消防士の高卒と大卒の違いは? 給与はどれくらい違う?

高卒と大卒ではさまざまな違いがある

消防官採用試験への影響は?

消防士として働くためには、まず自治体が実施する消防官採用試験を突破したのち、消防学校での研修を受け、それから各消防署に配属という流れになります。

自治体によって異なりますが、消防官採用試験は学歴や年齢、試験の難易度別にいくつかの「区分」に分けて行われることが一般的です。

区分の名称は自治体によって異なりますが、試験の難易度として「大卒程度」「短大卒程度」「高卒程度」の3種類が用意されていることが多く、大卒が最も難しく、次いで短大卒、高卒となるのが一般的です。

年齢制限については、地域によってその幅は異なりますが、高卒では18歳~20代半ば、大卒では21歳~28歳前後に設定されているケースが多く見られます。

なお、多くの自治体において、高卒よりも大卒の募集人数を多めに設定しています。

仕事内容に違いは?

大卒でも高卒でも、消防士として採用されれば、基本的には配属後に携わる仕事に違いはありません。

ただし、昇進スピードなどの関係から、管理職級の役職に就けるのは大卒の消防士がほとんどとなっているようです。

また、以前に比べると、大卒出身で高学歴の消防士が増えてきているともいわれます。

一方、レスキュー隊など、現場のなかでもとりわけ高度な技能が求められる業務に就くには、より若いうちから経験を積んでいる高卒の人のほうが有利といわれることがあります。

また、こうした特殊な救助部隊では35歳や40歳が年齢の上限とされていることも多いため、その点でも、高卒でいち早く消防士として働き始めた人のほうが、入隊して長く活躍しやすいというメリットがあります。

給与額で見る大卒と高卒の違い

初任給の違い

初任給は全国的に、やはり高卒よりも大卒の方が高い傾向があります。

自治体によってその額は異なりますが、両者では約5万円前後の差があるケースが多く見られます。

昇進・昇給の違い

消防士は地方公務員であるため、基本的には毎年1回昇給するシステムになっています。

基本的に年齢が上がるにつれて昇給し、年齢を重ねると大卒の人のほうが昇進・昇給しやすくなっていますが、無限に上がり続けるわけではありません。

一定レベルを超えて昇進したい場合には昇進試験を受ける必要があります。

そして昇進試験の結果によっては、高卒の人が大卒の人の階級を抜くこともあります。

退職金の違い

消防士の退職金は地方公務員法に沿って支給され、月額給与、勤務年数、役職がおもな基準となって算出されます。

大卒のほうが早く昇進しやすい傾向にありますが、同じ年齢であれば高卒で消防官になった人のほうが4年間多くキャリアを積み上げていることになり、退職理由によっても金額が上下するため一概にはいえません。

しかし、定年退職の場合には、出世しやすい大卒の人のほうが多くの退職金をもらえるケースが多いようです。

自分の将来の目標に沿った進路設計を

消防士は、給与や昇進の面では大卒のほうが高卒よりも有利といえますが、「お金を儲けたい」という理由が一番で消防士になる人はほとんどいないはずです。

消防士以上に多くのお金を稼げる仕事は、民間・公務員ともにたくさんあります。

それでも、消防士になりたいという人の多くは、純粋に「人命を助けたい」「世の中の役に立ちたい」という気持ちが人一倍強く、自分の体力や技術をそのために生かしたいと考えていることでしょう。

「1日でも早く現場に出たい」という思いが強いのであれば高校卒業後にすぐ消防士になるほうが幸せでしょうし、大学へ進んで見聞を広めてから消防士を目指すことも、ひとつの考え方としてまったく間違っていません。

ここで挙げたような違いを参考にしながら、自分が消防士として何をやりたいのか、どのように活躍していきたいのかを明確に定め、それに沿った進路設計をしてみましょう。