
新卒で入社した会社を3年以内に辞める人は約3割。
多くの人が第二新卒として転職活動をしていることになります。
この記事では、統計からわかる第二新卒の現状と、転職成功のためのポイントを紹介します。
第二新卒とは?自分はあてはまる?【データでみる第二新卒】
「第二新卒にそもそも自分は当てはまる?」「どのくらいの人が第二新卒で転職してる?」
この章ではこのような疑問を解決します。
第二新卒は社会人3年目以内
第二新卒とはいちど就職して3年以内に離職する20代を指すことが多いですが、実は明確な定義はありません。
企業によっては20代なら第二新卒として扱う、といった場合もあります。
一般的に第二新卒として扱われる年齢の目安は次の通りです。
- 高卒:18歳~21歳
- 短大卒:20歳~23歳
- 4年制大学卒:22歳~25歳
- 大学院卒:24歳~27歳
第二新卒と混同しやすい「既卒」という言葉がありますが、既卒とは学校卒業後に就職経験のない人を指しています。
第二新卒は就職経験がある若者で、中途採用枠・第二新卒枠のほか、新卒枠として採用されることもあります。
新卒の約3割が離職している
大学卒の就職後3年以内離職率の推移
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」より作成
上の図の通り、どの年度においても新卒のうち約3割の人が3年以内に離職していることがわかります。
つまり、新卒で就職した人の約3割が第二新卒での転職活動をしていることになります。
企業側としては、採用した新卒の3割が離職してしまうことから、第二新卒を採用することで若手の人材を確保する必要があります。
少子化で若手人口が少なくなっている中で、第二新卒の企業からの需要は高いといえます。
第二新卒で転職するメリット・デメリット
第二新卒の実態について紹介してきました。この章では第二新卒で転職するメリット・デメリットを紹介します。
メリット
- 社会人経験を生かして就職活動に再トライできる
- 就職活動時よりもミスマッチが起こりにくい
- 第二新卒は企業からの需要が高い
デメリット
- 「すぐに辞めてしまうのでは」と思われる
メリット1.社会人経験を生かして就職活動に再トライできる
第二新卒での転職活動では、自分のやりたい仕事をより明確にして就職活動に再チャレンジできます。
実際に働いてみて「やりたい仕事がわかった」「この仕事は合わない」ということを実感できた人は多いのではないでしょうか。
社会人経験のない就職活動のときよりも、第二新卒の方が仕事の具体的なイメージをもっているために希望の仕事とのミスマッチが起こりにくいといえます。
また、募集があれば新卒の就職活動の時に落ちてしまった企業にも応募できるというメリットも。
就職活動で不本意な結果になってしまった、という人には、第二新卒は再チャレンジのチャンスです。
メリット2.第二新卒は企業からの需要が高い
第二新卒を積極的に採用したい、と考える企業は増えています。
企業が第二新卒を採用したい理由は3つです。
- 研修コストが新卒よりも安い
- 企業になじみやすい
- 若手人材の不足
研修コストが新卒よりも安い
第二新卒は、社会人経験があるので名刺交換や電話応対といった社会人スキルを身に着けています。
1か月近く研修が必要な新卒と異なり、第二新卒は研修コストが安くすぐに仕事を任せることができます。
逆にいうと、面接では社会人としての最低限のマナーができてるか、という点も見られることになります。
企業になじみやすい
年齢としてはまだ若く柔軟性があり、会社に染まり切ってはいないために社風になじみやすいのも第二新卒の特徴です。
また、第二新卒は転職先したあとの配属先で仕事を教えてもらう先輩が年下になるということが少なく、扱いやすいという面もあります。
第二新卒には、企業の社風に合わせていける素直さ・柔軟さを求めています。
若手人材の不足
若手の人材が不足している理由には様々な面があります。
- 売り手市場で優秀な人材の確保がむずかしい
- 少子化で若手の人数が少ない
- 新卒の3割が離職するために補充が必要
企業は新卒だけではなく第二新卒まで採用のすそ野を広げて、若手人材を確保しようとしています。
第二新卒は企業からの需要がかなり高くこの傾向は続くと考えられます。
メリット3.未経験で異なる業界・業種にもチャレンジできる
第二新卒は、ポテンシャルや熱意を主な採用基準としています。
したがって、経験のない業界や職種への転職も他の年代よりも叶いやすいのです。
20代後半以降は、これまでの経験を重視して即戦力になるかという点を重視して採用されます。
