【2023年版】消防士採用試験の倍率・合格率の推移を解説 難易度はどれくらい?

消防士になるためには、消防官採用試験に合格する必要があり、競争率が高いことが一般的です。

そのため試験に備え、体力づくりや面接の練習を行い、試験に臨む準備を十分に行うことが求められます。

ここでは消防士になるための試験内容や合格率について詳しく解説します。

消防士の採用試験は自治体ごとに行われる

消防士になるためには、各自治体が実施する「消防官採用試験」に合格する必要があります。

ただし、この試験は競争率が高く、合格にはしっかりとした準備と努力が必要です。

まずは各自治体の消防官採用試験情報を収集し、試験内容、試験日程、応募資格、募集人数などを確認しましょう。

消防士採用試験では、公務員として働くうえで必要な基礎学力を問われる筆記試験のほか、体力検査も行われます。

筆記試験では一般的な学問的知識が問われるため、必要に応じて学習を進め、必要な知識を身につけましょう。

また消防士は体力を要する職業です。

体力検査に向けて十分なトレーニングを行い、必要な基準をクリアするように努力しましょう。

消防士になるには

消防官採用試験の難易度・倍率は?

消防士の職業は人気が高く、欠員が出にくいため、各自治体の消防官採用試験は比較的高い倍率がついています。

なお、消防官採用試験は、試験の難易度別に複数の採用区分で実施されるケースが多く、区分ごとに倍率も異なります。

東京消防庁の例
  • Ⅰ類(大卒程度)
  • Ⅱ類(短大卒程度)
  • Ⅲ類(高卒程度)
  • 専門職

東京消防庁は全国的に見て採用人数が多く、年度や区分によって、倍率は20倍や30倍を超えることもあります。

ただし、倍率は地域や年度によって異なります。

一部の大都市では倍率が非常に高く、試験合格には競争が激しい一方、人口の少ない地方では倍率が低いこともあります。

志望する自治体や試験区分によって倍率が異なるため、試験情報を入手し、戦略的に試験に臨むことが重要です。

消防官採用試験の倍率が高い理由は?

消防士は安定した公務員職であり、定年まで勤め上げる方が多いことから、消防署内での欠員が発生しにくいことが主な理由のひとつです。

また近年、民間企業の経済状況が不透明な中で、安定した公務員の採用試験応募者が急増していることも一因です。

さらに、地震や水害などの自然災害や大規模な火災の際に、消防士の活躍がクローズアップされ、その役割の重要性が認識されていることも大きな理由です。

東京消防庁 消防官募集公式ホームページ

2022年度 東京消防庁 職員採用の受験者数・合格者数・倍率

<合計>
・受験者数:8,409人
・最終合格者数:1,275人
・倍率:6.6倍
<専門系>
・受験者数:27人
・最終合格者数:4人
・倍率:6.8倍
<1類1回目>
・受験者数:3,356人
・最終合格者数:364人
・倍率:9.2倍
<1類2回目>
・受験者数:1,252人
・最終合格者数:187人
・倍率:6.7倍
<2類>
・受験者数:1,032人
・最終合格者数:292人
・倍率:3.5倍
<3類>
・受験者数:2,742人
・最終合格者数:428人
・倍率:6.4倍
<1類事務>
・受験者数:57人
・最終合格者数:14人
・倍率:4.1倍
<1類事務(通訳)>
・受験者数:-人
・最終合格者数:-人
・倍率:-倍
<3類事務>
・受験者数:113人
・最終合格者数:4人
・倍率:28.3倍
<3類事務(身体障害者)>
・受験者数:16人
・最終合格者数:1人
・倍率:16.0倍
<自動車整備>
・受験者数:5人
・最終合格者数:3人
・倍率:1.7倍

消防官採用試験を突破するためには

筆記試験対策を十分に行うことが大事

消防官採用試験の筆記試験は、一般的な地方公務員試験に比べてやや容易とされていますが、それでも高い合格基準が設けられているため、油断はできません。

消防官採用試験は競争が激しく、合格者の中から選考されるため、高いスコアを狙うことが大切です。

去の消防官採用試験の過去問題を解いて、出題傾向を把握し、試験の難易度や出題傾向を理解することが大切です。

また関連するテキストや参考書を活用して知識を身につけ、消防士として必要な法令や知識を理解することが重要です。

なかには消防官採用試験の対策スクールや予備校に通って専門の指導を受ける人もいます。

消防官に必要な体力を鍛えるためにも、体力検査の対策も重要です。

身体能力の向上を目指し、勉強と並行しながらトレーニングを行いましょう。

体力試験ではどんなことが行われる?

消防士の業務は、人命救助や火災鎮圧など非常に体力を要するものであり、それらを遂行するためには体力が必要です。

消防官採用試験においても、体力試験が一般的な一次試験として実施されています。

ほとんどの自治体が文部科学省の発表している「新体力テスト実施要綱(20歳~64歳対象)」を基準にした試験内容となっています。

これに基づいて筋力、持久力、柔軟性などが測定され、合格に必要な基準が設けられます。

体力試験の内容や基準は自治体によって異なることがあるため、各自治体の採用試験要綱を確認し、適切な体力トレーニングを行うことが大切です。

具体的には、以下のようなものが行われます。

握力

握力計を用いて測定します。

上体起こし

いわゆる腹筋運動です。2人1組になって行い、足を固定した状態で時間当たりの回数を計ります。

長座体前屈

床に腰をつけ、足を伸ばした状態で前屈します。身体の柔軟性を計ります。

腕立て伏せ

顎を床につけてカウントします。

反復横とび

時間当たりの回数を計ります。

シャトルラン

時間当たりの往復回数を計ります。

肺活量

肺活量計を用いて測ります。

懸垂

時間当たりの回数を計ります。

体力試験の合格基準と対策は?

消防士の体力試験は、一般的に絶対評価の合格基準を設けています。

これは一定の基準をクリアできるかどうかが合格の判断材料となります。

つまり、あらかじめ定められた基準を満たせば合格となり、競争率に左右されない仕組みです。

このため、体力試験であまりに無理なパフォーマンスを求める必要はありません。

受験者は、自身の実力に合わせて最善のパフォーマンスを発揮することが大切です。

また、合格後も消防士としての業務においては、体力が要求されるため、入隊前から体力トレーニングを続けることが役立つでしょう。

消防士を志す人は、早い段階から体力トレーニングを行い、合格後も体力を維持・向上させる努力を惜しまないことが大切です。

そのほかの試験を行う自治体も

近年では志望者が増え採用倍率が高くなっていることから、自治体によっては集団面接やグループディスカッションを導入するところも増えてきています。

これまでのように、学力や体力だけでは合格が厳しい自治体も増えてきていますので、試験内容を確認し、対策をとることが重要です。

消防士の採用試験の難易度・合格率のまとめ

消防士になるためには、各自治体が実施する「消防官採用試験」に合格することが必要です。

試験は一般的に筆記試験と体力試験で、その難易度や内容は自治体によって異なります。

消防士の業務は非常に体力を要するため、体力試験も重要な要素です。

合格するためには、筆記試験の勉強だけでなく、体力トレーニングを積んでおくことが大切です。

そして、合格後も体力維持のためにトレーニングを続ける習慣を身につけましょう。