救急救命士の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

救急救命士を目指すきっかけで多いものは?

救急救命士の志望するきっかけとして最も多いのは、救急救命士という職業に対する「憧れ」です。

実際、緊迫する救急現場で、一刻も早く医療行為を必要としている傷病者に第一の手を差し伸べる事ができるのが救急救命士です。

助けが必要な人のもとに駆けつけ助けるというイメージは、ヒーローのようです。

そればかりか、仕事に対する真剣さや、絶えず心身を鍛える努力を怠らない姿勢にも憧れる要素がたくさんあります。

人を助ける事のできるやりがいのある仕事がしたい人や、頼られたい人、責任感のある人が救急救命士を志望することが多いです。

また、「医療業界に興味がある」、「地元に貢献したい」というのも救急救命士を目指すきっかけとして多くなっています。

救急救命士の志望動機の考え方

どのような職業でもそうですが、救急救命士の面接の際にも必ず志望動機を聞かれます。

志望動機を答える際に最も大切なのは、「私は人命を助けたいという、純粋で強い気持ちでここに来た」という熱意を自分の言葉で伝えることです。

当たり前のようですが、どのような内容の志望動機であっても、その思いがきちんと面接官に伝わらなければ意味がありません。

また、人命を助ける職業には救急救命士のほかに医師看護師もあるため、「なぜ医療業界の中でも救急救命士でなければいけないのか?」という点をきちんと伝えられるようにしておきたいものです。

そのためには救急救命士の仕事内容についてよく調べ、自分なりの意見を持つことがとても大切です。

その上で、その地方自治体(消防署)を志望する理由が答えられるように準備しておくと申し分ないでしょう。

救急救命士の志望動機の例文

自らの体験をアピールする場合の志望動機

「以前、祖母が転倒した拍子に頭を机の角にぶつけ、大出血したことがありました。

非常に痛がり起き上がれない祖母を前に、15歳だった私はオロオロするばかりでした。

私と祖母しかいなかったのでパニックになりながらも救急車を呼んだところ、救急救命士がすぐに駆けつけて迅速に処置を施してくれました。

そればかりでなく、青ざめていた私を励ましてくれ、本当に心強かったのを覚えています。

そんな経験があってから、救急救命士の仕事に強い興味を持つようになりました。

簡単に務まる仕事でないことは重々承知していますが、女性である私だからこそ気がつける点があると信じ、それを強みに厳しい訓練を乗り越えていきたいと考えています。」

憧れがきっかけとなった場合の志望動機

「私が救急救命士を志望したのは、東日本大震災時に救急救命士の活躍をテレビで見て深い感動を覚えたからです。

がれきの中に何時間も閉じ込められている人を救出し、テキパキと処置を行う姿を見て、人の命の大切さを強く認識すると同時に、一人でも多くの命をこの手で救えたらどんなに幸せだろうかと思いました。

それ以来、体力づくりのために毎日5キロのランニングを欠かさずおこなっています。

救急救命士資格取得のためには、毎日8時間以上の勉強も重ねてきました。

これからも知識・スキル向上のために日々努力しながら、貢献していく考えです。」

地元への思いが理由の場合の志望動機

「私が救急救命士を志望するのは、生まれ育った〇〇市に貢献したいという思いからです。

〇〇市は昔と現代の融合した素敵な街です。

私は、各種イベントにも必ず参加するほどの地元が好きです。

植物には豊かな土壌が必要なように、自分がこのように育ってこられたのは、〇〇市のおかげだと感謝しています。

また、困っている人の役に立てる仕事の中でも、尊敬する父の職業である救急救命士の仕事は1番だと感じています。

学生時代は水泳部に所属し、黙々と練習を積むことで、年ごとに成績をあげてきました。

常に自分のことより人の事を優先して淡々と職務を遂行する父を手本に、地元のために救急救命士として貢献したいと考えます。」

こんな志望動機はNG!

