【2023年版】公務員の年収はいくら? 給料についてくわしく解説
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公務員の平均年収・給料の統計データ
公務員の平均年収・月収・ボーナス
国家公務員の給料は、法令によって俸給表で定められています。
「行政職」「税務職」「公安職」などの職種ごとに、俸給表の内容は異なります。
「平成31年 国家公務員給与等実態調査報告書」によると、給与法等の適用を受ける国家公務員全体の平均給与月額は、417,683円(平均年齢43.1歳、平均経験年数21.3年)となっています。
これは「俸給」といういわゆる基本給に、地域手当や寒冷地手当、本府省業務調整手当等を加えた額です。
また、最も多くの人が該当する「行政職俸給表(一)」の俸給表の平均給与月額は、411,123円(平均年齢43.4歳、平均経験年数21.6年)となっています。
地方公務員の給料は、各自治体が定める給料表に則って支払われます。
地方公務員の平均年収は自治体によって大きく差が出ており、東京都をはじめとする都道府県や特別区(東京23区)、政令指定都市は、地方の市町村よりも高い水準にあります。
国家公務員・地方公務員の給料・年収の詳細は、以下を参考にしてください。
公務員の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
国家公務員全体の平均年収は600万円~700万円前後で推移しており、民間企業で働く人よりも高水準となっています。
地方公務員も、都市部では平均年収が700万円を超えるところもあり、給料は高めといえる一方、過疎化が進む地域では平均年収が400万円を下回っているところもあります。
手取りは職種や配属先によってだいぶ違いが出ますが、20万円~30万円程度がボリュームゾーンとなっているようです。
ただし、公務員は年齢が上がると給料も増えるので、長く働くほど多くの収入が見込めるようになります。
公務員のボーナスの金額は? いつもらえる?
公務員には「ボーナス(賞与)」の支給があります。
公務員のボーナスは「勤勉手当」と「期末手当」の2種類から成り立っており、それぞれの手当が年に1回ずつ、合計で年に2回の支給があります。
勤勉手当はいわゆる勤務成績に対する査定評価で、期末手当は在職期間に応じて定率で支給される手当です。
国家公務員のボーナスに関する内容は法律によって定められており、勤勉手当の支給日は6月30日、期末手当の支給日は12月10日となっています。
地方公務員のボーナスは条例によって定められており、自治体によって支給日等には違いがあります。
ただし、国家公務員のものに合わせるか、ほぼ同じ時期とする自治体がほとんどです。
支給日が休日(土曜や日曜)にあたるときには、その前の平日に支給されます。
ボーナスの支給額はどうやって決まる?
国家公務員は民間の調査を基に決定
公務員のボーナス支給額は、国の機関である「人事院」が、民間企業(従業員数が50人以上いる事業所)の給与やボーナス状況を調査するところからスタートします。
この調査の結果、毎年8月に「人事院勧告」というものが出されて、国家公務員のボーナス額が確定します。
そのため、公務員のボーナスは民間のボーナスの金額と大きくかけ離れないようになっており、民間の景気の良し悪しによって国家公務員のボーナスの額(給料の何ヵ月分を支給するか)が変動します。
実際のボーナス支給額は、「(給料+地域手当+扶養手当)×支給月数」という計算式で決まります。
地方公務員は国家公務員の金額を基に決定
地方公務員のボーナスを決める方法は自治体によって異なりますが、人事院が出す支給月数と同じ数字を使う自治体が大半です。
ただし、東京都や特別区では人事院が設定した支給額より0.1カ月分多く設定されることが多い一方、財政状況が悪い自治体では支給額が下がることもあります。
その地域で災害による被害を受けた場合にも、支給額が下がる傾向にあります。
自治体によって年間で100万円程度の違いが出ることもあるようです。
公務員のボーナスは民間よりも多い?
公務員は、民間よりもたくさんのボーナスがもらえるというイメージを持つ人もいるようです。
ですが、公務員のボーナスは民間の給与やボーナスの調査を基に支給額の大枠が決められていきますので、公務員だからといってとびぬけて大きな金額が支給されるわけではありません。
民間の場合には、企業の規模や業種によってボーナスの平均額にもかなりの差がでることが特徴です。
「ボーナスは年に1回のみ」という企業や、「業績に連動して支給額が決まる」といった企業もあります。
また、「個人の成果に応じてボーナスの支給有無が変わる」といったこともあります。
一方、公務員の場合、年に2回のボーナスは必ずもらえますし、支給額が極端に増えたり減ったりすることはあまりありません。
こういった点でも、公務員は安定しているといえます。
公務員の初任給はどれくらい?
