【2021年版】検察官の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「検察官」とは

検察庁に勤務し、事件や犯罪に関する捜査・公判や裁判執行時の指揮監督を行う。

検察官とは、法律に違反した人を取り調べ、起訴をするかどうかの判断を下し、事件についての立証を行う人のことです。

身分は法務省に所属する国家公務員であり、キャリアや経験に応じた5つの階級(「副検事」「検事」「検事長」「次長検事」「検事総長」)が存在します。

検察官の仕事は、警察から送検された被疑者の取り調べを行い、起訴をするかどうかを決定すること、そして起訴の場合には裁判所にて公判を行い、被告人の弁護士と判決について争うことです。

検察官になるには、難関といわれる「司法試験」を突破したうえで、「司法修習生考試(二回試験)」にも合格し、さらに法務省が行う面接試験を受けて採用される必要があります。

検察官に任官されるまでは長い勉強が必要であり、法曹界で活躍するための使命感や志を備えた優秀な人材が求められています。

「検察官」の仕事紹介

検察官の仕事内容

被疑者の取り調べから起訴、公判の指揮・監督までを担う

検察官とは、法律に違反した人を取り調べ、起訴をするかどうかの判断を下し、事件についての立証を行う人のことです。

身分は法務省に所属する国家公務員であり、おもに最高検察庁や高等検察庁、地方検察庁などに勤務します。

検察官は「検事総長」「次長検事「検事長」「検事」「副検事」という階級に分かれており、なかでも最も人数の多い検事は、捜査・公判や裁判執行時の指揮監督などの仕事に中心的に携わっています。

検察官には捜査権が与えられており、必要に応じて被疑者の取り調べや被害者への聞き込み、任意捜査もできますし、場合によっては被疑者の逮捕や拘留、証拠物の差し押さえといった強制捜査も実施します。

国民の代表者として犯罪に向き合う

検察官は事件の捜査を行ったのちに、起訴するかしないかの判断も行います。

起訴した場合は裁判となり、自らが法廷に立ち、捜査で知りえた証拠の提出や証人尋問などを通し、裁判所に対して被告人への刑罰を求めます。

国民の代表者として犯罪と向き合う重要な役割を担い、被害者の保護、犯人の更生、そして安全な社会を形成するために非常に重要な役割を担っています。

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検察官になるには

検察官になるまでの道のりは長く、膨大な勉強量が必要

検察官になるにはいくつかのルートがありますが、長い時間がかかります。

代表的なルートは、高校卒業後に大学へ進学し、卒業後さらに「法科大学院」という特殊な学校に入り、所定の課程を修めることです。

法科大学院修了後は「司法試験」を受け、合格すると、約1年の「司法修習」を受けます。

それを終えると検察官の任官試験を受験し、それに採用されることでようやく検察官としてのキャリアがスタートします。

大学入学後、司法修習を終えるまでで最短でも約8年は要するうえ、全員が検察官の任官試験に合格できるとは限りません。

このように、検察官になる道のりは険しく、相当な覚悟をもって勉強を続けていく必要があります。

予備試験に合格もしくは法学部に進学する道も

検察官を目指す人は大学に通う人が大半ですが、高卒の学歴でも「予備試験」という専門的な試験に合格することで、司法試験の受験資格が得られます。

一方、大学と法科大学院に進学してから司法試験を受ける場合、法学部出身者であれば法科大学院は2年、それ以外の学部出身者は法科大学院で3年学ぶ必要があります。

高校時代から将来は司法試験を受けたいと考えているのであれば、法学部に進学するのがおすすめです。

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検察官の学校・学費

法曹界に多数の卒業生を輩出している大学がおすすめ

検察官のような「法曹」に関する職業を目指す場合、司法試験を受けなくてはなりません。

司法試験の受験資格は「法科大学院」を卒業していること、もしくは「予備試験」の合格者です。

多くの人は高校卒業後に大学へ進学し、法学部を志望します。

東京大学、早稲田大学、京都大学、慶応義塾大学、中央大学などは法学で有名であり、毎年100名以上の司法試験合格者を輩出しています。

上記の大学、あるいは法学部以外でも、もちろん法科大学院の入学を目指せますが、早い段階で法曹を目指すのであれば、法学をしっかりと学べる大学に入ることが推奨されます。

