地方公務員の休暇制度にはどんなものがある? 長期休暇や特別休暇を紹介

地方公務員の休暇制度はたくさんある

地方公務員の休暇制度は、地方公務員法によって「条例に定める」とされており、各自治体ごとに定められた条例の内容が適用されます。

ただし、自治体の条例は基本的に、国家公務員に適用される一般職の職員の休暇等に関する法律を根拠に制定されているため、必然的に国家公務員のものと同様の形となっています。

ここでは、地方公務員の休暇制度のうち、代表的なものを詳しく紹介していきます。

年次休暇

民間でいう「有給休暇」にあたり、有給でとれる休暇制度です。

1年当たり20日を超えない範囲で取得することができ、前年の繰り越し分は20日の範囲内で残日数取得することができます。

つまり繰り越し分も併せると、年間40日が地方公務員が取得可能な有給休暇の上限です。

1日単位ではなく、時間単位で取得できるケースもあります。

なお、総務省「平成30年度 地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」によれば、地方公務員の年次休暇の平均取得日数は約12日となっています。

特別休暇

特別休暇の種類は数多くあります。

代表的なものを挙げると、

  • ボランティア休暇
  • ドナー休暇
  • 結婚休暇
  • 産前休暇
  • 産後休暇
  • 保育休暇
  • 妻の出産休暇
  • 育児参加休暇
  • 忌引休暇
  • 夏季休暇
  • 子ども看護休暇

などがあります。

さらに、選挙権など公民権を行使する場合の「公民権行使休暇」や、裁判員や参考人などで裁判所や国会などに出頭する場合に使える「官公署への出頭休暇」、災害や交通機関の事故で出勤することが著しく困難な場合に使える「災害・交通機関の事故休暇」などが設けられています。

病気休暇

病気やケガによって、その療養のために勤務することが難しい場合に取得できる休暇です。

休暇期間は、療養のため勤務しないことがやむを得ないと認められる必要最小限度について認められており、原則として90日までとなっています。

介護休暇

職員が、負傷や疾病、老齢により、2週間以上の機関にわたって日常生活を営むのに支障がある配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、孫、および兄弟姉妹を介護する場合に取得できる休暇です。

休暇期間中は給与が減額となり、休暇の取得期間は最大で6ヵ月までとなります。

地方公務員の休暇制度は充実している

「公務員は待遇がいい」といわれるひとつの理由として、休暇制度の充実が挙げられます。

特筆すべきなのは「特別休暇」で、民間にはほとんどないような休暇も多数存在します。

地方公務員の場合には自治体ごとに独自の休暇制度を作ることができるため、自治体によってかなり手厚い休暇制度が用意されています。

たとえば、「夏季における休暇」「お盆休暇」として、3~5日間の夏季休暇とは別で、夏季やお盆の間に休暇を取得できる自治体も増えています。

これによって、夏季休暇と併せて長期休暇を取得しやすくなるのは、働く人にとってはうれしいポイントだといえるでしょう。

また、年次休暇(有給休暇)の平均取得日数も、地方公務員は民間よりやや多い傾向にありますが、実際のところは個人差が大きく、極端に忙しい部署に配属されるとあまり休めない場合もあるようです。

参考:総務省 平成30年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果PDF