救急救命士の志望動機と例文を解説 なりたい理由で多いものは?

救急救命士は事故や火災、災害などの際に人命を救助する非常に責任が重い仕事です。

近年は日本でも天災などでたびたび大きな被害を受けることがあり、ドラマやドキュメンタリーなどでも取り上げられることが多い職業です。

ここでは、そんな救急救命士の志望動機の書き方や面接の注意点についてご紹介します。

救急救命士を目指すきっかけで多いものは?

救急救命士への憧れ

多くの人が救急救命士を志望する理由の一つは、「憧れ」です。

実際の救急現場で、迅速に医療行為を必要としている傷病者に手を差し伸べることができるのが、救急救命士の役割です。

助けが必要な人に駆けつけ、手助けをする姿勢は、多くの人たちにとってまるでヒーローのようにうつります。

そうした姿に加えて、真剣さや絶えず努力してスキルを向上させていくところに憧れを持つ人も多いです。

人を助けることでやりがいを感じたり、頼られることや責任ある仕事が好きという人は、救急救命士になりたいと考えることがよくあります。

地元に貢献できる仕事

救急救命士として働くことで、地域社会へ直接貢献できる点にも魅力を感じる人が多いです。

地域の安全を守ることは、その地域で生活する人々への貢献であり、自分の仕事が地域全体に影響を与えることができることは大きなやりがいのひとつです。

地域社会に寄り添い、安心して生活できる環境を守る一翼を担いたいという思いを持つ人もたくさんいます。

救急救命士の志望動機の考え方

救急救命士として人命を助けるという仕事は、高い専門性と責任を伴います。

そのため、仕事に対する真摯な姿勢や情熱を明確に示すことが求められます。

医療業界においても、なぜ救急救命士になりたいのか、他の医療職に比べてどのような魅力を感じているのかを明確に説明できるようにすることが大切です。

これには、医療現場でのチームワークや緊急の状況などで冷静な判断が求められる点に焦点を当てるとよいでしょう。

また、地方自治体や特定の消防を志望する理由があれば、これも明確に伝えることがポイントです。

地域に密着した活動や地元への貢献への意識、それによって得られる地域との結びつきなどを伝えられれば、志望動機にプラスの印象を与えるでしょう。

準備と研究が十分にできていれば、面接官に自分の意欲や魅力が伝わりやすくなります。

救急救命士の志望動機の例文

自らの体験をアピールする場合の志望動機

過去に祖母が転倒事故で大出血した際、救急救命士の迅速で的確な処置で一命をとりとめ、心から感銘を受けました。

その経験から、私は救急救命士の仕事に深い興味を抱くようになりました。

当時私は15歳でありながら、突然の状況にオロオロするしかなく、無力でした。

そのなかで、救急救命士のプロフェッショナルな仕事ぶりに驚いたことが、私が救急救命士を目指すきっかけになったのです。

いまでは、自らも緊急時に冷静で迅速な判断ができるようになり、過酷な仕事に挑む覚悟があります。

また、女性であることからくる独自の視点と気配りが、患者さんに寄り添う上で役立つと信じています。

この信念を胸に、厳しい訓練を積んで、救急救命士としての専門性を確立していく覚悟があります。

憧れがきっかけとなった場合の志望動機

私が救急救命士を志望するきっかけは、東日本大震災時に救急救命士の活躍をテレビで目にし、その姿に深い感動を覚えたからです。

がれきの中で長時間閉じ込められた人々を救出し、的確かつ迅速に処置を行う姿から、人の命の尊さを改めて感じさせられました。

同時に、一人でも多くの命を救うことができるプロフェッショナルな存在になりたいという思いが芽生えました。

そのために、毎日のランニングや数時間の勉強など、体力と知識の向上に努めています。

これまでの努力と経験を活かし、将来は現場で的確かつ冷静な対応ができる救急救命士になることが目標です。

知識やスキルの向上のために日々の努力を欠かさないことで、人々に安心と支えを提供できる存在になりたいと考えています。

地元への思いが理由の場合の志望動機

私が救急救命士を志望するのは、生まれ育った〇〇市への感謝と貢献の気持ちからです。

生まれた時から住んでいる〇〇市は昔からの歴史と現代的な施設との融合が美しい素敵な街であり、私は地元への深い愛着を持っています。

学生時代は地域のイベントに参加したり企画したりしたこともあり、こうした経験がいまの私を形成してくれたことに感謝しています。

植物にとって豊かな土壌が必要なように、私がこれまで育ったのも〇〇市のおかげだと自覚しています。

また、父が救急救命士として働いており、自分の成長に大きな影響を与えただけでなく、その仕事ぶりに深い尊敬の念を抱いています。

困っている人々に手を差し伸べる仕事の中でも、救急救命士の使命感と貢献度は特に高いと感じています。

私は水泳部での経験から地道な努力と、地元の人々に奉仕するための強い意欲を持っています。

父の姿勢を手本に、地元〇〇市に貢献し、人々の安全と健康を守る救急救命士としての道を進むことが私の夢です。

こんな志望動機はNG!

