地方公務員採用試験の難易度・倍率

地方公務員採用までの流れ

地方公務員として働くためには、まず自治体が独自実施する地方公務員試験を受験し、採用される必要があります。

地方公務員試験の内容はさまざまですが、第1次試験として「筆記試験」、第2次試験として「人物試験(面接など)」が行われ、たいていは第1次試験に合格した人だけが第2次試験に進むことができます。

最近では第3次試験として、プレゼンテーションなどの試験が行われることもあります。

そして、第1次試験と第2次試験(+第3次試験)の成績を併せた総合成績によって、最終合格者が決定される形が一般的です。

合格が決まると採用候補者名簿に登録され、採用面談などを実施した後、採用の自治体内で配属先が決まります。

地方公務員になるには

地方公務員採用試験の受験資格

地方公務員採用試験の受験資格は、自治体や試験の種類によって異なります。

年齢に関していえば、事務などを担当する行政職の試験では、だいたいどの自治体でも30歳前後が上限となっていますが、なかには35歳くらいで受験できるところもあります。

また、近年は年齢制限の緩和が進んでおり、実質的に年齢制限がない状態で受験できる場合もあります。

学歴の要件に関しても、試験の種類によって異なります。

高卒程度試験では、大卒の人が受験できないように学歴制限を設けているケースが目立ちますが、大卒程度試験では学歴関係なく受けられるものもあります。

また、同じ職種の試験でも、高卒者と大卒者で試験区分を明確に分けている場合もあります。

その他、福祉、栄養士、獣医、薬剤などの試験では、特定の資格・免許の取得が応募に必要となることが多いです。

地方公務員試験の受験を考えている場合には、希望する自治体や試験が決まったら、過去の応募資格について確認しておくことをおすすめします。

地方公務員採用試験の合格難易度

自治体ごとに行われる地方公務員試験では、結果もそれぞれにおいて差が出ており、一概に「これくらいの難易度」ということはできません。

同じ「大卒程度試験」においても都道府県によって違いがありますし、さらには政令指定都市、特別区、市町村によってもまた異なります。

その年によって採用人数に大幅な上下があれば、倍率にも影響が出ます。

基本的には、規模の大きな自治体の人気が高まる傾向にあり、東京都、愛知県、千葉県、埼玉県のほか、特別区や横浜市、神戸市、名古屋市などは難易度が高いといわれています。

さらに、各自治体において、「初級」の試験よりは「上級」のほうが難易度が高いとされることも特徴のひとつです。

地方公務員採用試験の合格率

地方公務員試験のなかでも、「専門職」や「資格免許職」の試験は、職種によっては比較的倍率が低めになっているようです。

たとえば、令和元年度における東京都の試験結果を見ると、1類B[一般方式]行政が5.6倍なのに対し、心理は2.4倍、福祉Aは1.7倍となっています。

ただし、栄養士が13.8倍、薬剤Bが9.0倍といったように、行政職以上の倍率となる職種もあります。

採用予定者数が少なめの試験では、年度によっては相当な高倍率になることもあります。

ひと昔前は、公務員試験といえば「筆記試験重視」とされていましたが、近年はどうやら「人物重視」の傾向が強くなっているといわれます。

この背景には、地方分権が進む中で自治体における公共サービスの幅が広がり、それに対応できる人材が求められていること、また地域住民にきちんと寄り添える人がさらに求められるようになっていることなどがあるようです。

そのため、各自治体では面接の回数を増やしたり、事物試験のウエイトを高めたりする傾向が見られます。

筆記試験対策はもちろん不可欠ですが、人物試験でいかに高評価を得るかというところも、採用を目指すうえでは欠かせないポイントとなっています。