ここでは、人の健康と命を守る「医療関係」の職業・仕事の種類について紹介しています。

病院などの医療機関で医療スタッフとして働く仕事以外にも、医療業界を支えたり、医療の発展に貢献したりする仕事には、さまざまなものがあります。

あわせて、薬学系や動物医療系の仕事についても取り上げています。

医師・看護系

医学の専門知識を持ち、病院などの医療機関で病気やケガで苦しんでいる人の診療・治療にあたる仕事です。 病気の予防や健康な体づくりのための指導・アドバイスを行ったり、妊娠・出産前後の女性の心身のケアに携わったりする仕事もあります。

医師

医学の専門知識を有し、病気やケガの診察・治療や、病気の原因を解明する研究を行う。

医師の仕事は、医学の専門知識をもって患者さんの病気や怪我の診療・治療を行ったり、基礎医学の研究を通して医学の発展に貢献することです。

臨床医の場合、大きな病院では小児科、心療内科などに細かく科が分かれ、各領域を専門とする医師が診察を行いますが、町の診療所では一人でさまざまな症状を診ることが多くなります。

医師になるためには、医学部で6年間学び医師国家試験に合格することが必要ですが、医学部への入学は難関であり、入学後も国家試験の勉強に追われます。

国家試験合格後は2年間の研修を経て、一人前の医師として認められるようになっていきます。

医師の収入は平均的な会社員よりも高めですが、人の命に関わる責任の重さを背負い、心理的・身体的な負担も大きい仕事です。

経験を積むと独立して開業医として働く人も多くなります。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

働き方

看護師

医療現場で患者さんの心身のケアを行い、医師の診察・治療をサポートする。

看護師の仕事は、医師が患者の診察や治療を行う際に補助をしたり、病気やケガを抱える患者のケアを行うことです。

血圧や体温、脈などの測定、注射や点滴、採血などの治療の補助、さらには入院患者さんの食事やお風呂、ベッドメーキングといった身のまわりの世話など、業務内容は多岐にわたります。

看護師になるためには、看護師養成の課程がある学校において3〜4年学んだのち、看護師国家試験に合格し、看護師免許を取得することが必要です。

看護師国家試験の合格率は90%前後で比較的高めですが、看護学校の倍率は高いものとなっているため油断できません。

医師や薬剤師、栄養士などがチームを組んで治療を行う「チーム医療」において、看護師は昔以上に重要な役割を担うようになっています。

一方、高齢化社会が進む状況において看護師不足も課題となっており、若い人材が求められています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

体験談

助産師

お産介助から妊娠・出産前後の心身ケアまで、女性の健康を総合的ににサポートする。

助産師は、妊娠や出産から出産後のケア、育児の指導まで、出産前後の女性を総合的にサポートする仕事です。

助産行為は、医師と助産師のみに許されているものであり、正常な経過の自然分娩であれば、助産師のみで出産を行うこともできます。

おもな勤務先は、総合病院の産婦人科やマタニティクリニック、助産院です。

助産師になるためには、その前段階として「看護師」の資格を取得する必要があります。

看護師になってから、さらに指定の養成期間で1年以上の教育と実習を行ったのちに助産師国家試験に合格することで、助産師の資格が与えられます。

近年では産婦人科の医師が減少しているため、助産師への期待が以前にも増して高まり、助産師を目指す人は増えてきています。

一方で、助産師の仕事は出産時間が読めないということから長時間でハードなものになりがちで、待遇の改善が求められています。

仕事内容

なるには

給料・年収・待遇

資格・試験

学校・講座

就職・転職

保健師

企業、学校、保健所などに勤務し、病気の予防や健康増進のための指導とアドバイスを行う。

保健師とは、地域の人々や学校の生徒、会社の従業員などが健康に暮らせるようサポートする医療系の専門職です。

医師や看護師が病気やケガの「治療」に深く関わるのに対し、保健師はそれらの「予防」や「健康増進」のための役割を担っています。

「予防医学」の考え方が普及している現代では、保健師の重要性は以前にも増して高まっています。

保健師になるためには、まず前提として「看護師」の資格を取得し、さらに「保健師国家試験」に合格する必要があります。

おもな活躍の場は学校や企業、自治体などで、各職場において、健康診断や予防注射、健康相談、乳幼児の検診などの業務に携わります。

最近では高齢化にともない介護施設でのニーズも高まっており、活躍の場がさらに広がっています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

