刑務官の高卒と大卒の違い

刑務官採用試験に学歴に関する区分はない

刑務官採用試験は「刑務」「刑務(武道)」「刑務(社会人)」の大きく3つの区分に分かれていますが、「大卒・高卒」に関する区分はありません。

つまり、最終学歴が「大卒か高卒か」の違いによって採用試験の合否に影響が出ることや、その後の出世・給料などに大きな差が生じることはないと考えてよいでしょう。

なお、採用試験はそれぞれの区分でさらに男女別での区分があり、男性は「刑務A」、女性は「刑務B」の試験を受験することになります。

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高卒刑務官と大卒刑務官の給料の違い

刑務官の給料は、国家公務員の給料に関する法律で規定されている「公安職俸給表(一)」によって定められています。

高卒者と大卒者では採用時点の階級などに差はないものの、「俸給表上の学歴区分」に違いがあるため、毎月の給料に若干の差が生じています。

公安職俸給表による、「高卒・短大卒・大卒別」の平均月額俸給は以下のとおりです。

<勤続年数 1年未満>
高卒 177,249円
短大卒 185,905円
大卒 208,366円

<勤続年数 30年以上35年未満>
高卒 382,455円
短大卒 377,744円
大卒 396,989円

参考:人事院 平成31年国家公務員給与等実態調査の結果

このように、就職時点では高卒者と大卒者で「約3万円」の月給差がありますが、勤続年数30年以上35年未満では「約1万5千円」の差であり、学歴によって最終的な収入差は広がらないことがうかがえます。

民間企業においては、高卒・大卒の違いで出世や平均年収に大きな差がでることも珍しくありません。

刑務官ではそういった「学歴の違いによる収入差」はほとんど存在せず、それよりも採用された後の勤務成績や、各種研修への取り組みなどが給料に影響を及ぼしています。

学歴に関係なく、本人の努力が反映されやすい

刑務官は就職時点の学歴よりも、就職後の本人の努力が反映されやすい「実力主義」の世界です。

ほかの国家公務員のように年功序列的な出世ではなく、「中等科研修」や「高等科研修」などの「昇任研修」と呼ばれる研修を修了することで出世していけるシステムとなっています。

高卒・大卒といった学歴の違いや単純な勤続年数ではなく、「自分自身の努力をしっかり評価されたい」と考える人には向いている職業だといえるでしょう。

逆に言えば、管理職クラスに昇進するためにはこれらの研修をクリアしていく必要があるため、「エスカレーター式の出世」を望む人にはあまり向いていないかもしれません。

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「キャリア組」を狙うなら大卒資格が必要

刑務官になるには上記の刑務官採用試験以外に、国家公務員総合職試験に合格して「法務省職員として刑務官を拝命する」というルートもあります。

この方法を目指す場合には、総合職試験の受験資格が「大卒者および大卒見込み者」となるため、大学に進学することが必須となります。

総合職試験の合格者はいわゆる「キャリア組」となるため、管理職相当の副看守長や看守部長から階級がスタートします。