予備試験から司法試験を受ける場合には、完全な独学は非常に難しいため、民間のスクール・予備校に通って効率的に勉強する人が多いです。

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検察官の資格・試験の難易度

司法試験は超難関の国家試験

検察官になるための第一関門となる司法試験の合格率は、例年30%~35%程度です。

法曹界を目指すために勉強を重ねた学生が多数受験する試験であることを考えると、非常に難易度は高いと考えておく必要があります。

なお、司法試験には受験制限があり「法科大学院修了後または予備試験に合格後、5年以内」となっています。

チャンスは5回までとなっているため、十分な勉強時間の確保が必要であり、予備校などに通って集中的に試験対策をしている人も多いです。

司法試験合格後も気が抜けない

司法試験に合格した後に受験する「司法修習生考試(二回試験)」は、毎年、受験者数の3%程度が不合格になるとされています。

司法修習生考試の受験回数は「3回まで」と定められているため、何としてでも期限内の合格を目指さなくてはなりません。

検察官の給料・年収

一般の国家公務員よりも高めの給与設定

検察官は国家公務員の身分ですが、専門性の高い特殊な仕事であることから、一般の国家公務員とは別の給与体系が設定されています。

具体的には「検察官の俸給等に関する法律」で定められた給料が支給され、最も等級(号)が低い検事の年収は380万円程度、最も等級が高い検事の年収は1,900万円程度と推定できます。

採用時の初任給は俸給が約256,300円+諸手当と考えられ、初年度から民間の平均的な新卒社員の会社員よりは、高めの収入が見込めるでしょう。

基本的には年功序列で、その後、キャリアを重ねて経験年数が上がっていくことで昇給します。

非常に厳しい競争ではありますが、順調に出世し、検事長クラス以上になれば月給100万円以上が得られます。

検察官になるには長い時間がかかり、また難関の司法試験なども突破しなくてはなりませんが、そのぶん、安定的によい収入が期待できます。

検察官は適用されない手当もある

検察官には、他の国家公務員と同様、各種手当(ボーナス、扶養手当、住居手当、地域手当、広域異動手当など)や、休暇制度などが適用されます。

ただし、検察官の特徴として、新任であっても管理職扱いとなることから特別調整額、超過勤務手当、休日給、夜勤手当および宿日直手当は支給されません。

こうした点をカバーするために、最初から高めの俸給が適用されています。

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検察官の現状と将来性・今後の見通し

安定した需要があり、高い志や使命感をもった人材が求められる

司法試験に合格し、法曹界を志す多くの人は「弁護士」となり、その次が「裁判官」です。

検察官になる人は決して多いわけではなく、慢性的な人手不足の状態で、検察官の生活は多忙なものとなりがちです。

検察官の仕事は犯罪の真相究明を目的としているため、限られた時間のなかで多くの証拠を集め、正しい結論を導くといった重大な責任を担わなければなりません。

国家公務員としての安定した身分は魅力ですが、簡単な気持ちで務まるものでないのは確かです。

ただし、この世から犯罪が一切なくなるということはとても考えにくく、安定した需要があり、極めて専門性の高い職種として活躍できます。

検察庁や法務省以外で働くチャンスもあり、高い志をもった人材は、スペシャリストとして長きにわたってキャリアを築いていけるでしょう。

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検察官の就職先・活躍の場

検察庁もしくは法務省にて活躍する

検察官の勤務先は、大きく「検察庁」と「法務省」の2つです。

また、検察庁は対応する裁判所の種類に応じて、以下の区分に分かれています。

・区検察庁:全国の主要な市・町に438庁設置され、簡易裁判所に対応します。
・地方検察庁:全国50カ所に設置され、地方裁判所や家庭裁判所に対応します。
・高等検察庁:東京都、大阪市、名古屋市、広島市、福岡市、仙台市、札幌市、高松市の全国8カ所に設置され、高等裁判所に対応します。
・最高検察庁
最高検察庁は東京に1ヵ所だけ設置されており、最高裁判所に対応する検察庁です。