体験談

救急救命士

救急車に同乗し、医師の指導の下で救急救命処置を実施。一刻を争う事態に最善を尽くす。

救急救命士は、おもに救急車に同乗し、病院までの搬送中に心肺停止などの緊急事態が起こったときに、医師の指示の下で救急救命の処置を行う仕事です。

救急救命士の多くは地方公務員として消防署に勤務しています。

救急救命士になる一般的なルートは、下記の2つです。

1.救急救命士養成校を卒業して消防署に勤務する
2.消防署に勤務後に救急救命士の講習を受ける

いずれの場合でも、救急救命士の国家資格取得と、消防官採用試験への合格・採用が必要となり、救急救命士への道のりは簡単なものではありません。

救急車の出動件数が年々増えているなか、救急救命士の需要や、担う役割はますます大きくなっています。

現在は、救急救命士が、より広い範囲の救命行為を行えるよう検討が進められています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

医療技師・機器系

医療機器のスペシャリストとして、病気やケガを抱える患者さんを助ける仕事です。 医師と連携し、専門的な医療機器を使いこなして自ら検査や治療を行ったり、医療機器を病院やクリニックなどに販売する仕事に携わったりします。

臨床検査技師

医師の指導の下、病気の診断や治療に必要な心電図・脳波・血液などの各種検査を行う。

臨床検査技師とは、病院や保健所などにおいて、医師の指示の下で、病気の診断や治療のためにさまざまな検査を行う医療専門職です。

検査の種類は、心電図や脳波といった患者本人の体の生理的反応や機能を測定する「生理学的検査」や、患者の体の組織や血液や尿などを採取し、それらの成分や細菌の有無などを調べる「検体検査」などがあります。

検査データを分析する専門的知識、またそこから体の異変を見つけ出す能力なども求められてきます。

臨床検査技師になるには、まず臨床検査に関する養成課程がある学校で3年以上学び、臨床検査技師国家試験に合格することが必要です。

新しい機器や検査法が次々に生まれ、医療の専門化が進んでいるなか、臨床検査技師にもより高度かつ専門的な活躍が求められています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

体験談

診療放射線技師

医師の指導の下、放射線を用いた各種検査や、がん治療の際の放射線治療を専門的に行う。

診療放射線技師は、医師の指示の下で、放射線を用いて検査や治療を行う仕事です。

CTやMRI、微量の放射性物質を用いて病気を診断するラジオアイソトープ検査(RI検査)や、がん細胞を破壊する放射線治療などを担当します。

放射線の照射は人体に害を及ぼす危険性があるため、放射線の専門化である診療放射線技師と医師・歯科医師にしか認められていません。

患者さんの放射線被ばくに対する不安を緩和するため、説明を行ったり、機材を管理したりするのも、診療放射線技師の大事な仕事です。

診療放射線技師になるためには、放射線技師の養成課程がある大学や専門学校で3年以上学び、国家試験に合格することが必要です。

診療放射線技師を目指す人は年々増えており、受験者数が増加している一方で、合格率は低下する傾向にあります。

近年は、乳がん検診やマンモグラフィ検査(乳房X線検査)など、女性に対する検査ニーズが増えているため、女性技師への需要が高まっています。

放射線に関係する技術は日進月歩であり、将来性も見込める仕事です。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

臨床工学技士

病院で使用する生命維持のための機器操作や保守点検を行い、医療現場を支える。

臨床工学技士とは、医師の指示を受けて、生命維持管理装置の操作を行ったり、それらの機器の保守点検を行ったりする技術者のことです。

臨床工学技士が扱う医療機器には「人工心肺装置」「人工透析装置」「人工透析装置」などがあり、いずれも医療現場では不可欠な装置ばかりです。

人工透析の仕事が多いですが、勤務先によっては手術中、また集中治療室などで機器を操作する業務もあります。

臨床工学技士になるには、臨床工学技士養成課程がある学校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。

資格取得後は総合病院や診療所(透析クリニックなど)に就職するほか、医療機器メーカーなどの民間企業に勤務する人もいます。

医療機器は年々進化を続けているため、それを扱うための正しい知識と技術を身につけ、責任感をもって業務にあたることが強く求められる職業です。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

