海上保安官の階級にはどんなものがある?
海上保安官の階級
海上保安官は、上下関係が厳しい階級社会です。
組織の長である「長官」を筆頭に、「三等海上保安士」まで13の階級に分けられています。
なお、海上保安官になるために入校する「海上保安大学校」と「海上保安学校」では、どちらに進んだかによって、卒業時に割り当てられる階級に違いが出ます。
幹部候補として現場に出る海上保安大学校の卒業生は中型巡視艇船長になれる階級「三等海上保安正」として配属され、一方、海上保安学校の卒業生は航海士補、機関士補、主計士補といった専門職として活躍できる階級の「三等海上保安士」として配属されます。
海上保安官の階級一覧
組織長
- 海上保安庁長官
- 次長
- 海上保安監
海上保安監
- 一等海上保安監(甲)
- 一等海上保安監(乙)
- 二等海上保安監
- 三等海上保安監
海上保安正
- 一等海上保安正
- 二等海上保安正
- 三等海上保安正
海上保安士
- 一等海上保安士
- 二等海上保安士
- 三等海上保安士
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階級ごとの役割
長官
その名の通り、海上保安庁の最高位の階級で庁内のすべてを統括します。
これまでは国家公務員上級甲(現総合職)試験採用職員が就任してきましたが、2013年に初めて海上保安庁採用者が就任しました。
次長
長官を補佐するのが役割で、国土交通省の国家公務員1種(上級甲)試験採用職員が就任するのがこれまでの流れです。
海上保安監
次長と同じく長官を補佐するのが主な役割で、2013年に海上保安庁採用者の長官が誕生するまでは海上保安庁採用者の最高位とされてきました。
一等海上保安監(甲)
管区本部長や大学校校長、本庁部長に就任でき、配属された組織を統括するのが枠割といえます。
一等海上保安監(乙)
大規模保安部長、管区本部次長の就任できる階級で、一等海上保安監(甲)を補佐しつつ、組織を統括するのが役割といえます。
二等海上保安監
大型巡視船船長に就任できるほか、保安部長や本庁課長として活躍できます。
三等海上保安監
中型巡視船船長に就任でき、本庁課長補佐としても活躍できる階級です。
一等海上保安正
小型巡視船船長として活躍が期待される階級です。
二等海上保安正
大型巡視艇船長として活躍が期待される階級です。
三等海上保安正
中型巡視艇船長として活躍が期待される階級です。
三等海上保安正が海上保安大学校卒業者の最初の階級で、主任航海士、主任機関士、主任通信士など専門に応じて全国に配属されます。
一等・二等・三等海上保安士
巡視船艇などの乗組員として、航海士補、機関士補、主計士補といった専門職として職務にあたるのが役割です。
海上保安学校卒業者の最初の階級は三等海上保安士です。
階級による階級章の違い
海上保安官の制服には、それぞれの階級に応じた「袖章」「胸章」「肩章」といった階級章が付いています。
金色の線が多くて太いほど、階級が上であることを示します。
袖章を例にすると、三等海上保安士は細い金色の線が1本だけなのに対し、長官は金色の太い帯に加え、太い金色の線が3本も入っています。
ほかにもラインの入り方や素材の色の違いなどにより、階級が一目で分かるようにデザインされています。