国家公務員の給料は「俸給表」によって定められており、初任給は学歴や採用区分によって違いがあります。
たとえば、平成31年度4月に採用された人の初任給(行政職俸給表(一))は、総合職(院卒)で213,000円、総合職(大卒)で186,700円、一般職(大卒)で182,000円となっています。
地方公務員の給料は、自治体ごとの給料表によって定められています。
そのため自治体によってだいぶ違いがありますが、東京都の場合、行政職給料表(一)が適用される初任給は、1類Bの大学新卒者が約220,400円、2類の短大新卒者が約188,500円、3類の高校新卒者が約174,700円となっています。
この初任給は、令和2年4月1日現在の給料月額に地域手当(20%地域勤務の場合)を加えたものとなります。
公務員の福利厚生の特徴は?
公務員は法律によって勤務時間や各種手当、休暇制度などに関して細かく定められています。
手当は、職務に関連するものから職員の生活を支えてくれるものなどまでさまざまなものがあり、扶養手当、通勤手当、住居手当、単身赴任手当、地域手当、特殊勤務手当など、充実した内容となっています。
休暇制度は、大きく分けて「年次休暇」「病気休暇」「特別休暇」「介護休暇」があり、こちらも民間と比べて充実しているといわれることが多いです。
その他、官舎・宿舎の利用、公務員の共済組合への加入、退職時には勤続年数や退職理由の別に応じた「退職金」の支給など、さまざまな福利厚生が整っています。
公務員の給料・年収の特徴
民間の状況に合わせて変動する
国家公務員の給与は、民間の給与水準をもとに決められています。
そのため、不況が続けば引き下げられ、景気が回復すれば引き上げとなる傾向にあります。
実際、国家公務員の給与は2008年度から民間の状況に合わせて引き下げ・据え置きが続いていましたが、2014年度には民間の給与がアップしたことによって、国家公務員の給与も引き上げが実施されました。
その後も、民間の状況に合わせて引き上げ、引き下げが毎年行われています。
給与の引き上げが行われればボーナスの上積みにもつながっていきます。
地方公務員の給料は自治体ごとに決められますが、基本的には国家公務員の内容を基に定められています。
公務員の給料に魅力を感じる人も多いようですが、若いうちは民間より低めの給料で働く人もいますので、公務員だからといって必ず高収入が期待できるわけではありません。
職種によって給料に違いがある
同じ公務員であっても、どのような職種や職務で働くのかによって、給料には違いが出てきます。
たとえば、公安職といわれる警察官や消防官などは、命の危険をともなう仕事であることから、高めの給与水準に設定されています。
また、専門性の高い仕事に就く人も給料が高めとなっており、国家公務員総合職や専門職として採用されると、一般職の人よりも多くの収入が望めます。
また、職種や勤務地によって支給される手当の種類も異なってくるので、ひとくちに公務員といっても、どのような場所で、どのような仕事をするのかによって給料には違いが出ます。
公務員が収入を上げるためには?
公務員は基本的に、民間の水準から大きく外れた給料が支給されるわけではありません。
しかしながら、専門性の高い仕事や特殊な職務に就いたり、役職が上がったり、勤続年数が長くなって40歳や50歳を超えてきたりすると、民間に勤務する会社員よりも高額な年収が得られるケースが多いです。
「官僚」や「キャリア」といわれる国家公務員総合職では、出世すると年収1000万円を超える人も出てきます。
公務員は、公務員試験で採用された区分によって、その後の出世に限界が出る場合もあるので、できるだけ高収入を望むのであれば、将来的に高い給料が見込める職種を目指すとよいでしょう。
公務員の退職金はいくら? 年金はもらえる?
退職をするときには退職金が支給される
公務員の退職金とは
公務員は、退職をするときに「退職金(退職手当)」と呼ばれる手当が支給されます。
退職金がもらえるのは、定年退職を迎えた場合だけではなく、勧奨退職、整理退職、公務外・公務上の死亡傷病退職、普通退職(自己都合および勤続期間10年以下の定年退職)など、さまざまな場合があります。
ただし、懲戒免職等の処分を受けたときには、原則として退職金は支給されません。
支給額の計算方法は?
退職金の支給額は、俸給月額や退職理由別等によって異なります。
計算方法は、以下のようになります。
「基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続年数別支給率)+調整額」
俸給月額とは、俸給表によって定められているもので、業務内容によって細かく分けられています。
また、役職が上がると俸給月額も高くなります。
調整額とは、在職期間中の貢献度を反映したいわゆる「職責ポイント」のような制度です。
職員の区分(在職中の一定期間)に応じた点数を合計したものに、単価を乗じて算出されます。
退職事由によって付加されなかったり、付加される額に制限があります。
実際にはどれくらいもらえるの?
先にも挙げた通り、実際の退職金の支給額は、どのくらい長く働いたかや、退職をする理由、役職など人によって大きく差が出てきます。
一般的には、国家公務員・地方公務員ともに、60歳で定年を迎えた場合には、2000万円以上の退職金をもらえている人が多いようです。
公務員は年金をもらえる?