視能訓練士

眼科医の指導の下、目に関する各種検査や、機能回復のための訓練、リハビリを行う。

視能訓練士とは、医師の指示の下で、目に関する検査や目の機能を回復するための訓練をする医療系の専門職です。

専用の検査器具を用いて、視力・眼圧・視野・色覚・光覚などの目の検査を行う「眼科検査」や、斜視や弱視など両眼視機能に問題がある患者さんに対して訓練プログラムを作成する「矯正訓練」などを実施し、視力機能の回復を図ります。

視能訓練士になるためには、視能訓練士養成施設(大学・専門学校)で学んだのちに、国家試験に合格することが必要です。

おもな就職先は、眼科の診療所か病院です。

視能訓練士国家試験の受験者数は増加傾向にありますが、視能訓練士の人数はまだ不足しているとされ、都市部の病院や眼科診療所を中心に多数の求人が出ています。

視能訓練士は、他の医療職と異なり夜勤がほとんどないため、女性にとっても働きやすい仕事といえるでしょう。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

細胞検査士

医療機関で、がん細胞の早期発見など細胞病理検査を専門的に行う。

細胞検査士とは、病院をはじめとする医療機関にて「細胞病理検査」を担当する医療専門職です。

細胞病理検査とは、医師が採取した人体の細胞の一部を顕微鏡で観察し、がん細胞を早期発見することです。

細胞検査士になるための一般的なルートは、まず「臨床検査技師」の養成機関で学び、臨床検査技師の国家資格を取得した後に1年以上の勤務を継続し、「細胞検査士」の認定資格取得を目指す方法です。

主な就職先は、がん専門病院や大学病院、一般病院のほか、民間の検査センター、大学や民間企業の研究機関などがあり、正社員のほか契約社員やパートとして働く人もいます。

医療業界を支える重要な職種ではあるものの、細胞検査士の前提キャリアとみなされる「臨床検査技師」自体の求人がさほど多くないため、細胞検査士になるための道のりはやや険しいと考えておいたほうがよいでしょう。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

オプトメトリスト

「視る力」に問題のある患者さんにトレーニングを行い、視力アップを促す目の専門職。

オプトメトリストは、「視る力」に問題のある患者さんの視力をアップするために、さまざまなサポートを行う仕事です。

「目が健康で疾患がないか」を重視して治療を行う眼科医とは異なり、薬や手術に頼らず、独自のトレーニング方法などで患者さんの訓練を行ったり、生活習慣のアドバイスをしたりします。

勤務先は眼鏡・コンタクトレンズ専門店やメーカー、眼科病院が主となりますが、日本ではまだ公的な資格がないため、専門職としてのオプトメトリストの歴史が長いアメリカなどの大学院で学び、知識を深める人もいます。

IT化による視力低下に悩む人が増加する現代ですが、さらにはスポーツ選手に必要とされる視力を高める訓練、さまざまな障害のある方の視力の問題など、オプトメトリストがスキルを生かせる場面は多岐にわたり、今後の活躍の場のさらなる広がりが期待されます。

臨床開発モニター(CRA)

製薬会社が行う治験が、法律やルールに則って適正に実施されているかを確認する。

臨床開発モニター(CRA)は、製薬会社が新薬を開発する課程に行う「治験」の際に、その治験がさまざまな法律やルールに則って適正に実施されているかを確認する仕事です。

治験を実施する医療機関や医師の調査、被験者の調査、治験中のモニタリングや治験結果の報告など、治験の流れ全般に係わります。

医薬品に関する幅広い知識が求められるため、看護師や薬剤師、臨床検査技師、MRなどの経験がある人が、この仕事に就くケースが多いようです。

平均年収は400万円前後とされていますが、能力次第で収入を大きくアップさせることができるでしょう。

製薬会社では常に複数の新薬の開発を並行して行っており、今後、臨床開発モニターの需要はさらに高まると予想されています。

医療機器メーカー社員

病院やクリニックなどの医療現場で用いられる多種多様な製品を製造し、販売する。

医療機器メーカーとは、MRIやペースメーカー、人工透析装置などの大型医療機器から、包帯、注射器といった消耗品まで、医療現場で用いられるさまざまな製品を製造し、販売する会社のことです。

