外交官の海外赴任・危険な赴任地はある?

外交官に海外勤務・異動はつきもの

外交官はキャリア(総合職)、ノンキャリア(外務省専門職・一般職)ともに、海外勤務を前提として入省します。

すべての職種において、目安として5〜6年周期で海外勤務と本省勤務を繰り返すのが通例のようです。

総合職と外務省専門職については、行き先は入省時に選ぶ第2外国語に基づいて考慮されます。

たとえばスペイン語を選べば中南米圏に、アラビア語を選べば中東圏にといった具合です。

しかし総合職は、英語で仕事をする前提でどこの国にでも派遣される可能性が外務省専門職より高いとされています。

これは一般職も同じです。

外交官の海外勤務には、職員がさまざまな環境で専門分野を発展・発掘できるようにという目的もありますので、場合によっては意外な赴任先に赴任することもあるようです。

海外勤務の危険度は赴任国によって違う

当然ですが、海外赴任中の危険度は、赴任先の国によって大きく異なります。

ヨーロッパや北米地域などは情勢が落ち着いていることも多く、安心して生活することができます。

一方、アフリカ諸国や南米の一部などでは、貧困や紛争のため、今も治安が良くない地域もあります。

あるいは、中東や中央アジアの一部は政治的に安定しないことも多く、一時的に情勢が落ち着いて見えても、いつ状況が変わるかわからない地域もあります。

また、危険の種類についても、常時治安が良くなく、犯罪に巻き込まれる可能性が高い場所もあれば、テロや内戦のリスクなど、政治的な危険性が高い場所もあります。

いずれの場合においても、その国の特徴や現在の状況をよく理解し、起こりうる危険を予測しておくことが最も大切なポイントです。

赴任国はどのように決定されるの?

外交官には総合職、外務省専門職、一般職がありますが、どの職種でも世界各国に派遣されます。

ただし、外務省としては、本人の能力・適応性・勤務成績・希望等を総合的に考慮し、配属先を決定するようです。

つまり、ある程度その職員の得意分野に合わせて赴任先が決定される可能性があるということです。

また、外務省専門職の場合は、入職時に自分の専門分野を選択し、それに合わせてその地域の言語は歴史、文化について学びます。

特定の地域に関する専門家としての活躍を期待されている人たちですから、赴任先もその地域あるいは関連地域になることがほとんどです。

赴任先における外交特権と安全

外交官には国際法によって定められた外交特権というものがあります。

そのうち身体の安全を保障しているのが、

・外交官の身体の不可侵(抑留・拘禁の禁止)
・住居の不可侵権
・接受国による保護義務

です。

しかしこれはあくまで接受国(受入国)が他国外交官の公人としての身分と安全を保障しているものです。

そのため、たとえばプライベートの外出で強盗に遭う、テロに巻き込まれるといった、予測不可能な事態を想定したものではありません。

専用車や警護などである程度の安全は確保できるでしょうが、とくに政情や治安の不安定な地域では、100%安全とは言えないのが現実でしょう。

実際に外交官が事件に巻き込まれるケースはあります。

したがって、外交官は、途上国の過酷な環境でも勤務できるたくましさや、国際社会の多様な価値観を理解し受け入れることができる柔軟性を兼ね備えていることが求められるのです。

国外赴任時にはある程度の危険が生じることを理解し、自分の身は自分で守るという強い意識とそのための情報収集が大切なのです。