面接の志望動機で評価の良くないパターンには、以下のようなものがあります。

医療業界(地方公務員)は安定職だから

「救急救命士は人気の医療業界で、しかも地方公務員で安定している」という理由からこの仕事に興味を持つ人も少なくありません。

ただし、これでは仕事に対する熱意が感じられない印象になってしまい、逆効果です。

医療業界は社会に貢献できる素晴らしい場所ですが、そのなかで患者さんとどう向き合うか、緊急時に必要な手助けを提供することで自分がどうしたいかを伝える必要があります。

給料、待遇、安定といった点よりも、救急救命士という仕事への熱意を示す内容を表しましょう。

体力に自信があるから

「学生時代はずっとスポーツを続けてきたことで、自分の体力を生かせる職業につきたいと思った」という人もいます。

たしかに、救急救命士は24時間勤務で体力がないと続けられないといわれます。

しかし、体力を生かせる仕事には救急救命士以外にも、運送業や建築業などたくさんあります。

そのため、救急救命士を志望する直接の動機にはなりません。

面接官は重体の傷病者の前でも落ち着いて対処し、純粋に人命を助けたいという気持ちで働けるか、ということを判断したいと考えています。

体力はアピール要素の1つにはなりますが、体力さえあればよいというわけではないので、「スポーツを通じて体力とチームワークを身につけ、それを生かしたい」「緊急の状況で冷静に対処し、人々の命を守りたい」など救急救命士への思いをアピールすることが大事です。

自分にできることを見つけたくて

「高校卒業後フリーターをしていましたが、まだ自分にも可能性があると思い、一から挑戦する気持ちで志望しました。」

一見切実さが感じられて好印象のように見えますが、こちらも救急救命士でなければならない理由になっていません。

やはり「救急救命士になって苦しんでいる人を助けたい」という気持ちを伝えることが一番大切でしょう。

たとえフリーターであったとしても、志望するに至った経験などを具体的に書くと効果的です。

救急救命士の面接で聞かれること・注意点

面接を受ける際の態度や服装に関して、一般の面接と同様に誠実な態度を心がけることが大切です。

清潔感のある服装や明るいあいさつも忘れずに行いましょう。

一般の面接でよく聞かれる質問に備えることも重要です。

志望動機や自己PRについては、救急救命士の特殊な仕事や環境を考慮しながら説明することが求められます。

例えば、「医療関係の仕事の中でもなぜ救急救命士なのか」といった質問に対しては、医療分野への興味だけでは不十分です。

なぜ救急救命士として働きたいのか、24時間勤務やプレッシャーに耐える覚悟があるのかをしっかり伝えることが大切です。

また、救急医療に関する意見を求められることもあります。

知識だけでなく、自分の意見を明確に述べられるようにするとよいでしょう。

例えば、「自分に救急救命士が適していると確信している理由」や「救急医療において改善したいと思う点」など、自分の考えを具体的に伝えられると印象がよくなります。

緊急な状況にも冷静に対処できることや、強靭な体力や集中力を持っていることをアピールできるよう、経験や状況を交えて具体的に語ることがポイントです。

救急救命士の自己PRのポイント

自己PRは非常に重要であり、具体的なエピソードを交えて自分の強みや適性をアピールすることが大切です。

特に、救急救命士に必要な資質や能力に焦点を当て、それを具体的な経験や行動で裏付けることが効果的です。

とくに、救急救命士として必要なプレッシャーに対する強さ、体力、冷静沈着さ、努力家であること、そして高いコミュニケーション能力など、具体的な要素を挙げてアピールすることで、自己PRがより説得力を持ちます。

最後に、自らの成長意欲や今後の目標、救急救命士としての使命感などを述べることで、将来への意欲や貢献意欲が伝わり、好印象を与えることが期待できます。

救急救命士の履歴書で気をつけるべきことは?

履歴書や職務経歴書は、自分のプロフィールや経歴を伝える大切な文書です。

ていねいかつ読みやすい字で書くことは、第一印象を左右する重要な要素です。

特に医療現場では正確性が求められるため、誤字や脱字は避けなければなりません。

また、医療職に携わる際には、細部への注意が期待されます。

履歴書の書き方や言葉遣いも、その人の姿勢や性格を反映します。

一つ一つの言葉や表現に気を配り、読みやすく伝わりやすい文書を作成することが大切です。

これができるかどうかも、採用担当者にとってのポイントの一つとなります。

救急救命士の志望動機のまとめ

救急救命士の志望動機には、まず人の命を守りたいという真摯な思いを強調しましょう。

また救急救命士は仲間と協力して危険な状況に対処する必要があります。

チームワークや円滑なコミュニケーションが得意であることを強調しましょう。

さらに地域社会に密着して働くため、地域への奉仕心や貢献意識があることを示すと良いです。

こうしたポイントを組み合わせ、自分の熱意や適性を伝えることができる志望動機を作成するとよいでしょう。