国税専門官の仕事内容

国税専門官の仕事とは

国税専門官とは、国税庁や税務署に所属し、税金のスペシャリストとして、国税に関する調査や指導を行う国家公務員です。

国税専門官が扱うのは国の財源となる税金、つまり「国税」であり、納税者と国庫を繋ぐ税の専門家として、税務行政の現場に立ち国の財政基盤を支える大切な役割を担います。

国税専門官は、個人や企業を訪問し、適正な税金の申告がされているか調査する「国税調査官」、税金の催促や財産差し押さえなどの滞納処分を行う「国税徴収官」、脱税を見つけ検察官に告発する「国税査察官」の3つに分かれます。

おもに国税庁や税務署に勤務することになり、毎年変わる法律に合わせて正しい税金の徴収をすべく働くことを期待されています。

国税専門官の業務の内容

国税専門官は、以下のように大きく3つの役割に分類されます。

国税調査官

国税調査官は、納税者である個人や企業を訪問し、適正な税金の申告がされているか調査する仕事です。

納税者の申告が適正でないと判断された場合には、納税者に対して確定申告などの指導を行い、適切な納税金額を計算して納めてもらう必要があります。

毎年2月中旬から3月中旬にかけての確定申告の時期になると、全国でおよそ2,000万人もの人が確定申告や税務相談のために税務署に詰めかけるため、1年の中で一番忙しくなります。

国税徴収官

国税徴収官は、滞納された税金を徴収する仕事です。

定められた期限までに納付されず滞納されている税金の催促や、財産差し押さえなどの滞納処分を行います。

国税徴収官には、徴収法142条の「徴収職員は、滞納処分のため必要がある時は、滞納者の物又は住居その他の場所につき捜索することができる」に基づき、「徴収職員証票」をみせることにより強制的に調査ができる強い権力があります。

税金を正しく納税させることが国税徴収官のミッションなので、滞納者からきちんと税金を徴収できると大きなやりがいを感じることができます。

国税査察官

国税査察官は、おもに脱税に関する調査、刑事告発を行う仕事で、通称「マルサ」ともいわれています。

脱税の金額が大きかったり悪質だったりする納税者に対して、裁判所から許可状を得て、家宅捜査や差し押さえなどの強制捜査を行います。

国税査察官が不正を発見した場合には、刑事罰を求めるために検察官に告発をします。

なお、平成27年度の国税査察官による着手件数は189件、告発件数は115件となっています。

国税専門官の役割

国税専門官にとって、「税・法・会計」に関する知識が重要であるのはいうまでもありません。

加えて、国民の暮らしを守るために使われる国税の調査や徴収といった重要な役目を担うことから、粘り強さや精神力が必要になるシーンも多く出てきます。

申告の間違いがないように目を光らせること、滞納された税金をきちんと徴収すること、脱税を見つけたら検察官に告発することなど、持ち場によって求められる仕事内容は異なります。

しかし、「国民に正しい納税をしてもらうために働きかける」という点ではみな同じ目標に向かっています。

国税専門官の勤務先の種類

国税専門官は、全国に11局ある国税局または沖縄国税事務所に採用され、その局の管轄内の税務署や国税庁に配属となります。

転勤もありますが、基本的には採用された国税局の管轄内で行われるケースが多いです。

たとえば、東京国税局の管轄は東京都、千葉県、神奈川県、山梨県の4都道府県で、その税務署の数は合計で84箇所です。

東京で採用された場合はこの中で転勤になることがほとんどですが、場合によっては引越しが必要になる転勤もあります。

また、海外にも勤務地があり、海外の税制を学ぶなど、配属された部署によっては国を超えてグローバルに働くこともできます。

国税専門官の仕事の流れ

国税専門官の中の国税調査官の仕事の流れを紹介します。

国税調査官は、管轄している地域の納税義務者である個人や会社等を訪問し、調査対象者の申告内容が正しいかどうかを帳簿や請求書、領収書、通帳などを見ながら調査を行います。

不正や誤りがないかと目を光らせ、正しい納税をしてもらうために細かいところまでチェックすることが大切です。

また、確定申告の方法や申告用紙の書き方の指導、必要書類などの案内を行うことも国税調査官の大切な仕事です。

確定申告は2月から3月の間に行われるので、この期間が一年の中で一番の繁忙期となります。

国税専門官と関連した職業

国税専門官とよく比較される職業として、「税務職員」があります。

実はこの国税専門官と税務職員の仕事内容は同じであり、国税専門官は大卒、そして税務職員は高卒という違いがあります。

国税専門官試験合格者も税務職員採用試験合格者も、一定の研修期間を経て税務署や国税局で働くことになります。

ただし、同じ仕事内容でも大卒の国税専門官の方が同じ勤続年数なら給与額は多くなるので、この点では大卒の国税専門官の方が有利といえます。