【2023年版】警察官採用試験の合格率・倍率

警察官採用までの流れ

都道府県警察に勤める警察官になるためには、警察官採用試験に合格しなければなりません。

試験は、各都道府県別、男性・女性別、またⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類といった区分別に、年に複数回実施されることが一般的ですが、採用までの一連の流れは共通しています。

毎年度、4月・8月・12月頃に、1週間〜10日前後の試験申し込み期間が設けられ、願書などの必要書類を提出します。

その約1ヵ月後に第一次試験が行われ、教養試験や論文試験などの筆記試験に加えて、資格経歴の評定、身体検査、適性検査などが実施されます。

その2週間ほど後に合否が発表され、合格者は数週間後に行われる第二次試験に進み、面接試験や体力検査を受けます。

最終合格の発表は第二次試験日から約2ヵ月後であり、合格者については「警察官採用候補者名簿」に名前が記載され、翌年度の4月1日以降、順次「巡査」として採用されます。

警察官になるには

警察官採用試験の受験資格

警察官採用試験の年齢制限

警察官採用試験は、大卒程度のⅠ類、短大卒程度のⅡ類、高卒程度のⅢ類といったいくつかの区分で行われています。

それぞれの試験には年齢制限があり、下限については、Ⅰ類は21歳以上、Ⅱ類は19歳以上、Ⅲ類は17歳以上となっており、上限については地方自治体によってばらつきがあるものの、おおむね30歳〜35歳未満です。

警察官採用試験の身体要件

警察官採用試験を受けるためには、警察官としての業務遂行に支障のない身体要件を備えていることが必要であり、基準は地方自治体によって若干の差がありますが、おおむね以下の通りです。

・視力 裸眼視力が両眼とも0.6以上、又は矯正視力が両眼とも1.0以上であること
・その他 色覚、聴覚、疾患、運動機能が職務執行に支障のないこと

これらの要件はあくまで目安であり、条件に合致しないからといって必ずしも受験資格が得られないとは限りません。

不安な点がある場合は、受験を希望する都道府県警察に問い合わせてみるとよいでしょう。

警察官採用試験の難易度

警察官採用試験の筆記試験についてみれば、大卒程度のⅠ類で必要な勉強時間は約1500時間、高卒程度のⅢ類で300時間がひとつの目安とされています。

Ⅰ類の場合は、政治や経済、法律などに関する専門的な内容が出題され、かなり難易度が高いといえます。

民間の専門学校などに通う人も多く、1年ほどかけて準備することが一般的です。

一方、Ⅲ類については、問題は漢字の読み書きや作文などが中心で、数か月〜半年ほどの対策でも合格は難しくないでしょう。

また、筆記試験に加えて体力検査も実施されますが、その内容は腕立て伏せや腹筋・背筋、1500m走などです。

筋力や持久力、瞬発力など、さまざまな運動能力が試されますが、あくまで警察官として最低限必要な能力を備えているかを確認するものであり、そこまで高度なレベルが求められるわけではありません。

腕立て伏せの回数など、具体的な目安を開示している都道府県警察もありますので、一度ホームページなどをチェックしてみるとよいでしょう。

警察官採用試験の受験者数・合格率

都道府県警の警察官採用試験

警察官になるためには、警察官採用試験に合格しなければなりません。試験は男性、女性それぞれ年複数回実施されます。

試験は、試験は大卒程度のⅠ類、短大卒程度のⅡ類、高卒程度のⅢ類の3つに分かれており、学力だけでなく身体能力も求められます。

身長制限もあるため、各都道府県のHPなどで募集要項を確認しておいたほうがよいでしょう。

都道府県の警察官採用試験受験者数

都道府県警における警察官採用試験の総受験者数は2015年度以降ほぼ横ばいで、2022年度は10,746人となりました。

警察官採用試験受験者数の推移_2022

都道府県警の警察官採用試験競争倍率

警察官採用試験の競争倍率は5倍〜8倍ほどの間で推移しています。2022年度試験は7.0倍となりました。

警察官採用試験競争倍率の推移_2022

2023年度 警視庁警察官採用試験の概要

試験日 ・第1次試験
第1回Ⅰ類:2023年4月29日(土)
第2回Ⅲ類:2023年9月16日(土)、Ⅰ類:2023年9月17日(日)
第3回Ⅰ・Ⅲ類:2024年1月7日(日)

・第2次試験
<男性>
第1回Ⅰ類:2023年5月27日(土)・28日(日)・6月3日(土)・4日(日)
第2回Ⅰ・Ⅲ類:2023年10月7日(土)・8日(日)
第3回Ⅰ・Ⅲ類:2024年1月27日(土)

<女性>
第1回Ⅰ類:2023年6月10日(土)
第2回Ⅰ・Ⅲ類:2023年10月9日(月)
第3回Ⅰ・Ⅲ類:2024年1月28日(日)

受験資格

Ⅰ類 (大学卒業程度)

1988年4月2日以降に生まれた人で大学(学校教育法による大学(短期大学を除く。))を卒業又は2024年3月までに卒業見込みの人
1988年4月2日から2002年4月1日までに生まれた人で大学卒業程度の学力を有する人

Ⅲ類 (高校卒業程度)

1988年4月2日以降に生まれた人で高校(学校教育法による高等学校)を卒業又は2024年3月までに卒業見込みの人
1988年4月2日から2006年4月1日までに生まれた人で高校卒業程度の学力を有する人

身体要件

<視力>
裸眼視力が両眼とも0.6以上、又は矯正視力が両眼とも1.0以上であること
<色覚・聴覚>
警察官としての職務執行に支障がないこと
<疾患>
警察官としての職務執行上、支障のある疾患がないこと
<その他身体の運動機能>
警察官としての職務執行に支障がないこと 

試験科目

第1次試験

・筆記試験:警察官として必要な一般教養及び政治、社会、法律、経済等の知識について、試験の類別に応じた下記の筆記試験を行います。
<教養試験>
出題分野の内容は、おおむね次のとおりです。
(五枝択一式、50題、2時間)
<知能分野> 文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈、図形判断
<知識分野>人文科学、社会科学、自然科学、一般科目(国語、英語、数学
<論(作)文試験>
課題式の論(作)文試験を行います。(1題、1時間20分)
<国語試験>
職務に必要な国語力について記述式試験を行います。(20分)

・資格経験等の評定:所持する資格経歴等についての評定を行います。
(内容及び申請方法については、「資格経歴等の評定について」を参照してください。)

・第1次適性検査:警察官としての適性について、記述式等の方法により検査を行います。

第2次試験

<面接試験>
人物についての面接試験を行います。

<第2次身体検査>
警察官としての職務執行上、支障のある疾患の有無等について検査を行います。
検査内容:視力検査、体重測定、レントゲン検査、医師の診察、運動機能の検査、 血液検査(貧血検査、肝機能検査、血中脂質等検査、血糖検査)、尿検査

<第2次適性検査>
警察官としての適性について、記述式等の方法により検査を行います。

<体力検査>
職務執行上必要な体力の有無について検査を行います。
種目:腕立て伏せ、バーピーテスト、上体起こし、反復横跳び(種目は変更する場合があります。)

採用予定数 男性:770名、女性330名
詳細情報 警視庁 警察官・職員採用