一方、第二新卒は新卒と同じように扱う企業もあり、即戦力という面は重視されません。
なぜ、その業界・その職種で働きたいのかを熱意をもって伝えることができれば、第二新卒の転職は大きなチャンスがあるでしょう。
デメリットは「すぐに辞めてしまうのでは」と思われること
企業が第二新卒に対して最も懸念している点は、「またすぐに辞めてしまうのでは」ということ。
我慢が足りない人、すぐに環境のせいにしてしまう人、と思われないように面接では前向きな姿勢をアピールしてください。
次のような点を面接で伝えることができれば、仕事への熱意が伝わります。
- 転職で実現したいことがはっきりしている
- 志望動機に熱意が感じられる
- 仕事に必要な資格の取得に向けて勉強している
就職活動の時に選んだ会社とのミスマッチが起こった理由と、転職で実現したいことがはっきりしていれば、次の会社では長く働いてくれそうだという安心感を与えることができます。
また、特に未経験の職種や業界を志望するときには自ら学ぶ姿勢を強調すると説得力が増します。
第二新卒で転職を成功させる4つのポイント
第二新卒の転職活動を成功させるポイントは次の3つです。
- 転職したい理由・実現したいキャリアを明確にする
- 企業が第二新卒に求めていることを理解する
- 情報収集は早めにはじめる
- 転職先を決めるまで仕事を辞めない
ひとつずつ解説します。
1.転職したい理由・実現したいキャリアを明確にする
第二新卒の転職の成功とは、「転職すること」がゴールではありません。
転職先の会社で「自分に合っている」と思える仕事をして目指すキャリアを積んでいき、仕事を続けていくことが転職の成功といえます。
そのためには、自己分析で転職したい理由と実現したいキャリアを明確にするのが最も大切です。
次のような視点で自己分析をすることで、次に目指したいキャリアが見えてきます。
- 転職したい本当の理由は?転職先の条件で譲れないものは?
- 自分の強み・弱みは?強みを生かせる仕事は?
- 本当に好きなこと、没頭できることは何?
- 今後どのような働き方をしたい?
- 5年後、10年後のなりたい自分像は?
第二新卒は、まだまだ未経験でも職種・業界をまたいで転職ができて選択肢が広いです。
応募できる企業の幅が広い分、自己分析がしっかりできないまま転職活動を進めてしまうと、転職後に「この会社もやっぱり違うかも」と、就職活動の二の舞になりかねません。
転職したい理由と実現したいキャリアがはっきりしていれば、面接官が「わが社では頑張ってくれそうだ」と安心感を持つことができます。
嫌なことがあるとすぐに辞めてしまうのでは、という企業側の懸念を払しょくできれば、内定に近づけるでしょう。
2.企業が第二新卒に求めていることを理解する
企業が第二新卒に求めているのは次の点です。
- 熱意・ポテンシャルがあり今後の成長が見込める
- 素直で会社になじんでくれる
- 社会人としての基本マナーがある
第二新卒は即戦力になるかどうかやこれまでの実績はそれほど重視されません。
経験の浅さは企業側も十分にわかっているので、面接ではできないことは素直に「これから頑張って身につけます」と答えて大丈夫です。
第二新卒に企業が期待しているのは、今後の成長です。経験が浅い分、志望動機はしっかりと熱意が伝えられるようにしておきたいですね。
また、30代以降の人材を採用するのに比べて、第二新卒は他社の社風ややり方に染まっていない分、柔軟性があり会社に馴染みやすいと企業は期待しています。
したがって、会社の社風、理念に合う人材かどうかも重要なポイントです。
社会人経験があるとみなされるので、新卒とは異なり社会人としてのビジネススキルを身に着けていることも期待されています。
企業が第二新卒の人材に求めていることを理解して、実績や経験が足りなくとも素直さ、熱意を面接でアピールしていくようにしてください。
3.情報収集は早めにはじめる
第二新卒で転職するかどうか、少しでも考えているのであれば早めに情報収集をはじめましょう。
いざ、本気で「転職したい」と思ったときに、何から手を付けてよいかわからないと、スムーズに転職活動を開始できません。
転職の情報収集には次の転職サイトに登録しておいて、空き時間に少しずつ見ておきましょう。
転職サイトには求人のほかに転職の流れから、応募書類の書き方、面接の受け方などが掲載されているので、転職に関する知識を知るにはぴったりです。
✅ おすすめの転職サイト
4.転職先を決めるまで仕事を辞めない
転職活動を始めるからといって、すぐに辞めるのはNG。転職先から内定をもらうまでは仕事を辞めないようにしましょう。
理由は2つです。
✅ 第二新卒は転職先を決めるまで仕事を辞めない方が良い理由
