警察官の体力試験・適性検査はどんな内容?

警察官採用試験の試験科目

警察官採用試験は、第一次試験と第二次試験の二段階選抜で実施され、それぞれの段階に筆記試験や体力試験、資格経歴の評定、身体検査、適性検査などが行われます。

以下では、そのうちの体力試験と適性検査を中心に、具体的な内容をご紹介します。

なお、試験は各都道府県において個別に実施されるうえ、難易度の異なるいくつかの区分別に、また男女についても別々に試験が行われますので、試験科目・検査項目や合格基準については若干の差があります。

警察官採用試験の体力試験

体力試験の内容

体力試験は、各都道府県警察によって第一次試験で行われることもあれば、第二次試験で実施されることもあり、また体力試験ではなく「体力検査」という呼称が使われることもあります。

体力試験のおもな科目は以下の通りです。

・腕立て伏せ
・腹筋・背筋
・上体起こし
・1500メートル走
・垂直跳び
・握力
・反復横跳び
・20メートルシャトルラン

これらのなかから、4種目~5種目ほどが実施されるケースが一般的ですが、都道府県警察によって、また区分や実施年度によって異なることもありますので、詳細は採用ホームページなどを確認してください。

体力試験の合格基準

学生時代に、部活動やサークルなどでスポーツをしてこなかった受験生の場合、この体力試験について不安視する人も少なくないようです。

しかし、試験で警察が判断するのは、あくまでも職務執行上必要な基礎体力があるかどうか、言い換えれば「普通」の体力があるかどうかです。

地方自治体によっては明確に基準を公表しているところもあり、一例をあげれば、男性の場合「握力44kg以上」「腕立て伏せ30秒間で27回以上」「腹筋30秒間で21回以上」「20mシャトルラン50回以上」などです。

科目によっては、基準をクリアできなかった場合、採用後に実施される警察学校での厳しい訓練についていけないとみなされて不合格となってしまうこともあります。

常人よりも突出して優れた体力を有している必要はありませんが、しっかりとトレーニングしておきましょう。

柔道や剣道などの武道の必要性

警察官採用試験では、通常の採用枠とは別に、柔道・剣道のスペシャリスト枠も用意されています。

これらは、柔道や剣道のインターハイ・国体・国際試合などで優秀な成績を収めた人を対象としたものであり、採用後も警察署や機動隊の柔剣道の指導者になるなど、特別なキャリアを歩みます。

そうではない一般の受験生の場合、剣道や柔道の経験があれば多少有利になることはあっても、未経験だからといって不合格になることはありません。

警察学校や日常訓練で武道を行う機会がありますが、きちんと指導してもらえるため、体力試験をクリアする程度の基礎体力さえあれば心配はいりません。

警察官採用試験の適性検査

適性検査は、第一次試験、第二次試験の双方で実施されることが一般的で、段階的に警察官としての適性があるかを判断されます。

試験内容はさまざまですが、第一次試験ではマークシート方式による性格検査、第二次試験では記述式による能力検査が実施されるケースが多いようです。

性格検査については、「YG性格検査」というものが代表的で、いくつかの質問にマルやバツで答えることで、積極性や情緒の安定性、社会適応性といった個人の行動特性を判定されます。

能力検査については、公務員試験全般に広く用いられる「クレペリン検査」が実施されることが最も多く、単純な足し算をひたすら繰り返すことで、情報処理能力の正確性と継続性を測るものです。

いずれの検査についても、インターネットなどで手軽に同型の試験を受けることが可能ですので、形式に慣れておくという意味でも、一度体験しておいて損はないでしょう。

警察官採用試験の体力試験・適性検査以外の項目

髪型や服装などの見た目

上記以外にも、警察官としてふさわしいかどうかを見定める項目は複数あります。

たとえば、願書に張り付ける証明写真や、面接などの受験時における髪型については、実際の警察官と同じように、茶髪や長髪などは避け、耳に髪がかかからないなど、清潔感を意識しておくことが必要です。

ただし、威圧感を与えやすいという理由のためか、坊主頭は基本的に禁止されているようです。

また、服装については、警察官は一般の公務員以上に「信用性」や「安心性」が重視されますので、髭、ピアス、ネックレスや指輪といった装飾品などもNGで、学生は学生服、それ以外の人はスーツが望ましいでしょう。

体力試験が実施される場合は、運動着などの動きやすい服装も併せて持参しましょう。

身元調査

犯罪を捜査する立場である警察組織の内部に、犯罪者や犯罪組織の関係者、犯罪予備軍などがいては本末転倒です。

このため、警察官採用試験においては、「犯罪歴がないか」、「極右団体などとして過激思想活動をした経歴がないか」、「ヤクザなどの反社会勢力とつながりがないか」といった身元調査が実施されます。

本人だけでなく、両親、兄弟、祖父母といった3親等まで調査されるケースが一般的で、線引きは定かではありませんが、たとえば両親に逮捕歴がある場合、採用が見送られる可能性はかなり高いといえます。

調査結果は受験生に開示されず、また不合格となった場合でも理由は公表されませんので、何度受けても採用されない場合などは、受験前に一度確認したほうがよいかもしれません。

自身で調べることが難しく、またどうしても気になるなら、興信所を使うという手段もあります。

資格経歴の評定

警察官には多様な能力が求められるため、受験申込時に願書に加えて資格の合格証明書などを添付すると、選考試験の成績に加点されるケースがあります。

武道における段位、全国規模のスポーツ大会の出場歴、「ITパスポート」や「基本情報技術者」、「英検」、「中国語検定」などの資格、あるいはTOEICのスコアなどがあれば、忘れずに申請しましょう。

これから警察官を目指す人は、スポーツでも勉強でも、分野は何でも構いませんので、何かひとつのことに打ち込んでみると採用試験に役立つかもしれません。