医療機器メーカーの顧客は病院やクリニック、健診センターなどの医療機関が中心です。

そのため一般消費者ではなく、医師や臨床検査技師、看護師などに対し、自社製品やサービスの提案営業を行います。

営業職は全学部・全学科を対象とし、特別な資格やスキルが求められることは普通ありません。

技術職は工学部で電気・電子、情報、機械系の勉強をしてきた人を対象とする募集が中心となっています。

また、「臨床工学技士」の国家資格を有して、医療機器メーカーで働く人もいます。

医療機器業界は景気の影響を受けにくく、比較的安定した需要があります。

世界規模で見ても人々の健康意識の高まり、また新興国では経済の発展に伴っての医療水準が向上しつつあることなどから、今後も全世界的に成長が期待できるでしょう。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

医療機器販売会社

注射器やガーゼなどの消耗品から大型検査機器まで、医療現場で使われる製品を販売する企業。

医療機器販売会社とは、医療現場で使われる製品を販売する企業を意味します。

医療現場では、注射器やガーゼ、包帯などの消耗品から、CT・MRIなどの検査機器、人工透析装置といった大掛かりな機器まで、多種多様なものが使われています。

医療機器販売会社の社員は、取り扱う医療機器の特徴や使用方法などを医療従事者に正しく伝え、さらに機器導入後の点検や修理といったアフターフォローまで担当します。

医療機器販売会社は全国にいくつもあり、幅広い取り扱い品目を揃える規模の大きな企業から、一部の商品のみに特化した中小企業までさまざまです。

就職の際に求められる学歴は会社によって異なりますが、医療の専門知識がなくても、人当たりの良さやコミュニケーションスキル、熱意などが重視させる傾向にあるようです。

営業職として働く社員が多く、平均年収は400万円~500万円前後がボリュームゾーンとされますが、個人のノルマの達成率などに応じて給料をプラスするインセンティブ(成果報酬)形式を取り入れる企業も目立ちます。

医療事務系

医療施設で、医師・看護師などの医療スタッフを事務の面からサポートする仕事です。 カルテ管理、診察受付、診療報酬明細書の作成などを行い、多くの患者さんが来院する医療施設でのスムーズな診察・治療に貢献します。

医療事務

病院の受付窓口業務や診療報酬明細書を作成する、医療現場における事務のスペシャリスト。

医療事務は、病院や診療所などの医療機関において、医療に関わる事務全般に携わる人のことです。

医療事務の仕事は、大きく分けると「受付窓口業務」と「レセプト作成業務」があります。

受付窓口業務は、保険証や診察券の確認、診察料の徴収などを行います。

レセプト作成とは、患者の医療費を計算して、専用の明細書を作ることです。

医療事務の資格には「医療事務技能審査試験」と「診療報酬請求事務能力認定試験」があり、このような資格があれば就職時に有利になります。

給料は一般事務職と大差ありませんが、都市部の大きな病院や、経験豊富な人材は、よい待遇で採用されることがあります。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

病棟クラーク

大病院に勤務し、入院患者のカルテ管理や各種手続きを行い医師と看護師をサポートする。

病棟クラークとは、おもに病院の病棟に勤務して「医師」や「看護師」らのサポート役を務める職種です。

病棟クラークが勤務するのは、入院病棟を備えた大きな病院が中心で、患者さんが入院する際の書類の受け取りや病室手配、名簿作成、ベッドにつけるネームプレートなどの準備などを担当します。

カルテ整理や診療で使う器具準備などを任されることもあり、医師や看護師が患者さんの治療やケアに専念できるよう、裏方として支えていきます。

病棟クラークになるために必要な資格はとくにありませんが、医療現場に関する基礎知識や、事務的なスキルを身につけていると仕事に役立ちます。

情報技術の革新や新しいテクノロジーの開発にともなって、今後、病棟クラークの業務内容もより専門的に、複雑になっていく可能性があります。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

働き方

医療秘書

医療機関における事務職のスペシャリスト。医師や他スタッフの活躍を裏方でサポートする。

医療秘書は、医療機関において、医師を中心とする医療スタッフを裏方でサポートする職種です。

具体的な業務内容は勤務先によっても異なりますが、来客対応や電話・メール応対、郵便物の整理といった一般企業の秘書と同じような業務から、医師が参加する学会の資料作成の手伝いといった医療現場ならではの業務まで、幅広く担当することが多いです。

