家庭裁判所調査官になるには

家庭裁判所調査官になるまでの道のり

家庭裁判所調査官は国家公務員のため、まず裁判所職員採用試験の「総合職試験(家庭裁判所調査官補、 院卒者区分・大卒程度区分)」に合格することが必要です。

採用試験を受けるには、大卒程度区分は21才以上30才未満(21才未満の場合は大学卒業見込みでも可)、院卒者区分では大学院修了見込み以上の学歴がなければいけません。

参考:裁判所 試験の概要について

そのため中高生から家庭裁判所調査官になるには、まずは大学進学を目指しましょう。

採用試験に合格してもすぐに家庭裁判所調査官になれるわけではなく、まずは「家庭裁判所調査官補」として採用されます。

裁判所職員総合研究所に入所し、家庭裁判所調査官として必要な法律や心理学などの専門知識や実務について、約2年の家庭調査官養成課程の研修を受けるのです。

この研修を修了すると、家庭裁判所調査官に任官されることになります。

家庭裁判所調査官の資格・難易度

家庭裁判所調査官には、資格はとくに必要ありません。

しかし、裁判所職員採用試験の「総合職試験(家庭裁判所調査官補、院卒者区分・大卒程度区分)」に合格することがまずは第一ステップとなります。

人事院の実施する国家公務員試験とは別の独自試験になりますが、キャリア官僚を目指す人が受験する旧国家公務員Ⅰ種試験と同等のレベルの試験といわれており、非常に難易度の高い試験です。

そのため国内でも有数の大学出身者や、法科大学院卒業者などの受験者も多くなっており、試験合格のためには相当の受験勉強をする必要があるでしょう。

家庭裁判所調査官補は試験の上位合格者順で採用されるため、より高得点を取得するほど有利になります。

家庭裁判所調査官になるための学校の種類

家庭裁判所調査官になるためには、大学または大学院への進学が求められますが、特定の学校に進学する必要はありません。

大学に進学する場合の学費は、初年度で約80万円〜約145万円ほどです。

学歴や学部の制限もないので文系・理系問わずに受験することができますが、心理学、社会学、法律系学部出身者が有利になるといわれています。

採用試験では幅広い出題科目ごとに、基準点以上を得点しなければいけません。

幅広い出題科目に備えて多くの試験科目を学べるのが、心理学や社会学を専攻できる学部や、法律を専攻できる法学部です。

大学の中には、国家公務員対策のための講座を学内で提供している場合もありますし、大学に通いながら公務員試験予備校や通信講座を活用して試験対策を行う人も多くなっています。

家庭裁判所調査官に向いている人

家庭裁判所調査官に向いている人

家庭裁判所調査官に向いているのは、責任感の強い人や根気よく物事に取り組める人です。

事件の調査を行う際には、人の心に寄りそえる気配りと温かさを持ちながら、冷静に判断できる客観的な視点が大切なので、その素質がある人が最適でしょう。

また転勤がさけられない職種であるため、新たな勤務地に転勤を前向きにとらえられる人、苦にならない人も向いています。

人物試験が重視される

実は採用試験においても人物が重視されており、2次試験では専門試験・政策論文試験よりも人物試験の割合の方が配点比率が高くなっていることが特徴です。

全体の配点比率は、全体7.5のうち人物試験が3と、半分弱が人物試験となっています。

これは、家庭裁判所調査官が少年や家族の人生に深くかかわり、寄り添いながら仕事を進めていく必要があるため、人間性が重視されるからです。

そのため試験勉強では知識だけでなく、家庭裁判所調査官にどうしてなりたいのかという志望動機、また自分はどのような人間なのかをアピールできる面接対策も重要です。

参考:裁判所 裁判所職員採用総合試験 合格者決定方法ついて

家庭裁判所調査官のキャリアプラン・キャリアパス

2年間の充実した研修

家庭裁判所調査官として一人前になるまでには、家庭裁判所調査官補として2年間の研修を受けなければいけません。

ここからは、その研修の流れについて見てみましょう。

1年目4月

総合職採用職員初任研修(裁判所職員総合研究所)、予修期研修(配属庁)などを行います。

1年目5月〜7月

3ヶ月の前期合同研修が行われ、法律の基礎知識や行動科学の理論、面接技法を学習します。

1年目7月〜2年目8月

それぞれの配属庁において、約1年間の実務実習が行われ、家事事件と少年事件を半年ずつ担当します。

当事者や少年との面接や関連機関との連携方法、報告書の作成について、3人グループで調査を進めて実践方法を学ぶ期間です。

2年目9月〜2年目翌3月

実務研修を踏まえて、法律、行動科学、実務演習の理論を一層深めて専門性に磨きをかける半年の後期合同研修が行われます。

この後期合同研修が終了すると、家庭裁判所調査官として任官されます。

参考:裁判所 家庭裁判所調査官養成課程について

語学研修や在外研究による国際研修制度

家庭裁判所調査官として任官されてからも職場でのOJTや、役職に応じた研修が提供されているため、家庭裁判所調査官として専門性を高めることが可能です。

たとえば近年のグローバル化に伴い、家庭裁判所を訪れる外国人への対応を強化するために、語学研修が行われています。

また日本の裁判制度をより良いものにするため、アメリカ、オーストラリア、フランス、ドイツといった諸外国に派遣され、裁判制度の研究などを行う、在外研修制度が提供されています。

家庭裁判所調査官を目指せる年齢は?

家庭裁判所調査官の受験資格は、30歳までです。

たとえば「大卒程度区分」の2020年度の受験資格は、「平成2年4月2日から平成11年4月1日までに生まれた者」、「院卒者区分」は「平成2年4月2日以降に生まれた者」とされています。

30歳を過ぎてしまうと受験資格すらなくなってしまうので、家庭裁判所調査官を目指すなら、なるべく早めに受験した方がよいでしょう。

参考:裁判所 院卒者区分受験資格について

参考:裁判所 大卒程度区分受験資格について

家庭裁判所調査官は高卒から目指せる?

家庭裁判所調査官は、高卒からの採用はありません。

心理系公務員の最高峰ともいわれている難易度の高い試験になりますので、大学でしっかりと知識を身につけ、試験対策を行うことをおすすめします。

家庭裁判所調査官を目指すなら、高校卒業後に大学、さらに専門知識を身につける場合は大学院への進学を目指しましょう。

家庭裁判所調査官は女性でもなれる?

家庭裁判所調査官は、女性でもなれる仕事です。

2019年度の採用試験の結果を見てみると、院卒者区分の合格者16人のうち9人が女性、大卒者区分の合格者47人のうち35人が女性と、過半数以上が女性の採用でした。

参考:裁判所 2019年度家庭裁判所調査官補 実施結果について

家庭裁判所調査官は特別職の国家公務員であり、福利厚生とサポート体制は抜群で、ワークライフバランスを推進する制度も整っているため、民間企業と比較すると恵まれた環境といえるでしょう。

全国転勤がさけられない仕事ではありますが、たくさんの女性の家庭裁判所調査官たちがやりがいを感じながら活躍しています。