捜査一課の仕事内容、なるには、資格、給料、求人

警視庁捜査一課の仕事内容

日本最大の警察で凶悪犯罪を捜査

東京都を管轄し、100以上の警察署と4万6千人以上の警察職員を擁する警視庁。

捜査第一課(捜査一課)はその警視庁の刑事部に属し、都内の殺人や強盗、暴行、傷害のほか、誘拐、立てこもり、性犯罪、放火といった凶悪犯罪を担当します。

そのため、映画やドラマなどメディアへの露出も多く、ある意味では花形部署ともいえます。

捜査一課はさらに第一強行犯捜査~第七強行犯捜査など、10のチームに分かれそれぞれ犯罪捜査に当たっています。

立てこもり事件やハイジャック事件への対処を目的とした特殊犯捜査や、未解決事件を担当する特命捜査対策室というチームもあります。

一方で詐欺や窃盗、暴力団関係の犯罪は刑事部の他の課が担当します。

捜査一課の刑事の1日

昼夜を問わず捜査に当たる

凶悪犯罪の早期解決に向け、犯罪捜査に昼夜を問わず当たるのが刑事の役割です。

事件発生の第一報を受ければ、現場に急行し聞き取りや証拠収集を始めます。

夜間の事件に対応するため、当直業務もあります。

8:30 出勤
取扱い事件の整理

10:00 周辺の警戒

11:00 取り調べ
暴行事件を起こし現行犯逮捕された男の取り調べを担当します。

取り調べ後は被疑者の起訴に向け、さまざまな書類の用意が必要となります。

17:15 退庁
勤務時間は17時15分までですが、定時で帰宅できることはまずないと思ったほうがいいでしょう。
一日も早い事件解決のため、事件の捜査は時に昼夜を問わず、不規則に行われます。