医療秘書になるための国家資格や免許はありませんが、医療秘書の技能検定に合格していると、医療機関では優先的に採用されるケースがあります。

似たような職種に、病院の受付窓口やレセプト作成業務などを担当する「医療事務」がありますが、医療秘書の場合、患者さんと接することはほとんどなく、医師の仕事を事務的な面からサポートする役割が主となります。

正社員だけでなく、派遣やパートなどで活躍する人もいます。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

診療情報管理士

医療機関において、医師が作成するカルテの保存と活用に関わる業務を行う仕事。

診療情報管理士は、医療機関において、患者さんのカルテの管理・運用を専門とする職業です。

カルテ情報を国際基準で定められたコードに沿って登録したり、登録情報を調査・分析したりすることによって、医療現場の安全管理や診療体制の円滑化に貢献します。

診療情報管理の業務をするうえで資格は必須ではないものの、現場では、確かな知識を備えた「診療情報管理技能資格」の有資格者が求められています。

この資格は、日本病院会の指定校または通信教育を修了し、診療情報管理技能認定試験に合格することで取得可能です。

診療情報管理士の給料・収入は「医療事務」とさほど違いがないものの、その専門性の高さから、正社員での安定した形態で雇用されるケースが目立ちます。

国の進める新制度運用に重要な役割を担うことが期待されており、将来的には需要と認知度が伸びる職業と見られています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

医療情報技師

電子カルテやWeb診察予約など、医療機関で使われるシステムの開発、運用、保守を行う。

医療情報技師とは、病院などの医療機関で使われる情報システムの開発・運用・保守に携わる技術者です。

医療現場に情報システムを取り入れることで、診察の効率化や適切な情報管理に貢献し、医療スタッフと患者双方の負担の軽減を目指していきます。

医療情報技師のおもな活躍の場は、比較的規模の大きな病院、もしくは医療システム関連事業を手掛けている一般企業です。

各職場において、「電子カルテ」や「Web診察予約」など、各医療機関にふさわしいシステムを築き上げていきます。

医療情報技師は、まだ世間の認知度がさほど高くはない職業ですが、時代が進むにつれて医療現場でもITを活用する機会が増えており、需要は徐々に拡大しつつあります。

業務では医療に関する知識とITの専門的スキルの両方が求められるため、専門学校や大学で情報学やプログラミングなどを学んでおくと、就職の際の大きな強みとなるでしょう。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格試験

就職・転職

移植コーディネーター

移植医療の際に、提供者(ドナー)と移植者(レシピエント)の間に立ち、調整する。

移植コーディネーターは、移植医療において提供者(ドナー)と移植者(レシピエント)を調整する仕事です。移植には「臓器移植」「組織移植」「骨髄移植」「死体移植」「生体移植」といった分類があり、たとえば臓器移植において臓器提供病院に出向く「ドナーコーディネーター」は、ドナー評価、家族への説明、承諾書作成、ドナー管理、臓器摘出計画、臓器運搬、移植の立会い、ドナー施設や家族への報告を行います。

ドナーコーディネーターは主として「公益社団法人 日本臓器移植ネットワーク」に所属する人と、日本臓器移植ネットワークから委嘱を受けた「都道府県コーディネーター」の2種類に分けられますが、人数は多くありません。

アメリカに比べて臓器移植の発展が遅れている日本ですが、改正臓器移植法の施行で移植数が激増しているなか、移植コーディネーターの大幅な増員が実現する日も来るかもしれません。

薬学系

医薬品のスペシャリストとして、医療現場や人々を支える仕事です。 正しい薬の飲み方や副作用について患者さんに指導したり、医薬品の新しい情報を病院に伝えたりします。

薬剤師

医薬品の専門知識を持ち、処方箋に基づく薬の調剤や、患者さんへの服薬指導を行う。

薬剤師の仕事は、病院や薬局で、薬剤の「調剤」と「服薬指導」を行うことです。

調剤とは、医師の処方せんに従って医薬品を調合することで、服薬指導とは、薬の副作用や、どの薬をどのようなタイミングで飲めばいいかなどの情報を患者さんにわかりやすく説明することです。