一方、法務省で働く場合には、刑法および刑事訴訟法の検討・見直しや、少年院など矯正施設での処遇指導・監督、また仮釈放に関する事務的な業務などに従事します。

検察官の1日

膨大な業務を抱えて忙しく働くことが多い

検察官のおもな活躍の場は「検察庁」と「法務省」ですが、配属先によって仕事内容や1日の流れは大きく違います。

検察庁で働く場合は実際に事件現場に赴くことは少なく、警察が行った調査資料をもとに公訴の検討がメイン業務となります。

その前提で被疑者や参考人を取り調べたり、捜査が不十分と考えれば再捜査を警察に求めたりする場合もあります。

公訴となれば被疑者の罪を立証するため、自ら裁判に出向き裁判官に刑罰を求めます。

そうした一連の業務を一人で何件も担当するため、1日の密度が濃いといえるでしょう。

以下は、検察庁で働く検察官の1日の例です。

8:30 出勤・公判準備
10:00 1回目の取り調べ・供述調書
12:00 昼休憩
13:00 調査書類作成
15:00 別事件の取り調べ
17:00 起訴状作成
20:00 翌日の準備・退勤

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検察官のやりがい、楽しさ

国家公務員として事件の真実を追究していけること

検察官は社会の平和と正義を守るために必要不可欠な役割を担っており、高い誇りや使命感を抱いて活躍している人が多くいます。

犯罪者に対して刑罰を求めるための捜査や取り調べなど、検察官の業務はどれもミスの許されない、重要なものばかりです。

責任が大きいぶん、職務をまっとうできたと実感できたときには充実感が味わえます。

また、同じ法曹界で活躍する職業でも、クライアントから金銭をもらってサービスを提供する「弁護士」とは異なり、検察官は国家公務員の立場で、国や国民全体の奉仕者として活躍します。

純粋に事件の真実を追究したい気持ちが強い人であれば、大きなやりがいを感じられるでしょう。

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検察官のつらいこと、大変なこと

人の人生を左右する責任の重さとハードワーク

社会全体のためにやりがいのある仕事ができる反面、抱える責任の重さがつらさになる場合もあります。

自分の判断ひとつが相手の人生を大きく左右することもあり、常に多大なプレッシャーを感じる人もいます。

そのプレッシャーや責任感がストレスになってしまうと、仕事がつらいと感じてしまうこともあるでしょう。

厳しい場面に立ち会うことが多いため、使命をまっとうするための強い心が求められる仕事といえます。

また、検察官は業務量が多くハードワークになりがちですし、転勤の頻度もそこそこ多いです。

さまざまな不満や苦労が積み重なっていくと、検察官の仕事を続けるのが難しくなってしまう人もなかにはいます。

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検察官に向いている人・適性

冷静さがあり、効率的に物事を進めることが得意な人

国家公務員である検察官は、公益の代表者として検察権を行使します。

日本という国や社会の治安維持のために、常に公平な視点で事件と向き合い、必要とあらば被疑者に刑罰を求めて社会の安全を維持しなくてはなりません。

検察官には強い正義感や使命感が求められます。

また、個人的な感情だけで判断することは決して許されないため、自分の心をコントロールすることができ、冷静さを保てる人に向いている仕事といえます。

法律のスペシャリストであることはもちろん、限られた時間内に決められた職務をテキパキとこなしていく必要があるため、効率的に物事を進めるのを苦手にしない人に適性があるといえるでしょう。

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検察官志望動機・目指すきっかけ

きっかけはさまざまだが、強い熱意と覚悟が必要

検察官を目指す人のきっかけはさまざまです。

身近に検察官がいたことで親近感が湧いた人もいれば、「公平・正義」というキーワードに惹かれたり、あるいはテレビドラマで見た検察官の姿に憧れて、という人もいます。

また、もともとは「裁判官」など別の法曹関連の仕事を目指していた人が、勉強をする過程で検察官に進路を定めなおすケースもあります。

志望動機は人それぞれ異なって構いませんが、検察官には使命があり、また国家公務員としての役割を理解することも重要です。

憧れの気持ちだけで続けられるほど楽な仕事でもないため、実際に志望動機を考える際には、強い熱意と覚悟を伝える意識が求められてきます。

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検察官の雇用形態・働き方

司法試験などに合格して任官される国家公務員

検察官は、法務省の特別機関である検察庁で活躍する国家公務員です。

一般的な国家公務員は、国家公務員採用試験を受験して各省庁に採用されるのが通常ですが、検察官の場合には、法曹資格である「司法試験」に合格し、二回試験などを経て任官される必要があります。

