警察官の給料・年収

警察官の平均年収

警察官は公務員であるため、年収は人事院によって定められた俸給表に則って支給されます。

業務にはかなりの危険性がつきまとい、また勤務体系も当直を含むなどハードかつ不規則ですので、それらを加味した「公安職俸給表」が適用されるため、行政職などの公務員よりも高給が得られます。

基本的には勤続年数に従って徐々に昇給していきますが、警察官の収入は階級制度による影響を強く受けるため、どの区分の試験を受けて警察官になったかによって平均収入にはかなり差があります。

公安職俸給表に基づく個々の階級の月収をみれば、最も下の階級である「巡査」で約22万円、「巡査長」で約28万円、「巡査部長」で約35万円、「警部補」では約40万円となっており、階級による所得差は明確です。

年収に換算すると、たとえば大卒者が中心のⅠ類の場合、30代の平均年収は700万円前後とされています。

Ⅰ類は、昇任試験を受けるのに要する勤続年数が短く、階級を上げやすいため、個人差はあるものの総じて高給といえる水準であり、同世代のサラリーマンと比較しても収入で下回るケースはかなり少ないでしょう。

高卒などでⅢ類試験を受けて警察官となった場合、同じ30代の平均年収は500万円~600万円前後です。

Ⅲ類であっても、同じ階級なら区分に関係なく収入は同じですが、大卒などよりも昇任試験を受けるのに必要な期間が長い関係上、どうしても平均年収はⅠ類より低くなります。

警察官の職場別の年収

警察庁勤務のキャリアの年収

国家公務員総合職採用試験を受けて警察庁勤務の警察官となったキャリアの場合、階級はいきなり下から4番目にあたる「警部補」からのスタートになります。

その後も、昇任試験さえ順調に突破すれば若いうちから高給を得ることが可能であり、年収1000万円を得ている人も少なくありません。

キャリアの晩年に差し掛かった50代の警視正クラスは、年収1100万円以上ともいわれています。

ただし、キャリアの警察官になるにはきわめて厳しい競争を勝ち抜かなければならず、人数をみても警察官全体の0.1パーセント以下に過ぎません。

キャリアは、あくまで例外的な存在と考えておいたほうがよいかもしれません。

都道府県警察勤務のノンキャリアの年収

キャリアとは異なり、警察官採用試験を受けて都道府県警察に採用された警察官の場合、給与は各地方自治体から支給されるため、地域によって多少の差があります。

警視庁(東京都)や神奈川県、千葉県など、財政規模の大きい首都圏の都道府県警察が相対的に高い一方、人口が少なく財源に限りがある地方の都道府県警察ほど低い傾向にあります。

年収の高いところと低いところでは最大で200万円前後も差が生じるケースもありますので、もしも高給を望むなら、財政の安定している地方自治体を選んで採用試験を受けたほうがよいでしょう。

ただ、人口の多い地域ほど、犯罪件数や事件発生回数が多く、業務がハードになる傾向が強いため、一概に収入だけでどちらがよい・悪いとはいえない面もあります。

警察官の初任給

警察官の初任給は、警察庁所属のキャリアの場合、院卒で246,000円、大卒で218,000円とされています。

これに対し都道府県警察の場合、一例として警視庁(東京都)のケースをみれば、大卒程度のⅠ類で253,300円、高卒程度のⅢ類で213,900円です。

初任給では、キャリアよりもノンキャリアのほうが上回っていますが、これはキャリアがデスクワークを主体とする行政職であるのに対し、ノンキャリアが危険を伴う公安職であるためです。

しかし、キャリアのほうが出世する速度がはるかに速いため、勤務後数年で収入は逆転します。

警察官の待遇

警察官は、基本給に加えて、「期末手当・勤勉手当(ボーナス)」「通勤手当」「扶養手当」「住居手当」「宿直手当」「夜間緊急招集手当」「超過勤務手当(残業代)」などが支給されます。

雪国などで勤務する場合、「寒冷地手当」という手当も支給されるほか、鑑識や刑事などは専門技能に見合った「特殊勤務手当」が、銃器を使用する場合は「銃器犯罪捜査従事手当」が、それぞれ支給されます。

単身寮や家族寮も全国各地に用意されており、手当や福利厚生は公務員らしくかなり充実しています。

業務は非常にハードですが、経済的な心配はほぼないといえるでしょう。

警察官と類似の職業の比較

警察官と同じ公安職である消防士の収入をみると、平均年収は600万円~700万円前後とされています。

警察官は都道府県採用であるのに対し、消防士は基本的に市町村採用ですので、警察官のほうが若干高給となるケースが多いようです。

また、皇族関係の業務を専門に担う皇宮護衛官と比較しても、皇宮護衛官の年収は600万円前後であり、やはり警察官のほうが高いようです。

これは、基本給というよりも、残業量(超過勤務手当)が皇宮護衛官のほうが少ないことが主因として挙げられます。

このほか、「海の警察官」である海上保安官と比べても警察官のほうが高給であり、さまざまな治安維持に関する職業のなかでも警察官の待遇はかなり手厚いといえるでしょう。