警視庁捜査一課の刑事になるには

まずは警察官にとして警視庁に

捜査一課に配属されるためには、まず警視庁に警察官として採用される必要があります。

Ⅰ類(大卒程度、21歳以上35歳未満)とⅢ類(高卒程度、17歳以上35歳未満)の二種類があり、男女とも年3回ほど採用試験が開かれています。

その際身体検査もあり、男性は身長約160㎝体重約48㎏以上、女性は身長約154㎝体重約45㎏以上が求められます。

視力は両目の裸眼が0.6もしくは矯正で両目1.0以上が必要です。

採用後は、交番勤務の警察官として都内各所の警察署に配属され、その後刑事になるための選考を受けることになります。

捜査一課の刑事になるために必要な学校・学歴・学費

警視庁採用は2次試験まで

まず、警察官の採用試験に応募するには高卒か大卒資格が必要です。

採用試験は1次の筆記試験と2次試験からなります。

筆記試験は一般教養(五肢択一式、50題、2時間)と論文(1題、1時間20分)、記述式の国語試験(20分)の3部構成。

一般教養は文章理解や判断推理、自然科学、国語、英語など幅広く出題されます。

対策用の問題集は市販されています。

筆記試験後は、身体検査と適性検査があります。

2次試験の構成は面接と第2次身体検査、適性検査、体力検査です。

体力検査では腕立て伏せや上体起こしなどで職務遂行に必要な体力をチェックします。

試験に合格した後は、全員が警察学校に入学し研修を受けます。

期間は大卒が6か月、高卒が10か月です。

そして、警察官として晴れて警察署に配属されてから、警視庁捜査一課の刑事を目指すための準備が本格的に始まります。

捜査一課の刑事の資格・試験の難易度

捜査一課への道は険しい

警視庁の警察官として採用された後、刑事になるためには、さらにそのための選考過程を通過する必要があります。

ただし、この試験を受けるには犯人の検挙数が多いことや警察学校の成績が優秀であること、品行方正であることなど、厳しい条件があります。

通常勤務のほかに、休日など職務の合間を縫って刑事課に顔を出し刑事の仕事を学ぶ必要もあります。

こうしたステップを経て警察署の推薦をもらい、刑事になるための試験を受けることができます。

合格すれば、刑事に任用されるための研修を数か月受け、現場配属、となります。

捜査一課の刑事の給料・年収

給料は安定、昇給も

警視庁の警察官の初任給は、2018年時点で大卒が25万2100円、高卒が21万2700円です。

年間の期末・勤勉手当は給与月額×4.5か月分で、これらを合計すると大卒の初任給は年間で約416万円、高卒は約351万円となります。

これに加えて扶養、住居、通勤、特殊勤務の手当などが支給されます。

東京都の警察職の平均月給は39万円を超え全都道府県の警察職の中では最高です。

昇給は年功序列のため、ながくキャリアを積めば順調な年収アップが期待できます。

捜査一課のやりがい、楽しさ、魅力

他の職業では得られない経験

凶悪犯罪の解決のため、日夜地道な捜査を続けるのが捜査一課の刑事です。

東京都の治安を守り、被害者やその家族が安心して暮らせる日々を取り戻すため、身を削って職務に当たることにやりがいを感じることができるでしょう。

無事事件を解決し、そうした被害者の方々から感謝されることも他の職業では得られない体験です。

また、性犯罪も担当の一つです。

女性の刑事の方々は、犯罪被害者により深く寄り添うという意味で重要な役割を果たすことができると思われます。

捜査一課のつらいこと、大変なこと

体力、精神力が求められる

凶悪犯罪を担当するからには、凄惨な事件現場に赴くことは避けられません。

殺人事件などを担当した刑事が、精神の不調を訴える事例も少なからずあります。

捜査の過程で、時には危険な場面に遭遇することもあります。

そのため、柔剣道や拳銃の訓練も欠かせません。

また、事件は昼夜を問わず発生します。

当直勤務もあり、定時出社・帰宅とはいかないでしょう。

男女の採用比率からもわかる通り、男性社会的な組織でもあります。

社会全体で働く女性への処遇が見直されつつあるとはいえ、刑事という職務を考えれば厳しさもあるでしょう。

捜査一課の刑事に向いている人、適性

強い使命感と正義感、体力

東京都民の生活を守り、一日でも早い事件解決を目指す使命感が求められます。

また、犯罪被害者やその家族の思いをくみ取る共感力や、犯罪を許さず捜査に当たる正義感を持っていることももっとも重要な適正の一つです。

刑事は、時に危険な状況にも遭遇します。

そうした状況で職務を全うするためには柔剣道などで体力とつけることも大切ですし、なにより逃げ出さない勇気も必要です。

一方で、時には人々に命令や強制を加えることもあるのが警察官。

法律を正しく理解し、それを守るため自らへの厳しさを持つことも求められます。

捜査一課の志望動機・目指すきっかけ

多くの人が憧れる警視庁の花形部署

警視庁の花形部署でもある刑事部捜査一課は、志あふれる多くの警察官があこがれるところです。

厳しい職務をこなさなければなりませんが、それまでの警察学校や交番勤務で身に付けた能力を限界まで発揮し、時には世間を騒がせている事件を担当することはやりがいに満ちています。

また、その警察官自身や家族がかつて犯罪に巻き込まれ、その時刑事にお世話になったという経験も捜査一課を目指す一つのきっかけになり得ます。

犯罪に巻き込まれること自体がそう多くはありませんが、だからこと強い動機となるのです。

捜査一課の勤務時間・休日・生活

有給、特給はある

捜査一課の刑事は東京都の地方公務員という立場です。

基本的な勤務時間は8:30分~17:15分ですが、この通りにはいかないことが多いでしょう。

月の残業時間の具体的な数字はありませんが、必要があれば犯罪捜査は昼夜を問わず行われます。

ひとたび事件が発生すれば、激務の日々が続きます。

週の休日は4週間ごとにつき8日。

そのほか祝日休、年末年始休、年次有給休暇(20日)、特別休暇(夏季、結婚、出産、ボランティア等)、介護休暇、育児休業等があります。

捜査一課の求人・就職状況・需要

試験は年3回、倍率は5~6倍

採用試験は年3回実施。

採用予定人数は年によって変わりますが、近年は約1900人あたりで推移しています。

男女の内訳は男性が約1600人(内大卒約1200人)、女性が約300人(内大卒約200)と、現状の差は大きいです。

倍率は男性が大卒、高卒ともに5~6倍。

一方で、採用数の少ない女性は大卒が8~9倍、高卒が6~7倍となっています。

警視庁というネームバリューや、安定した待遇などから全国の警察官の中でも倍率は高めです。

捜査一課の転職状況・未経験採用

未経験の転職は35歳まで

全体を通して、警察官の厳しい勤務形態を理由に転職するケースは珍しくありません。

日夜、事件の対応に追われ、休日でも緊急配備がかかれば出動しなくてはなりません。

それに加えて当直勤務もあります。

ただ、厳しい選考を経て、念願の花形部署の捜査一課に配属されてから転職する事例がどれくらいあるかは不明です。

また、採用試験を経て合格し入校した警察学校で、訓練の厳しさに耐え兼ね退職する事例も少ないですがあります。

一方で、未経験であっても35歳未満までは採用試験を受けることができます。

捜査一課の現状と将来性・今後の見通し

給料、雇用は安定、出世も

公務員のため待遇も安定していて、よほどの不祥事を起こさない限り雇用が途切れることはないでしょう。

警視庁という組織がなくなることはまず考えられないので、一度警察官として採用されれば安泰です。

その中で厳しい条件をクリアし、捜査一課に配属されれば警察官としてのキャリアは十分でしょう。

ちなみに、捜査一課の課長には、刑事畑でキャリアを積んだ生え抜きの捜査官が就任することが多いようです。

国家公務員であるいわゆる「キャリア組」でなくとも刑事として出世し、活躍していくことは可能です。