地方公務員の労働時間の実態とは? 勤務時間・休日・残業について解説

地方公務員の勤務体系は、「日勤」「夜勤」「交代制勤務」があり、職種によって異なります。

日勤で多いのは、役所の事務職、全日制の学校教員、夜勤と交代制勤務がある職種は警察官、消防官、自衛官などです。

休日は基本的に週休2日制で土・日・祝休みですが、交代制勤務の職種の場合はシフトに基づいて休みを取ることになります。

残業については職種、部署によってだいぶ異なり、残業なしで上がれる部署もあれば、月に100時間以上の残業が発生する部署もあり、さまざまです。

ここでは地方公務員の勤務時間、休日、残業などについて詳しく解説していきます。

地方公務員の勤務体系の種類

地方公務員の勤務体系は、朝から夕方頃にかけて働く「日勤」のほか、職種によっては「夜勤」や「交代制勤務」もあります。

日勤で多いのは、


などです。

一方、夜勤が入ってくる代表的な職種としては、

  • 警察官
  • 消防官
  • 自衛官
  • 看護師
  • 刑務所の職員
  • 税関の職員

などがあります。

夜勤ありの職種では、24時間体制で他の職員と交代しながら働くことも多いです。

ただし、日勤が中心の職場でもまれに宿直・当直などの夜勤が入る可能性もありますし、同じ勤務先でも担当業務によって勤務体系が異なる場合もあります。

地方公務員の勤務時間

地方公務員の勤務時間やその他の勤務条件は条例によって定められています。

この勤務時間などを定めるに当たっては、「国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない」という原則があります。

つまり、地方公務員の勤務時間は自治体ごとに定められる条例に基づいたものとなりますが、基本的には国家公務員や他の自治体と同じ、あるいは似た形です。

この原則によって、ほとんどの自治体では「1日7時間45分、週38時間45分勤務」を勤務時間として設定しています。

この数字は民間企業においてフルタイムで働く場合と比べても、ほとんど同じと考えておいてよいでしょう。

たとえば役所で働く事務職の勤務時間は、平日は毎日8時30分から17時15分にかけて働くのが一般的です。

ただし、警察など24時間体制で動くような一部の職場では、朝8時半から翌朝8時半まで勤務する「当番」、当番明けの「非番」、「日勤」の3交代勤務を繰り返すなど、特殊な勤務時間となっています。

いずれの職場でも、定められた勤務時間を超えて働く場合には、超過勤務(いわゆる残業)となります。

地方公務員の休日

基本的には週休2日制であり、土・日・祝日休みです。

ただし交代制勤務など一部の職場では休日の曜日が決まっておらず、シフトに基づいて不規則に休みをとる場合があります。

もし休日に仕事が入った場合には振替休日をとり、休日出勤割増手当が出る場合が多いとされています。

このほか、年次休暇(1年について20日間の有給休暇)や特別休暇、育児休業、病気休暇など、各種休暇制度などがあります。

なお特別休暇の中には夏季休暇があり、7〜9月の間に連続して3日間の休暇が取得可能です。

地方公務員の残業時間

地方公務員は、しばしば民間企業に比べて残業が少ないというイメージを持たれますが、実際の残業量は職場によってだいぶ異なるのが実情です。

また同じ役所内であっても、部署によって忙しさがまったく異なるといったことは珍しくありません。

毎日ほぼ残業をせずに上がれるという人もいれば、繁忙期になると月に100時間以上の残業をしたことがあるという声も聞かれるほどです。

少なくとも、公務員だからといって必ず定時で帰れるわけではないことを頭に置いておいたほうがよいでしょう。

また地方公務員は異動が多いため、職場が変わることで仕事の流れや残業時間も大きく変わる可能性があります。

地方公務員は忙しい? 激務?

地方公務員は安定した働き方ができて、あまり忙しくないと思われることもあるようですが、ときには激務となる場合があります。

役所勤務であっても、責任あるポジションで多くの業務量を抱えている職員もいますし、普段は日勤の職種でも、災害時などに緊急の夜勤が入ることもあることを覚えておきましょう。

自治体によっても異なりますが、役所で比較的忙しくなりがちといわれるのは、

  • 財政
  • 人事
  • 介護保険
  • 市民税
  • 高齢者福祉
  • 児童福祉

などの部署だといわれます。

また警察や消防などの公安職などは体を張って危険に立ち向かっていく仕事でもありますので、きつさを感じることもあるでしょう。

地方公務員といってもいろいろな仕事があり、どんな仕事でも決して楽ができるわけではありません。

地方公務員の休日の過ごし方

地方公務員の休日の過ごし方はさまざまです。

土日が連休になる職場で働いている人は、1日はスポーツやアウトドア、ショッピングなど趣味の活動をし、もう1日は家事を片付けたり家でゆっくり過ごしたりすることができます。

業務が落ち着いている時期には土日に年次休暇をくっつけて、旅行を楽しむ人もいます。

交代制勤務で平日が休みになる人の場合、土日休みの人とは都合が合わせにくいかもしれませんが、電車や街が空いているときに出かけられるのがメリットです。

また専門的な知識が求められる業務に就いている場合、休日に専門書を読んだり資格の勉強をしたり人もいるようです。

地方公務員の1日のスケジュール・生活スタイル

地方公務員の勤務時間や休日のまとめ

地方公務員の勤務時間はほとんどの場合、「1日7時間45分、週38時間45分勤務」と設定されいます。

残業に関しては、毎日残業のないところもあれば、繁忙期になると月に100時間以上の残業が発生するところもあり、職種にとってだいぶ異なります。

休みは基本的に週休2日なので、しっかり休むことができるでしょう。