医療の現場では「医薬分業」の考え方が進み、これまで以上に薬剤師には専門性が求められています。

薬剤師のおもな勤務先には、街の調剤薬局や病院内の薬局、あるいはドラッグストア、製薬会社などがあります。

薬剤師として働くためには、大学の薬学部にて6年間学び、薬剤師国家試験に合格しなければなりません。

薬剤師になるまでには専門的な勉強が必要で、学費も一般の文系学部より高めですが、就職後の給料や待遇は安定しています。

日本全国どこでも需要がある仕事で、とくに地方においては薬剤師が不足している状況のため、求人が多く見られます。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

働き方

調剤薬局事務

調剤薬局で事務を行う、高齢化社会において需要が高まっている仕事

調剤薬局事務とはその名前のとおり、調剤薬局で事務を行う仕事です。

調剤薬局とは、医師が発行した処方箋をもとに薬剤師が薬を調剤し、患者にその薬と適正使用に関する情報を提供する薬局のことです。

この調剤薬局において、調剤薬局事務は来局する患者の受付や会計、処方箋のチェック、レセプトの作成、お薬手帳の発行などを行います。

高齢化社会の問題を抱える日本においては、「薬の処方」と「薬の調剤」をそれぞれ医師と薬剤師が分担して行う「医薬分業」が推進されており、調剤薬局は社会にとって欠かせない存在となっています。

また近年は調剤薬局を店内に構えたドラッグストアも増えているため、そこで働く調剤薬局事務の需要も高まっている状況です。

調剤薬局で働くといっても、薬についての専門的な説明を行うのは薬剤師の役割であるため、就職時点で薬や医療に関する深い知識を身につけておく必要はありません

実際に無資格、業務未経験で募集がかけられているケースも多いため、誰にとってもチャンスのある仕事だといえるでしょう。

MR

医薬品メーカーに所属し、医薬品に関する効能や副作用などの最新情報を病院に提供する。

MR(Medical Representatives)は、日本語で「医薬情報担当者」を意味し、医薬品のスペシャリストとして病院などの医療現場に情報を提供する仕事です。

MRの多くは、製薬会社もしくは「CSO(医薬品販売業務受託機関)」という機関に勤務し、担当する医療機関に自社で取り扱う医薬品の情報を伝えます。

同時に、医師や看護師などと信頼関係を築くなかで、医療現場から医薬品の副作用に関する情報や、医薬品の使用状況を吸い上げる役割も担います。

国家資格が必要とされる職業ではありませんが、大手製薬会社のほとんどで「大卒以上」の学歴を求めます。

営業的な要素もある成果主義の仕事であるため、個人の売上実績に応じてインセンティブがつく企業も多く、年収1000万円以上を得ることも可能です。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

働き方

登録販売者

薬局等で一般用医薬品(第2類・第3類)を販売するために必要な資格を持つ人のこと。

登録販売者とは、ドラッグストアや薬局などで特定の医薬品(第2類および第3類の一般用医薬品)を販売するために必要とされる資格のことであり、またその資格を持っている人のことをいいます。

「薬剤師」に次ぐ医薬品のスペシャリストとして、お客さまが安心・安全に医薬品を購入できるよう設置されている資格制度です。

登録販売者になるためには、都道府県が行う「登録販売者試験」に合格し、都道府県知事の登録を受ける必要があります。

試験そのものに年齢・学歴の制限はありません。

近年は薬局やドラッグストア以外に、コンビニやスーパー、家電量販店などでも一般用医薬品を取り扱うところが増え、登録販売者のニーズが増しています。

一方、薬剤師に比べて資格取得が容易であることから資格保有者数は増え続けているため、理想的な勤務条件で待遇のよい勤務先を探すことに、やや苦労する可能性も考えられます。

この職業でキャリアアップを目指すのであれば、一定期間以上の実務経験を積んで「店舗管理者」や「管理代行者」を目指していく必要があるでしょう。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

就職・転職

働き方

治験コーディネーター

新薬の研究開発過程に必要な治験を行う際に、医療機関に代わってその進行をサポートする。

治験コーディネーターとは、「治験(製薬企業などによって開発された新薬が、実際の薬として使用されるために必要な臨床研究)」を行う際に、医療機関や製薬会社、患者さんの間に立ち、それがスムーズに進行するようサポートする人のことをいいます。

