地方公務員になるための学校と学費(大学学部・専門学校)

地方公務員になるための学校の種類

地方公務員になるために受験する地方公務員試験は、高卒、短大卒、大卒など、さまざまな学歴の人が受験できるものとなっています。

基本的に地方公務員試験は難易度別で試験が分かれており、年齢などの応募資格を満たせば、たとえば高卒の人が大卒レベルの試験を受験することもできます。

試験を受けるうえでは学校名で差別されることもありませんので、結論からいうと、どのような学校へ進学しても地方公務員を目指すことは可能です。

少しでも早く社会に出て働きたいと思ったら、高校卒業後すぐ、事務職や警察などの地方公務員を目指す人もいますし、将来地方公務員として専門的な職種に就くために、必要とされる知識・技術が学べる大学や専門学校に通い、資格を取ってから地方公務員試験を受ける人もいます。

地方公務員になるには

地方公務員になるための大学

一部の職種以外はどの大学からでも受験可能

地方公務員試験を受験するにあたって、基本的に特定の大学に通わなくてはならなかったり、学部・学科に関しての制限はありません。

日本全国、さまざまな大学に通う人たちが、地方公務員試験を受験しています。

ただし、資格免許職や専門職の試験を受験する場合には、業務に関連する資格・免許が求められることが多く、それぞれの資格・免許が取得できる大学に通って所定の課程を修了するなどの方法をとる必要があります。

具体的には、看護師薬剤師獣医師管理栄養士幼稚園教諭、教員、衛生監視員などが挙げられます。

有利になる大学や学部はある?

大学や学部によって受験時に優遇されることはないのですが、地方公務員試験の教養科目の出題範囲は幅広いため、センター試験の全科目を勉強している国公立大学の人は、試験対策としてはやや有利になるかもしれません。

また、筆記試験の出題傾向としては法律科目と経済科目の配点が高いことから、法学部や経済学部で法律や経済について学んでおくのもおすすめです。

一方、数的処理の問題も出題されることから、理系学部で論理的思考力に磨きをかけておくのもよいでしょう。

もちろん、上記の大学・学部出身者でなくても、自分で地方公務員試験に向けた勉強をして合格、採用されている人はたくさんいます。

学費はどれくらい?

4年制大学の場合、卒業までにかかる授業料は国立大学で250万円程度、私立大学の文系では400万円程度とされています。

ただし、その他に必要な諸経費などは、選択する学部や勉強する内容などによってもだいぶ差が出てくるでしょう。

遠方の大学に通うのであれば、住居費や生活にかかる費用なども考えておく必要があります。

地方公務員になるための専門学校

地方公務員になるための専門学校としては、2つのパターンが考えられます。

ひとつは公務員試験の対策を中心として通う専門学校、もうひとつは専門的な職種に就くための知識・技術を身につけるために通う専門学校です。

前者の場合、資格取得対策の予備校・スクールと混同される場合もありますが、2年制以上の専門学校では短期大学卒業と同じ扱いになる「専門士」という学歴がつきます。

また、4年制で大学卒業と同じ扱いになる「高度専門士」という学歴が得られる専門学校もあります。

このような専門学校では、地方公務員試験に出題される分野を中心としたカリキュラムが組まれており、2年間以上の時間をかけてじっくりと試験の準備をすることができます。

一方、後者に挙げた専門的な職種に就くための専門学校としては、たとえば看護専門学校栄養専門学校保育専門学校などが挙げられます。

このような専門学校で所定のカリキュラムを学び、資格・免許を取得すれば、資格専門職に該当する地方公務員試験が受験できるようになります。

「看護師として働きたい」「保育士として働きたい」などの希望がある人は、こうした専門学校で学ぶことを考えるとよいでしょう(大学という選択肢もあります)。

学費はどれくらい?

専門学校の学費は、どのような学校を選択するのかによって大きく変わってきます。

2年制の専門学校では、2年間で150万円~200万円程度かかる場合が多いようですが、外部施設での研修・実習などに力を入れているところだとさらに50万円以上必要になることもあります。

また、資格取得のための費用が別途必要になる学校もありますが、4年制大学よりも学費は安く抑えられる場合が多いでしょう。

地方公務員試験対策のための予備校・スクール

ここまで見てきたような大学や専門学校とは別に、地方公務員試験への合格を目指すための予備校・スクールもあります。

このような学校は、たいていの場合、学歴としては認められませんので注意が必要です。

昼間は大学や専門学校、夜間や休日に予備校やスクールという形でダブルスクールをする人もいます。

もちろん、予備校・スクールに通うことが必須ではありませんが、地方公務員試験は倍率が高くなりがちで、出題範囲が広いことから、継続して効率的に勉強することが大事になってきます。

その点、予備校やスクールには、同じ目標に向かって頑張っている仲間がたくさんいますので、モチベーションを保ちながら勉強できたり、最新の試験情報を教えてもらえたりするメリットもあります。

予備校・スクールの学費はまちまちで、単発の講座では数万円以内で受講できるものもありますし、ある程度の期間通うことになると30万円~50万円程度はかかってくる場合が多いでしょう。

地方公務員になるための学校選びのポイントは?

冒頭でお話した通り、地方公務員になるための学校の選択肢はひとつではありません。

高校からでも、専門学校からでも、大学からでも、地方公務員を目指すことはできますので、まずは「学校で自分が何を学びたいのか?」「将来どのように働きたいのか?」をしっかりと考えて、進路を考えることをおすすめします。

「1日でも早く社会人として現場に出たい」「専門的な資格が必要な〇〇の職種に就きたい」「学費にお金はかけられない」「大学で視野を広げ、教養を身につけてから就職したい」など、人によって考え方は異なるものです。

また、大学に通えば公務員以外の道を考えることになった場合にも進路変更しやすく、専門学校に通えば大卒の人よりも早く現場に出て仕事を覚えられるといったメリットがあります。

どのような学校を選ぶとしても、そこにはメリット・デメリットの両方があります。

自分自身のやりたいこと、学びたいことなどによってどのような学校に進学すべきかは変わってきますので、まずは将来に対するイメージを膨らませてみてください。