面接の志望動機で評価の良くないパターンには、以下のようなものがあります。

医療業界(地方公務員)は安定職だから

「救急救命士は人気の医療業界。しかも地方公務員で安定しているからなりたい」という気持ちは、多くの救急救命士が少なからず持っていることかもしれません。

しかし、面接の場であえて話す内容ではありません。

仕事に対する熱意が感じられない印象になってしまい、逆効果です。

給料、待遇、安定といった点よりも、救急救命士という仕事への熱意を示す内容を表しましょう。

体力に自信があるから

「学生時代はずっとスポーツを続けてきました。自分の体力を生かせる職業につきたいと思い志望しました」という内容を考える人もいるようです。

たしかに、救急救命士は24時間勤務で体力がないと続けられないといわれます。

しかし、体力を生かせる仕事には救急救命士以外にも、運送業や建築業などたくさんあります。

そのため、救急救命士を志望する直接の動機にはならないでしょう。

面接官は重体の傷病者の前でも落ち着いて対処し、純粋に人命を助けたいという気持ちで働けるか、ということを判断したいと考えています。

体力はアピール要素の1つにはなりますが、体力さえあればよいというわけではないので、救急救命士への思いをアピールすることが大事です。

自分にできることを見つけたくて

「高校卒業後フリーターをしていましたが、まだ自分にも可能性があると思い、一から挑戦する気持ちで出願しました」

一見切実さが感じられて好印象のように見えますが、上記と同じく、救急救命士でなければならない理由になっていません。

やはり「救急救命士になって苦しんでいる人を助けたい」という気持ちを伝えることが一番大切でしょう。

救急救命士の面接で聞かれること・注意点

面接を受ける時の態度・服装は一般の面接と変わりません。

志望動機や自己PRなど、一般面接によく聞かれる質問も、救急救命士の面接で尋ねられると考えて準備しておきましょう。

救急救命士に特有の質問としては、「なぜ医療関係の仕事の中でも救急救命士なのか」といったことがよく聞かれます。

医療分野に興味があるという志望動機はいいのですが、医療関係の仕事には医師や看護師などいろんな仕事があります。

そのうえ救急救命士は24時間勤務が義務づけられる職業です。

人の命を左右するプレッシャーに加え、強靭な体力や集中力が求められ、途中で離職してしまう人も少なくない仕事ですので、どうしても救急救命士がよいという確固とした動機があると心強いでしょう。

また、救急医療に関する意見が問われることもあります。

知識を身につけるだけでなく、自分の意見をしっかり述べられるようにしておきましょう。

救急救命士の自己PRのポイント

履歴書作成や面接で、自己PRは採用を判断する重要な項目になります。

自己PRによって自分という人柄が判断されるという意識を持って、自分らしさが伝わるようなオリジナルアピールをしていきましょう。

アピール時には具体的なエピソードを盛り込むと効果的です。

さらに、そこからイメージできる人物像が、救急救命士に向いている人物であるかどうかが重要なポイントです。

救急救命士に求められている、

・プレッシャーに強い
・体力に自信がある
・冷静沈着である
・努力家である
・コミュニケーション能力が高い

といった素質をアピールできるエピソードを選ぶようにしましょう。

また、人の命に関わる医療従事者には、自分の力を過信することなく、常に謙虚に新しい医療知識・技術を学ぶ姿勢があるかどうかが見られています。 

これから救急救命士としてどのように頑張りたいか、抱負を添えるのもおすすめです。

救急救命士の履歴書で気をつけるべきことは?

救急救命士に限ったことではありませんが、履歴書を書く時は、誰にでも読みやすい丁寧な字で書くようにしましょう。

下手でも丁寧に書かれた字からは、その人の仕事に対するやる気が伝わります。

また、少しの判断ミスも許されない医療現場では、正確性も求められます。

雑な字や誤字・脱字だらけの履歴書では、「細かな点を疎かにするいい加減な人」という印象を与えてしまい、救急救命士に向かないと判断されてしまうこともあります。

十分注意しましょう。