治験コーディネーターの主な働き方は、病院などの医療機関に就職するか、治験施設支援機関などの民間企業に就職して医療機関に派遣されるかの2通りです。

資格は必須ではないものの、医学や薬学の知識を有しており、「看護師」や「薬剤師」などの医療系資格を持っていると優遇されるケースも多くあります。

近年、日本では新薬の開発が盛んであること、また国が治験の活性化を促していることなどが追い風となり、需要が拡大傾向にある職業のひとつです。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

製薬会社社員

病気やケガを治すための医薬品を開発、生産、販売する会社に勤める人のこと。

製薬会社社員とは、病気やケガを治すための医薬品を開発・生産・販売する「製薬会社」に社員として勤務する人のことです。

製薬会社社員のおもな職種には、新薬を開発するための実験を行う「研究職」、臨床試験を行う「開発職」、医療従事者に医薬品の情報提供とセールスをする「営業職(MR)」、人事や経理などを担当する「事務職」などがあります。

とくに研究や開発の仕事では、理系の大学や大学院を卒業していることが採用の前提条件となっていることが多いです。

製薬業界は景気に左右されにくい商品を扱っていることから安定性があり、給料も比較的高めです。

ただし、近年では「ジェネリック」と呼ばれる後発医薬品の普及や、新薬開発の行き詰まりによって業界内の再編が活発化しています。

製薬会社社員を目指す人は、業界の変化の行方には注目したほうがよいでしょう。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

ドラッグストア店員

ドラッグストアに勤務し、接客やレジ、商品管理、発注、清掃などの業務を担当する。

ドラッグストア店員のおもな仕事は、来店されたお客さまに対しての接客、レジ、商品管理、発注、清掃などです。

ドラッグストアでは一般用医薬品のほか、日用品、食料品、化粧品など多岐にわたっており、店員は豊富な商品知識を持ってお客さまの買い物のサポートをすると同時に、店舗運営に携わりながら売上向上を目指します。

ドラッグストア店員は、正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなどさまざまな雇用形態で働けるところが特徴です。

学歴はほとんど問われず、求人数も多く、採用されればすぐに店員として店頭で働くことができ、給料は正社員で年収600万円前後がボリュームゾーンとされています。

「登録販売者」あるいは「薬剤師」の資格を持っていると優遇されるケースが多く、医薬品の専門知識を有したプロフェッショナルの活躍に期待が寄せられています。

近年、ドラッグストアは私たちの健康な暮らしを保持するために大きな役割を担っており、コンビニエンスストアやスーパーマーケット同様に欠かせない存在となりつつあります。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

歯科系

歯科医療の現場で、患者さんの診察や治療に関わっていく仕事です。 特殊な器具や道具を使って口腔内の病気を治したり、口の健康と美しさを守るためのアドバイスや指導を行ったりします。

歯科助手

歯科医院での受付やカルテ整理、治療の補佐など、裏方として歯科医師をサポートする。

歯科助手とは、歯科医院において「歯科医師」や「歯科衛生士」のサポートをする人のことです。

具体的な仕事内容は、窓口での受付や会計、院内の清掃、掃除やタオルの洗濯、予約の管理、カルテの整理など多岐にわたります。

診察中には、歯科医師の指示のもと、器具の準備や受け渡し、バキュームやライト、セメントの練和なども担当します。

なお、歯科助手は「歯科衛生士」と異なり、患者の口の中に手を入れることは認められていません。

資格も必須ではありませんが、歯科助手の認定資格を取得していると就職時に優遇されることがあります。

都市部を中心に歯科医院の数が増えているなか、歯科医院の円滑な運営を支える重要な役割を担っています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

コラム

体験談

歯科医師

歯や舌、あごなど口腔内全般の診察・治療を行い、患者さんの口の健康と美を守る。

歯科医師とは、歯をはじめとする口腔内全般の診察・治療を専門とする医療従事者です。

虫歯や歯周病といった歯や歯ぐき、舌に関する病気全般や、あごの病気も歯科医師がカバーする領域です。

歯科にはさまざまな専門分野があり、歯の矯正やホワイトニングを行う「審美歯科」などもあります。

歯科医師は医師と同様、国家資格が必要な職業であり、大学の歯学部で6年間学んで歯科医師国家試験に合格することが必要です。

ここ数年は国家試験の難易度が上がり、合格率は全体で60%~70%となっています。

医療の専門職として高収入が望め、独立・開業も目指せる職業ですが、都市部では歯科医師数が飽和に近い状態にあり、経営に苦しむ医院が増えてきています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