- 計画性がない、嫌なことがあるとすぐに辞めてしまうと思われないため
- 転職先に妥協しないため
仕事を辞めてから転職活動をはじめると、計画性がない、辛抱できない人と思われてしまう可能性があります。
また、仕事を辞めると収入が途絶えて焦りが生まれ、「どこでも良いから内定をくれた会社に入社しよう」と転職活動に妥協してしまう原因になります。
どうしても辞めたい場合には3か月から半年は生活できる貯金を準備しましょう。
転職活動を始めてから入社して給料をもらうまでは短くて1か月、通常3か月程度かかります。
一般的な転職活動のスケジュールの目安は以下の通りです。
✅ 転職活動のスケジュールの目安
- 応募書類の作成、応募企業を探す:1週間
- 書類選考:1週間
- 一次面接:書類合格から1~2週間
- 二次面接:一次面接から2週間
- 退職手続き:1か月~2か月
応募書類の作成や応募先企業を選ぶ前には、自己分析も必要でどの程度時間をかけるかは人によります。
納得のいく転職活動をするためには自己分析が重要なので、その時間も含めてスケジュールを立ててください。
第二新卒は転職エージェントを利用してみよう
第二新卒で転職したい人、転職するか迷っている人は転職エージェントを使うのが転職成功のカギです。
転職エージェントとは、担当者が二人三脚で転職をサポートしてくれて、無料で利用できるサービスのことです。
✅ 転職エージェントで受けられるサポートの例
- 転職するべきかどうかの相談
- 自己分析のサポート
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 非公開求人の紹介
- 面接対策
- スケジュール調整
- 年収交渉・退職手続きのサポート
これだけのサポートをなぜ無料で受けられるのかというと、転職先の企業から紹介料をもらっているから。
転職エージェントは転職を成功させることで報酬を得られるので、様々なサポートを準備しているのです。
混同しやすいものに「転職サイト」があります。転職サイトとは求人を検索するためのサイトで、サポートはついていません。
転職エージェントと転職サイトの違いとは? 転職に有利なのはどっち?
転職エージェントでサポートしてもらえる内容を紹介していきます。
転職エージェントは気軽な相談もOK
転職エージェントでは「転職するべきかどうか迷う」「どうやって自己分析をしてよいかわからない」といった相談にも乗ってくれます。
相談したからといって、無理やり転職させられることはなく、転職のプロからアドバイスをもらうことができます。
転職先の業界や職種に悩んでいる人も、その業界や職種に精通した担当者から話を聞くことができるので、転職先を探すうえで参考になるはずです。
転職エージェントの紹介でのみ応募できる非公開求人も
転職エージェントでは、求人サイトには掲載されていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。
非公開求人とは、ライバル企業に知られたくない、求人サイトに公開すると応募者が多くなりすぎてしまう、といった理由から非公開になってる求人のこと。
非公開求人は条件の良いものも多いので、求人サイトからだけ探すのではもったいない。
転職エージェントを利用して、自分に合う企業の選択肢を広げましょう。
内定に直結する応募書類の添削・面接対策
転職活動の応募書類には、履歴書のほかに「職務経歴書」があります。
具体的にどのような内容を書けばよいのかを、担当者がマンツーマンで指導してくれます。
面接対策も1対1でしっかり行ってくれるので、就職活動で苦手意識がある人も自信をもって面接に臨めるようになります。
スケジュール管理や事務手続きをおまかせできる
転職活動では、複数の企業の内定を同時期に出るようにスケジュールを調整して、複数の選択肢から選ぶのが理想です。
しかし、転職サイトから個人で応募するとスケジュール管理が難しい。
転職エージェントでは、スケジュールをうまく調整して内定時期を同じくらいになるようにしてくれます。
転職エージェントを通じて企業とやり取りができるので、個別に企業に連絡する手間もありません。
仕事をつづけながら転職活動をする人は、転職エージェントをうまく活用すると良いでしょう。
第二新卒の転職におすすめの転職エージェント
第二新卒ははじめての転職活動ですから、いつでも相談できる転職エージェントがいると心強いです。
第二新卒におすすめの転職エージェントを厳選して紹介します。
実績で選ぶなら王道の「リクルートエージェント」
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