このため、やや特殊な国家公務員といえるでしょう。

検察官にはいくつかの階級がありますが、このうち検事総長、次長検事、検事長は内閣が任免し、天皇が認証することと定められています。

ただし、公益の代表者として法令に定められた仕事をする点は、ほかの国家公務員と同様です。

検察官の勤務時間・休日・生活

基本の勤務時間はあるが、忙しく働く人が多い

検察官の勤務時間や休日は、国家公務員の就業規程で決められています。

1日の労働時間は7時間45分(週38時間45分)、休日は土日・祝日です。

始業時間と終業時間は、官庁の執務時間にサービスを提供できるよう各省各庁の長が定めることになっており、検察庁の始業時間はおおむね8:30~9:00に設定されているようです。

ただし、これはあくまでも基本の内容であり、実際の業務スケジュールは配属先や個々の担当業務などによっても変わってきます。

検察官は業務量が多いため日々忙しく働くことになり、定時で上がれる日はあまり多くありません。

休みも落ち着いている日は問題なく取れますが、被疑者の取り調べや捜査の状況によっては、休日出勤が必要になることがあります。

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検察官の求人・就職状況・需要

毎年定期的に新規採用が実施されている

検察官の新規採用は毎年行われています。

定年退職者など職場を離れる人も年度ごとに一定数いるため、安定した需要がある職種といえます。

なお、近年は女性検察官も増えており、毎年任官される検察官の3~4割を占めるようになってきました。

検察庁としても男女問わず働きやすい環境整備を進めることで検察官の数を増やし、人材不足の解消を図っているようです。

検察官になるまでの道のりは、司法試験の受験にはじまり、さらには司法修習、二回試験など多くのハードルを超えなくてはなりません。

二回試験を合格すれば検事採用試験で不合格になる確率はかなり低いといわれるため、そこまでモチベーションを保ち続け、熱心に勉強を続けていく姿勢が問われてきます。

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検察官の転職状況・未経験採用

転職は可能だが厳しい道のりになる

いったん民間企業へ就職した人などでも、検察官は条件さえ満たせば、転職によって目指すことも可能です。

しかし、その場合でも新卒者と同じように、司法試験の合格、司法修習の修了、二回試験の合格というステップを踏み、法曹資格を得たうえで検事採用試験を受けて合格する、という長い道のりを歩まなくてはなりません。

時間的にも費用的にも負担が大きくなりますし、司法試験の受験資格は「法科大学院修了後または予備試験合格後、5年以内が限度」と決められています。

こうした点にも気をつけながら、本当に厳しい勉強を乗り越える覚悟があるのか自分に問いかけて、計画的に転職計画を立てていく必要があります。

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検察官の階級

経験やキャリアに応じて階級が分かれている

検察官には、個々のランクや役割を定めた「階級」があり、大きく分けた場合には、下から副検事、検事、検事長、次長検事、検事総長の5つです。

司法試験に合格して、司法修習、二回試験、検事採用試験を経て任官された検察官は、下から2番目の「検事」の階級でスタートします。

その下の「副検事」として任官されるのは、「検察事務官」など別の職種で経験を積んでいった先に検察官になった人です。

なお、検察官のうち最も人数が多いのは検事であり、キャリアに応じてさらに細かく区分が分けられます。

1年目から5年目までの検事は教育期間として位置づけられており、1年目は「新任検事」、2~3年目は「新任明け検事」、4~5年目が「A庁検事」と呼ばれます。

その後は「シニア検事」「三席検事」「次席検事」「検事正」とステップアップしていきます。

ここまで階級を上げていくことはそう難しいものではありませんが、検事長以上の階級にいけるのは、ごくわずかです。

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検察官と弁護士の違い

検察官は国家公務員、弁護士は依頼人ありきで活躍する

「検察官」と「弁護士」は、どちらも司法試験に合格し、その後の司法修習や二回試験をクリアして法曹資格を得た、法律のプロフェッショナルです。

ただし、両者は活躍の場や役割、仕事内容が大きく異なります。

わかりやすい違いは、依頼人の有無でしょう。

検察官は国家公務員であり、公益の代表者として、事件の被疑者を起訴するか否かの権限をもちます。

一方、弁護士は依頼人あっての職業であり、依頼人の自由や財産などを守るために、法律を駆使して問題解決にあたることで報酬を得ています。

求められるスキルにも違いがあります。

被疑者の犯罪の真相を追求し、罪に応じた刑罰を求める検察官は、刑事訴訟法や刑法など刑事系法律の高度な知識に加え、調査能力が必要です。

対して弁護士は依頼人を守るのが第一の職務であり、量刑を軽くするための弁護能力が問われます。

民事事件を取り扱うこともあるため、より幅広い法律知識も求められてきます。

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