公務員は年金がもらえるのかどうかも、多くの人が気になるところでしょう。
結論からいうと、もちろん公務員も年金をもらえます。
日本の公的年金制度は、「基礎年金制度」と「被用者年金制度」という2種類の年金制度で成り立っています。
公務員の場合、まず「基礎年金制度」として、すべての国民の加入が義務づけられている「国民年金」に加入します。
さらに「被用者年金制度」として「厚生年金」にも加入します。
かつては、公務員は「共済年金」というものに加入していたのですが、その内容が民間企業の会社員が入る厚生年金よりも優遇されていることで批判を浴びました。
その結果、2015年10月1日以降は被用者年金制度の一元化が開始され、公務員も「厚生年金」に加入することになっています。
厚生年金に加入することで、国民年金だけに加入する自営業者などよりも、多くの年金をもらうことができます。
年金が支給されるのは基本的に65歳からです。
公務員の多くは60歳で定年を迎えるので、年金支給開始までの期間のつなぎとして、再びフルタイムまたは短時間勤務で雇用される「再任用制度」も用意されています。
公務員の待遇のメリットは? どんな手当がある?
公務員の待遇はよい?
公務員は昔から学生の就職先として根強い人気がありますが、その理由のひとつには、職場環境の安定性や社会的な信用度の高さなどのほかに、「待遇が充実していること」が挙げられます。
民間企業の場合、各社で待遇の内容が異なり、非常に充実している会社もあれば、決して待遇がよいとはいえない会社まで、さまざまです。
その点、公務員は法律によって勤務時間や各種手当、休暇制度などに関して細かく定められており、内容も充実しているといえます。
就職して働き始めると、少しずつキャリアアップするなかで業務内容が変わったり、異動によって勤務先や住む場所も新しくなったりすることがあります。
また、仕事だけではなくプライベートでも変化が起こり、ライフスタイルが変わっていくことも考えられます。
そのようななか、公務員には仕事と生活を充実させるためのいろいろな待遇があり、長期間にわたって安心して働きやすい環境が整っているといえます。
公務員の手当の種類
公務員にはいろいろな手当があります。
手当は、職務に関連するものから職員の生活を支えてくれるものなどまでさまざまであり、基本給とは別にお金で支給されます。
地方公務員の場合、手当の具体的な支給額や支給方法は、各地方公共団体の条例によって定めることとされているため、自治体によって異なります。
ここでは、代表的な公務員の手当を紹介します。
・扶養手当
・通勤手当
・住居手当
・単身赴任手当
・地域手当
・特殊勤務手当
・寒冷地手当
・夜間勤務手当
・休日勤務手当
・期末手当・勤勉手当(いわゆるボーナス)
などがあります。
その他の待遇
定年と退職金
公務員の定年は、原則60歳です。
職種によっては、65歳であったり63歳だったり、あるいは自衛官のように50歳代だったりと、個別の事情によって定年の年齢は異なります。
定年まで勤めあげた場合、定年後に数年間、勤務を継続できる「再任用制度」があります。
また、退職時には勤続年数や退職理由の別に応じた「退職金」の支給があります。
退職金の額は、近年民間からの批判を受けて減額傾向にありますが、国家公務員や大きな自治体では、定年退職の場合では平均2000万円以上と発表されています。
休暇制度
公務員は休暇制度が充実しています。
国家公務員の休暇制度は、大きく分けて「年次休暇」「病気休暇」「特別休暇」「介護休暇」があります。
地方公務員の休暇制度は、各自治体ごとに定められた条例の内容が適用されますが、基本的に国家公務員の法律を根拠に制定されていることから、必然的に国家公務員のものと同様の形となっています。
それぞれについて簡単に紹介します。
年次休暇
民間でいう「有給休暇」にあたります。
1年当たり20日を超えない範囲で取得することができ、前年の繰り越し分は20日の範囲内で残日数取得することができます。
特別休暇
公務員は、この特別休暇が充実しているといわれます。
代表的な特別休暇の内容としては、
・ボランティア休暇
・ドナー休暇
・結婚休暇
・産前休暇
・産後休暇
・保育休暇
・妻の出産休暇
・育児参加休暇
・忌引休暇
・夏季休暇
・子ども看護休暇
など、仕事と家庭生活を両立させやすいさまざまな休暇制度があります。
病気休暇
病気やケガによって、その療養のために勤務することが難しい場合に取得できる休暇です。
休暇期間は、療養のため勤務しないことがやむを得ないと認められる必要最小限度について認められており、原則として90日までとなっています。
介護休暇
職員が、負傷や疾病、老齢により、2週間以上の機関にわたって日常生活を営むのに支障がある配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、孫、および兄弟姉妹を介護する場合に取得できる休暇です。
研修・留学
公務員は、配属先や職務によっていろいろな研修が用意されています。
新人研修のほか、管理職としての研修、また英会話などの研修の機会もあります。
警察や国税専門官といった専門的な職種の場合には、特別な学校に入学して、一定期間みっちりと業務に関連する知識やスキルを身につけていくことになります。
また、多様な業務経験を積める海外勤務や出向、国家公務員総合職など一部の公務員には留学の機会なども用意されています。