歯科衛生士

歯科医療の現場で、歯科医師の診療補助や、虫歯・歯周病予防措置、歯科保健指導を行う。

歯科衛生士とは、歯科診療の場で、歯科医師による治療の補助や、患者さんの口内の健康をサポートする専門職です。

歯科衛生士の業務内容を大きく分けると、歯石や歯垢の除去、フッ化物等の薬物の塗布を行う「歯科予防処置」、歯科医師の指示によって歯科医療の一部を補助する「歯科診療補助」、ブラッシングのやり方などを教える「歯科保健指導」があります。

歯科衛生士になるには、歯科衛生士養成課程のある学校で所定の過程を修了し、国家試験に合格することが必要です。

養成学校在学中は勉強で忙しい日々になりますが、国家試験そのものの合格率は95%前後で、在学中にきちんと学んでいれば合格はさほど難しくありません。

歯科衛生士の大半が歯科診療所に勤務しますが、それ以外に、総合病院の歯科や保健所、企業、また福祉領域などで活躍する人もいます。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

歯科技工士

特殊な道具と技術を駆使して、入れ歯、被せ物、矯正装置などを作る歯科業界の職人。

歯科技工士は、歯科医師の指示に従って、入れ歯や差し歯、歯の矯正装置、マウスピースなどを作成する技術者です。

人間の「身体の一部」になるものを製作するため、職人的な緻密さや正確さを大切に作業をしていくことが求められます。

歯科技工士の約7割は、歯科で使用する技工物の製作を専門的に手掛ける「歯科技工所」に勤務していますが、歯科クリニックなどの医療機関に勤務する人もいます。

歯科技工士には国家資格が定められており、なるためには歯科技工士養成所で所定のカリキュラムを修め、国家試験に合格することが必要です。

昨今の歯科技工物は海外からの輸入が増えており、国内の歯科技工士の労働条件はやや厳しい状況ですが、高い技術力をもつ歯科技工士は評価されやすいのもまた事実です。

とくに現在は若手人材が大きく不足しているため、これから目指す人にとってはチャンスが大きいといえます。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

動物医療系

「動物のお医者さん」として、おもにペットや家畜の診察・治療に携わります。 動物病院などで獣医師をサポートする看護師としての仕事もあります。 食肉の安全性の検査、野生動物の保護活動などにも関わります。

獣医師

ペットや家畜の診察・治療を行う動物のお医者さん。食肉検査や野生動物保護に携わる人も。

獣医師は「動物のお医者さん」として、犬や猫などのペットなどの診察・治療を行う仕事です。

動物病院でペットを診るほかにも、さまざまな仕事があります。

たとえば、畜産業の牛・馬・豚・鶏といった家畜の診療や病気の予防、食肉の安全性の検査、動物園の動物の診療、野生動物の保護、管理など、獣医師の活動する領域は多岐にわたります。

獣医師として働くためには獣医師国家試験に合格することが必要で、大学の獣医学部で6年間勉強し、獣医学の課程を修了することで国家試験の受験資格が得られます。

獣医学部の入試の難易度は高く、学費も高額です。

獣医師は動物病院を中心に、地方自治体や農協、医薬・製薬関連企業など、多様な場所で活躍しています。

幅広い動物の生態や病気に関する知識をもち、動物の命や、私たちの健康的な生活を支えるための多種多様な仕事に携わっています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

就職・転職

働き方

動物看護師

獣医師のサポート役となり、入院中の動物のケアや手術・治療の補助業務を行う。

動物看護師は、おもに動物病院において、獣医師のサポートをする仕事です。

手術や治療の手伝いをしたり、検体検査や体温・脈拍の測定などを行います。

また、飼い主と獣医師との間に立ち、コミュニケーションをとったり、入院する動物のケアをしたりするのも動物看護師の役割です。

動物看護師として働くために必ずしも資格は必要ではありませんが、民間の資格として、動物看護職統一試験協議会が主催する「動物看護職」があります。

学校で動物看護学を履修するか、実務経験の年数によって、この試験の受験資格を得られます。

動物看護師は、アメリカなどでは国家資格が必要な職業です。

今後、日本でも動物看護師に求められる知識や技術は、より専門的なものになっていくと考えられます。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職