【2023年版】食品衛生監視員採用試験の難易度と合格率 必要な勉強時間は?

食品衛生監視員採用試験とは

食品衛生監視員は、おもに空港や港湾の検疫所で勤務する国家公務員と、各自治体に設置された保健所などで勤務する地方公務員に分かれます。

国家公務員の食品衛生監視員になるには、食品衛生監視員の任用資格を得たうえで、「食品衛生監視員採用試験」を受験し、合格する必要があります。

食品衛生監視員採用試験とは、人事院が行う国家公務員専門職試験の一つで、平成24年度より実施されています。

試験は第1次試験と第2次試験とに分かれています。

第1次試験には、公務員として必要な基礎的な知能や知識についての「基礎能力試験」と、食品衛生監視員として必要な専門知識などについての「専門試験」があります。

第2次試験では個別面接による「人物試験」に加えて「性格検査」も行われます。

配点比率は「基礎能力試験」25%、「専門試験」50%、「人物試験」25%となっています。

なお、この試験を受験できる年齢は、30歳(採用年の4月1日時点)までと定められています。

試験の最終合格者は、1年間有効である採用候補者名簿に得点順に記載され、この名簿の中から採用者が決定され、全国の主要な海・空港の検疫所へ配置されます。

食品衛生監視員になるには

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食品衛生監視員採用試験の受験資格

食品衛生監視員採用試験の受験資格は以下のようになっています。

21歳以上30歳未満の場合

(1)大学において薬学、畜産学、水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業した者、および受験年度の3月までに当該課程を修めて大学を卒業する見込みの者

(2)都道府県知事の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において所定の課程を修了した者、および受験年度の3月までに当該課程を修了する見込みの者

21歳未満の場合

(1)上記の(1)に掲げる者

(2)都道府県知事の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において所定の課程を修了した者、または受験年度の3月までに当該課程を修了する見込みの者であって、大学を卒業した者、および受験年度の3月までに大学を卒業する見込みの者

(3)人事院が(1)または(2)に掲げる者と同等の資格があると認める者

補足

上記の「大学」のなかには短期大学は含まれません。

また次のいずれかに該当する者は、この試験を受けることができません。

(1)日本の国籍を有しない者

(2)国家公務員法第38条の規定により国家公務員となることができない者

  • 成年被後見人、被保佐人(準禁治産者を含む)
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者またはその刑の執行猶予の期間中の者、その他その執行を受けることがなくなるまでの者
  • 一般職の国家公務員として懲戒免職の処分を受け、その処分の日から2年を経過しない者
  • 日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、またはこれに加入した者

食品衛生監視員採用試験の難易度・勉強時間

食品衛生監視員採用試験の難易度は「大卒程度」とされており、公務員試験のなかでは標準的なレベルです。

ただし専門的な内容もあるだけに、ほかの資格試験と比べると難易度は高いといえます。

勉強時間は人それぞれですが、一般的に公務員試験の合格までに必要な時間の目安は1000~1500時間といわれています。

1日に3~4時間勉強したとしても、丸1年はかかる計算になります。

食品衛生監視員採用試験は、幅広い分野の学習が必要となる「基礎能力試験」に加えて、専門的かつ配点比率の高い「専門試験」もあるので、合格までに1年から2年程度の準備期間が必要となるでしょう。

大学生の場合は、大学の講義や実習、アルバイトなどもあり、採用試験に向けてまとまった勉強時間が取りづらい人もいるかもしれません。

移動時間や講義のスキマ時間などを有効活用するなど、自身で工夫しながら勉強時間を捻出することが大切です。

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食品衛生監視員採用試験の合格率

食品衛生監視員採用試験の2022年度の合格率は、25.9%となっています。

食品衛生監視員採用試験 過去の実施状況

過去の試験実施状況は、以下の通りです。

※( )内は女性を内数で示しています。

■2022年度
申込者数:402名(223名)
第1次試験合格者数:168名(102名)
最終合格者数:104名(64名)

■2021年度
申込者数:377名(225名)
第1次試験合格者数:148名(88名)
最終合格者数:91名(54名)

■2020年度
申込者数:351名(219名)
第1次試験合格者数:127名(77名)
最終合格者数:77名(49名)

上記を見ていただくと、女性の申込者が多いことがわかります。

最終合格者も過半数が女性となっている年も珍しくなく、女性の活躍が目立つ仕事だといえます。

食品衛生監視員採用試験 申込者数の推移

食品衛生監視員採用試験 申込者数は近年500人前後を推移しておりましたが、2022年度の申込者数は402人となりました。

食品衛生監視員採用試験申込者数の推移_2022

食品衛生監視員採用試験 合格倍率の推移

食品衛生監視員採用試験合格倍率は2012年度より年々下降傾向にあり、2022年度の合格倍率は3.9倍となりました。なお、最終合格者数は104人となっています。

食品衛生監視員採用試験合格倍率の推移_2022

2023年度 食品衛生監視員採用試験の概要

試験日 ・第1次試験:2023年6月4日(日)
・第2次試験:2023年7月11日(火)〜7月19日(水)
試験地

第1次試験

小樽市、東京都、大阪市、福岡市

第2次試験

東京都

受験資格 1 1993年4月2日~2002年4月1日生まれの者で次に掲げるもの
(1)大学において薬学、畜産学、水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業した者及び2023年3月までに当該課程を修めて大学を卒業する見込みの者
(2)都道府県知事の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において所定の課程を修了した者及び2024年3月までに当該課程を修了する見込みの者2 2002年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
(1)1(1)に掲げる者
(2)都道府県知事の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において所定の課程を修了した者又は2024年3月までに当該課程を修了する見込みの者であって、大学を卒業したもの及び2024年3月までに大学を卒業する見込みのもの
(3)人事院が(1)又は(2)に掲げる者と同等の資格があると認める者
試験科目

第1次試験

◇基礎能力試験(多肢選択式)
公務員として必要な基礎的な能力(知識及び知能)についての筆記試験
出題数は40題
知能分野 27題
(文章理解11、判断推理8、数的推理5、資料解釈3)
知識分野 13題
(自然、人文、社会13(時事を含む。)

◇専門試験(記述式)
食品衛生監視員として必要な専門的知識などについての筆記試験
次の6題のうち3題選択
分析化学1又は食品化学1のいずれか1題
生物学1又は毒性学1のいずれか1題
公衆衛生学1又は食品衛生学1のいずれか1題

第2次試験

◇人物試験
人柄・対人的能力などについての個別面接

合格発表 ・第1次試験:2023年7月5日(水)
・第2次試験:2023年8月15日(火)
最終合格者数 104人(2022年度)
合格倍率 3.9倍(2022年度)
採用予定数 約35名
詳細情報 厚生労働省 食品衛生監視員採用試験