人事院の平成31年国家公務員給与等実態調査によると、航空管制官を含む「専門行政職」の平均給与月額は445,706円となっています。
国家公務員全体の平均給与月額は417,683円ですので、それと比較して28,000円ほど高いことがわかります。
これは毎月決まった給与(俸給)350,010円に諸手当の95,696円を加えたものです。
手当の内訳は、扶養手当10,272円、俸給の特別調整額12,131円、地域手当等53,581円、住居手当8,927円、その他10,785円となっています。
国家公務員のボーナスは「期末手当」「勤勉手当」として6月・12月の年2回、合計して俸給等の4.5月分が支給されます。(令和2年4月1日現在)
そこから算出すると、航空管制官の平均ボーナス額は1,862,384円、平均年収は7,210,856円と想定されます。
職員数 7,876 人
平均年齢 42.4 歳
平均経験年数 20.0 年
平均給与月額 445,706 円
俸給 350,010 円
手当計 95,696 円
想定平均ボーナス 1,862,384 円
想定平均年収 7,210,856 円
出典:人事院「平成31年 国家公務員給与等実態調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
航空管制官の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
国家公務員も民間企業と同じように、毎月「税金」と「社会保険」が給与から差し引かれます。
上記のデータから航空管制官のおよその手取り金額を算出すると、平均月収が約35万円、平均ボーナス額が149万円、平均年収が約577万円となります。
国税庁の民間給与実態統計調査(2019年発表)から算出した民間の平均手取り年収は約353万円なので、一般的な会社員よりかなり高い水準といえます。
航空管制官(専門行政職)の平均年収
航空管制官(専門行政職)の平均年収は、28歳以上32歳未満で4,629,790円、36歳以上40歳未満で6,722,074円、44歳以上48歳未満で7,949,068円、52歳以上56歳未満で8,689,717円となっています。
※「年齢階層別平均給与月額」から簡易的に算出しているものなので、実際の平均年収とは異なります。
航空管制官(専門行政職)の経験年数階層別平均俸給額
航空管制官(専門行政職) の経験年数ごとの月額俸給です。
この額に諸手当が年齢や条件によって2〜12万円ほど付与されます。
経験年数 | 高校卒 | 短大卒 | 大学卒 |
1年未満 | - | 167,225 | 192,425 |
1年以上 2年未満 | - | 181,115 | 201,102 |
2年以上 3年未満 | 165,100 | 182,928 | 204,481 |
3年以上 5年未満 | 181,991 | 198,145 | 218,608 |
5年以上 7年未満 | 203,160 | 208,973 | 236,779 |
7年以上 10年未満 | 233,525 | 241,653 | 272,767 |
10年以上 15年未満 | 269,109 | 291,466 | 320,334 |
15年以上 20年未満 | 333,345 | 352,725 | 372,877 |
20年以上 25年未満 | 370,631 | 383,096 | 397,843 |
25年以上 30年未満 | 385,645 | 399,621 | 419,502 |
30年以上 35年未満 | 402,380 | 414,184 | 422,747 |
35年以上 | 408,021 | 413,479 | 412,743 |
航空管制官(専門行政職)の級別平均俸給と経験年数
国家公務員の俸給は、各人の級によって変わります。
それぞれの級の平均俸給とその級までに達する年数を表したのが下記の表です。
1級 | 2級 | 3級 | 4級 | 5級 | 6級 | 7級 | 8級 | |
平均俸給 | 219,971 | 289,597 | 372,556 | 411,295 | 444,505 | 465,901 | 510,518 | 553,400 |
経験年数 | 5.8 | 12.4 | 22.8 | 28 | 28 | 31 | 32 | 32.7 |
航空管制官の初任給はどれくらい?
航空管制官になるには、大学や短大、専門学校を卒業し、航空管制官採用試験に合格した後、航空保安大学校で8ヵ月の基礎研修を受ける必要があります。
研修期間中も国家公務員としての扱いになるため、給料が支払われます。
その際の初任給は、「行政職俸給表(一)」に基づき、地域手当を含み193,000円程度となります。(4年制大学新卒、職歴が無い場合)
研修を修了すると、空港や航空交通管制部に配属され、正式に航空管制官として働き始めます。
その場合の給料には「専門行政職俸給表」が適用され、職務の困難性、特殊性に基づき「俸給の調整額」も支給されます。
たとえば東京空港事務所に配属された場合の初任給は、地域手当と調整額を含めて245,000円程度となります。
このほかに航空管制官手当、夜間特殊業務手当、夜勤手当、休日給も支給されます。
航空管制官の福利厚生の特徴は?
航空管制官は国家公務員の身分となるので、福利厚生はかなり充実しているといえます。
まず手当は、ほかの国家公務員と同様に、期末・勤勉手当(1年間で俸給等の約4.5月分)、住居手当(月額最高28,000円)、通勤手当(月額最高55,000円)、扶養手当、地域手当などがあります。
航空管制官にはさらに、業務の従事実績に応じて「航空管制手当」、最大1,100円の「夜間特殊業務手当」なども支給されます。
また航空管制官は転勤になることも多いですが、その際にも「特地勤務手当」「寒冷地手当」「広域異動手当」などの手当が出ます。
休暇制度も充実しており、年次有給休暇は年に20日、そのほかに病気休暇、介護休暇、特別休暇(夏季・結婚・出産・忌引・ボランティアなど)があります。
またワークライフバランス支援制度として、育児休業制度や職場復帰サポート制度などもあり、仕事と家庭生活の両立がしやすい環境となっています。
さらに航空管制官は国土交通省の共済組合が実施している各種制度の利用もできます。
具体的には、病気や負傷時などに給付される健康保険、厚生年金、人間ドックや宿泊施設がお得に利用できる保険制度、緊急に資金が必要になった際の貸付制度、貯金制度などがあります。
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航空管制官の給料・年収の特徴
航空管制官を含む国家公務員の給料は、法律に基づいて、人事院が作成する「俸給表」で明確に定められています。
給与水準は民間企業との差が大きくならないように少なくとも年に1回見直されますが、おおむね上場企業クラスの大企業群に近い水準となります。
そのなかでも航空管制官の給料には、一般の行政職職員より2割程度高い「専門行政職俸給表」が適用されます。
航空管制官の仕事は専門性が高く、飛行機の乗員の命に関わるなど大きな責任を伴うため、給与水準も高く設定されていると考えられます。
また福利厚生や各種手当は手厚く保証され、退職金も2000万円を超えるため、安定した生活を送ることができるといえます。
航空管制官が収入を上げるためには?
航空管制官は公務員であるため、基本的には勤続年数に比例して給料は上がっていきます。
公務員の給料を定める俸給表は「級」と「号」で構成され、それが上がるにつれて俸給額も上がる仕組みになっています。
「級」は一定の期間や勤務成績によって上がり、「号」は基本的には1年に4号ずつ上がります
公務員は長く続けるほど、高い収入が見込めるといえます。
航空管制官の場合は、20代新卒時の年収は350万円程度ですが、30代に入るころには約450万円にまで増加します。
さらに40代で約700万円、50代後半には約850万円を超える年収となります。
また役職がつけば管理職手当なども支給されるため、年収が1000万円を越えることもあります。