消防士採用試験の難易度・合格率はどれくらい? 倍率が高い理由とは?
主な試験内容は筆記試験と体力検査で、職業柄、身長や体重などの身体要件もあります。
ここでは消防士になるための試験内容や合格率について詳しく解説します。
消防士の採用試験は自治体ごとに行われる
消防士になるためには、各自治体が実施する「消防官採用試験」に合格することが必要です。
自治体によって試験日程や試験内容などの概要が異なるため、事前に各自治体の消防官採用に関する情報をよく確認してください。
毎年、日本全国で多くの消防士が新たに採用されていますが、消防士は人気の職業でもあり、誰もが簡単になれるわけではありません。
消防士採用試験では、公務員として働くうえで必要な基礎学力を問われる筆記試験のほか、体力検査も行われます。
また、体力を要する消防士という職業柄、身長や体重などの身体要件もあるため、この点についても事前に確認しておく必要があります。
消防官採用試験の難易度・倍率は?
消防士は人気職であることや、定年まで勤め上げる人が多く各消防署で欠員が出にくいこともあり、どの自治体も比較的倍率が高くなっています。
なお、消防官採用試験は、試験の難易度別に複数の採用区分で実施されるケースが多く、区分ごとに倍率も異なります。
- Ⅰ類(大卒程度)
- Ⅱ類(短大卒程度)
- Ⅲ類(高卒程度)
- 専門職
東京消防庁は全国的に見て採用人数が多く、年度や区分によって、倍率は20倍や30倍を超えることもあります。
一方、そこまで採用人数が多くない地方によっては、これ以上に倍率が高くなっています。
近年の民間企業の不景気が転じて公務員人気の熱が高まっていること、また災害時における消防士の活躍がクローズアップされた影響もあり、この数年の消防官採用試験の倍率は例年よりもやや高めとなっています。
2021年度 東京消防庁 職員採用の受験者数・合格者数・倍率
・受験者数:9,434人
・最終合格者数:736人
・倍率:12.8倍
・受験者数:60人
・最終合格者数:8人
・倍率:7.5倍
・受験者数:2,835人
・最終合格者数:395人
・倍率:7.2倍
・受験者数:-人
・最終合格者数:-人
・倍率:-倍
・受験者数:1,861人
・最終合格者数:102人
・倍率:18.2倍
・受験者数:4,678人
・最終合格者数:231人
・倍率:20.3倍
・受験者数:49人
・最終合格者数:11人
・倍率:4.5倍
・受験者数:95人
・最終合格者数:14人
・倍率:6.8倍
・受験者数:9人
・最終合格者数:1人
・倍率:9.0倍
消防官採用試験を突破するためには
筆記試験対策を十分に行うことが大事
消防官採用試験に出題される筆記試験の難易度は、一般的な地方公務員試験と比べてやや容易といわれています。
しかし、だからといって甘く見ると痛い結果を見ることになるかもしれません。
消防官採用試験は倍率が高く、採用枠は限られていますので、おのずと合格最低点も高くなるでしょう。
消防官採用試験で最も差がつくのが筆記試験だとされるため、市販されている過去問やテキストなどを使いながら十分に対策を行いましょう。
人によっては民間の予備校・スクールに通い、採用試験の対策をしている人もいます。
体力試験ではどんなことが行われる?
消防士はつね自分の身を危険にさらしながら人命を救助する仕事であるため、業務を遂行するために必要な体力を備えていることは必須と考えられています。
消防官採用試験では、多くの場合、1次試験として筆記試験をクリアした人だけが2次試験として体力試験を受ける流れとなっています。
また、ほとんどの自治体が文部科学省の発表している「新体力テスト実施要綱(20歳~64歳対象)」を基準にした試験内容となっています。
具体的には、以下のようなものが行われます。
握力
握力計を用いて測定します。
上体起こし
いわゆる腹筋運動です。2人1組になって行い、足を固定した状態で時間当たりの回数を計ります。
長座体前屈
床に腰をつけ、足を伸ばした状態で前屈します。身体の柔軟性を計ります。
腕立て伏せ
顎を床につけてカウントします。
反復横とび
時間当たりの回数を計ります。
シャトルラン
時間当たりの往復回数を計ります。
肺活量
肺活量計を用いて計ります。
懸垂
時間当たりの回数を計ります。
体力試験の合格基準と対策は?
体力試験の合格基準は、自治体によってだいぶバラつきがあります。
しかし、多くの自治体では受験者を成績の良い順に採用する相対評価ではなく、あらかじめ設けた一定の合格基準をクリアした者を採用する絶対評価を導入しています。
したがって、体力試験では緊張して無理をしたりせず、肩の力を抜いて今の自分ができる最高のパフォーマンスをすることを心がけましょう。
消防士にとって体力は大切な要素のひとつで、合格した後もトレーニングを欠かさず行うことになります。
人並み外れた体力が必要というわけではありませんが、運動することが嫌いである場合には、入隊後苦労することになるでしょう。
体力は自分で早い段階からトレーニングを行うことで、少しずつ高めていくことができます。
筆記試験や面接試験の対策のみならず、体力試験の対策も行っておくとよいでしょう。
消防士の採用試験の難易度・合格率のまとめ
消防士になるためには、各自治体が実施する「消防官採用試験」に合格することが必要です。
筆記試験や体力検査も行われ、体力は自分で早い段階からトレーニングしなくてはなりません。
体力は自分で早い段階からトレーニングを行うことで、少しずつ高めていくとよいでしょう。