入国警備官の需要・現状と将来性

入国警備官の需要と現状

日本においてはグローバル化が加速している点だけではなく、少子高齢化が大きな社会問題となっています。

そのため、国内だけでは十分な人手を集めることが難しく、海外からの労働者を積極的に受け入れる企業が増えている状況です。

2019年4月には、政府によって新たな在留資格「特定技能」が創設されました。

これにより建設業や宿泊業、介護など14業種を対象に、条件を満たした外国人労働者を受け入れることが可能となり、計画では5年間で最大約34万5千人の受け入れが見込まれています。

このような背景から重要性がますます高くなっている入国警備官ですが、その職務の困難さから比較的高い離職傾向にあり、新人や若手警備官が増加している問題を抱えています。

入国警備官の仕事は、法律に関する深い知識や調査・摘発に関する専門スキルが必要であり、それらは現場経験を積んでいかなければ身につけることができません。

そのため、入国警備官全体の離職率を下げて、熟練した人材を育成することが直近の課題となっています。

平成24年度からは、40歳未満の人を対象にした社会人採用もスタートしましたが、採用予定者数は若干名と少なく、今後の動向が注目されます。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

入国警備官の将来性

国際化が進むとともに、ビジネス以外でも留学や観光など、さまざまな目的で来日する外国人の数は増えています。

しかし、それにともない入管法に違反して在留する外国人や、母国よりも良い環境の日本で不法就労を続けようとする外国人も後を絶ちません。

また、なかには別の目的を装って日本で犯罪を起こそうとする外国人も紛れており、その手口は多種多様です。

具体的には万引きや強盗、自動車窃盗などのほか、薬物密輸、組織的な詐欺行為、マネーロンダリングなどの複雑化した犯罪も増えており、そこに日本人が関与しているケースもあります。

普段の生活のなかで外国人を見る機会も多くなった今、今後も社会秩序と国民生活を守るためには、入国警備官による日常的な調査と取り締まりが必要不可欠です。

これからも国際化が進んでいくことは確実であり、入国警備官の活躍がますます期待されるようになるでしょう。

入国警備官の今後の活躍の場

国際化によって需要が高まっている入国警備官ですが、近年は日本に訪れる外国人のなかでも中国人や韓国人の数が増加しています。

そのため、入国警備官にとって「外国語を話せる能力」は重要ですが、今後は英語力だけではなく中国語や韓国語に関する知識も求められる場面が増えるでしょう。

中国語や韓国語のスキルを習得している入国警備官は、需要の高まりからさらに活躍の場が広がっていくと考えられます。

また、入国警備官が身につけておくべき知識は単に会話力だけではありません。

それぞれの国の歴史的背景や経済問題、その国特有の文化などを理解しておくことで、外国人違反者に対してさらに柔軟な対応が可能となります。

このような高いスキルを有した入国警備官を増やすためにも、いかに全体の離職率を下げて経験豊富な人材を育成していくのかという問題は、早期に解決が求められる課題となっています。