裁判官に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

裁判官に向いている性格・適性

生涯にわたって学び続ける向上心のある人

その時代の技術革新や社会システムの変化などに応じて、新しい法律が制定されたり改正されることも珍しくありません。

こうした変化のなか、裁判官は事件を審理するうえで、法律面だけでなく人々をとりまく環境や価値観の変化など、さまざまな観点から物事を分析する必要があります。

また、裁判官が取り扱う分野は民事・刑事・知的財産など多岐にわたるため、裁判官になってからも当然勉強は続きますし、先輩裁判官と議論を交わすなかで学ぶことも多くあるでしょう。

このように、生涯にわたって学び続ける熱意と意欲を持っている人が裁判官には向いています。

公平中立である人

裁判官はつねに公平中立であることが重要です。

なぜなら、犯罪をおかしてしまった被告人であっても誰もが平等に裁判を受けられる権利を持っており、最終的な判決もあくまで公平な立場から下さなければならないからです。

裁判官の導き出す判決によって当事者の人生は大きく左右されることになり、場合によっては社会的に大きな制裁を受けることもあるでしょう。

そのため、裁判官は自分のおこなう仕事の影響の大きさを真摯に受け止め、たとえ価値観がまったく異なる当事者であっても冷静に受けとめて判断していく必要があります。

謙虚さをもつ人

裁判官は司法試験という難関試験を突破し、人格的にも認められた人だけが就ける職業です。

その業務内容からも非常に特殊な立場にあり、一般的に「エリート」と呼ばれる存在だといえます。

周りから尊敬の眼差しを向けられることも少なくありませんが、決して自分の地位におごることなく、人間としての謙虚さを持ち続けられる人が裁判官には向いているでしょう。

裁判官になるには

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裁判官に必要なスキル・能力

高度な判断力

裁判官は法律の知識をベースに、訴えを起こした人の言い分や提出された数多くの証拠について分析し、最良とされる解決策を見出すことが求められます。

複雑な事件も多く、また裁判官のおこなう判決は当事者の人生を左右する大きな責任をともなうものです。

そのため、裁判官は高度な判断力がなければ、その職務を果たすことはできません。

コミュニケーション力

裁判官の仕事は、決して机に向かって判決文を書くだけではありません。

判決を下すまでの過程において事件の当事者と話し合いの場をつくり、ときには和解をすすめたり、反省を促したりするような場面もあるでしょう。

それ以外にも、たとえば倒産事件の管財人や調停委員など、多くの民間人とも関わりをもつ仕事です。

また、平成21年5月21日から「裁判員制度」が始まり、国民から選ばれた裁判員と議論を交わしながら事件を解決していくことが必要となりました。

以上のことから、物事をわかりやすく説明し、説得力をもって自分の意見を伝えるといったコミュニケーション力が裁判官には必須のスキルとなっています。

重圧に負けない精神力

裁判官はつねに公明正大で、外部からの圧力にも屈せず自らの良心に基づいて判決を下さなければいけません。

その判決によって被告人の人生が大きく変わることになるとしても、冷静な判断力を持ち続けることが求められます。

こういった重圧に負けない強い精神力がなければ、裁判官の仕事を続けていくことは難しいでしょう。

裁判官に向いていないのはどんな人?

感情的に物事を判断したり、決めつけてかかるタイプの人は裁判官には向いていないといえます。

被告人のなかには恵まれない環境から犯罪を起こしてしまった人や、一般的とはいえないさまざまなバックグラウンドを持っている人も多く、「被告人の心情がまったく理解できない」という場合もあるでしょう。

このような場合においても、裁判官は私情を捨てて、それぞれの立場や言い分、証拠などを丁寧に調査し、法律などに照らし合わせながら最終的な判断を下していく必要があります。

どんな状況であっても、公平中立な立場で物事を考える姿勢が求められる仕事です。