消防士の1日の流れとスケジュール・夜勤や24時間勤務についても解説

消防署に休みはなく、火災や事故などがあれば、いつでも出動できる体制をとっています。

そのため多くの消防士は仮眠や休憩を挟みながら24時間勤務し、次の日以降は非番や休みというスタイルで働くのが一般的です。

ここでは、消防士の1日の過ごし方や業務スケジュールについて詳しく解説します。

消防士の業務スケジュール

24時間勤務と非番を繰り返すのが一般的

消防士の勤務時間は、各自治体の消防本部の勤務体系によってさまざまです。

火災をはじめとする緊急事態はいつ起こるか予測できず、消防士は119番通報があれば365日24時間いつでも出動しなくてはなりません。

そのため、多くの消防署に所属する消防士たちは「24時間勤務」と「非番」を繰り返しながら交替で働くスタイルをとっています。

「2交替制」もしくは「3交替制」となります。

消防士の勤務時間・休日 土日は休める?夜勤の日は何をしてる?

24時間勤務といっても丸々起きているわけではなく、深夜には仮眠の時間も設定されています。

ただ、仮眠中でも呼び出しがあればただちに出動しなくてはなりません。

24時間勤務が終わったら非番となり、自宅に戻って身体を休めることができます。

非番は厳密には休日とは異なりますが、職場の行事や非常招集がない限りは実質的に休みで、出かけたり遊んだりすることも可能です。

また、非番の翌日に公休日が入ることもあり、その場合は「24時間勤務→非番→公休日→24時間勤務→非番」といったシフトになります。

日勤をする消防士もいる

一部の消防士は「日勤・当番・非番」に分かれる交代勤務をすることもあります。

日勤は朝から夕方までの勤務となり、基本的にデスクワークになります。

当番の日は24時間勤務で、2部制と同様に仮眠や休憩を挟みます。

このほか、「毎日勤務」といって、基本的に8時半から17時半までの間で働く消防士もいます。

24時間通報を受けて出動する消防署では毎日勤務をすることはあまり多くないですが、災害に対する建物の安全性をチェックする予防業務を担当する職員などは、毎日勤務制が適用されることが多いです。

毎日勤務の場合は、多くの民間企業と同じように土日が休みとなります。

消防署で働く消防士の1日

以下では、消防士の1日(24時間勤務をする日)の大きな流れを紹介します。

8:30 出勤・引き継ぎ
消防士の1日は、いままでの時間に勤務していた消防士と引き継ぎをするところからスタートします。

前日の業務について連絡事項があれば聞き出し、メモをとります。

次いで車両の点検や装備品などのチェックを行います。

9:00 車両点検・装備の確認
消火用ホース、空気呼吸器、無線テストなどを行い、異常がないかを確かめます。
9:30 体力錬成
消防署によってはこの時間帯を利用して、ストレッチ・腹筋・腕立て伏せなどの体力錬成を実施しています。

身体をほぐしておくことで、スムーズな初動につなげることが大事です。

12:00 休憩
昼休みに入ります。

消防署によって異なりますが、お弁当の持参を原則としているところと、自炊を原則としているところがあります。

自炊の場合は当番制です。緊急時に備えるため外食はありません。

13:00 備品チェック
出動に備えて、出動信号テストや備品のチェックなどを行います。

出動指令には、「火事」「救急」「救助」「警戒」の4種類があり、それぞれ異なる出動音によって知らされます。

14:00 訓練
出動要請がなければ、訓練プログラムに入ります。

放水・救急・救助訓練、部隊ごとの初動体制や連携を確かめる部隊訓練があります。

16:30 清掃・ミーティング・食事
清掃やミーティング、出動信号テスト、食事と段取りよくこなしていきます。

食事はだいたい19時までに終わらせます。

19:00 勉強会
近況にあわせて重要事項となっているテーマや、消防車が入っていけない複雑な地勢・家屋の密集地を取り上げたりしながら、ルートの再確認等の勉強会を行います。
23:00 仮眠
署によって異なりますが、1時間程度のフリータイムを終えた後は仮眠に入ります。

ただし緊急出動に備え、制服は常に着用しておきます。

6:30 起床
仮眠時間が終わると、出動信号テスト、掃除、車両・車庫の点検を行った後、交代準備に入ります。
8:30 引き継ぎ
新しく勤務につくメンバーに連絡事項を伝え、24時間勤務は終了します。

その日は非番となるため、帰宅後はゆっくりと身体を休めます。

消防士の1日のスケジュールのまとめ

消防士は119番通報があればいつでも出動しなくてはならないため、24時間365日交代で勤務しています。

おもに「24時間勤務」と「非番」を繰り返しながら交代で働きますが、「毎日勤務」といって日勤をする消防士もいます。

各自治体の体制や配属によっても違いがありますが、呼び出しがあればただちに出動しなくてはならないため、体力は必須といえるでしょう。