【2021年版】食品衛生監視員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「食品衛生監視員」とは

輸入食品の監視や検疫業務、飲食店で食中毒の調査等を行い、「食の安全・安心」を守る。

食品衛生監視員は、食品衛生法などの法令に基づき、「食の安全・安心」を守る仕事です。

働き方には2種類あり、国家公務員として検疫所で働く人と、地方公務員として各自治体の保健所等に勤務する人がいます。

輸入食品の監視業務から感染症の侵入を防ぐための検疫業務、さらには飲食店等食品に関わる施設の食品衛生のチェックなど、それぞれが専門性を生かして多岐に渡る業務をこなしています。

食品衛生監視員の資格は厚生労働省により認定される任用資格となっており、特定の大学等で学び、任用資格を得たうえで、公務員試験に合格する必要があります。

日本は多くの食材を海外に頼っているものの、検疫を行う食品衛生監視員の数はまだ少ないのが現状です。

今後、海外からの輸入食材が増えるにしたがって、国の検査体制を支える食品衛生監視員が不足すると懸念されています。

残留農薬問題やBSE問題など、食の安全・安心が脅かされる問題が国内外で頻発しているいま、その安全性を確保する食品衛生監視員の活躍への期待と需要はますます高まっています。

「食品衛生監視員」の仕事紹介

食品衛生監視員の仕事内容

検疫所や保健所で食の安心安全を守る仕事

食品衛生のプロフェッショナル

食品衛生監視員は、食品衛生法などの法令に基づき、食の安全を守る仕事です。

保健所がある自治体には、食品衛生監視員を必ず設置するきまりになっていて、私たちが口にする食品や食材を日々チェックしています。

日本に流通する食品は海外からの輸入品に依存しており、輸入食品なくして国民の食生活は成り立ちません。

「食品衛生のプロ」である食品衛生監視員が空港や港で食品の監視・指導をしているおかげで、私たちは安心して食事をとることができているのです。

また飲食店などから検査のために無償で食品などを収去することは、食品衛生監視員のみに認められた権限です。

食品衛生法に違反していた場合は、食品の販売禁止や改善命令などの行政処分を行うことができます。

厚生労働省検疫所と自治体の保健所での業務

食品衛生監視員は、国家公務員として厚生労働省検疫所で働く人と、地方公務員として各自治体の保健所等に勤務する人の2種類があります。

検疫所では、食品を海外から輸入する際にチェックをする輸入食品監視業務、病原菌や寄生虫、添加物などの検査業務、海外から訪れる船や飛行機、それに乗務している人への検疫業務などを行います。

保健所で働く食品衛生監視員の仕事は、飲食店など食品を扱う場所の許可事務、そうした施設に対する監視と指導が中心です。

また、食中毒などの調査、流通食品や加工食品の検査、食品に関する苦情や相談への対応なども行います。

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食品衛生監視員になるには

国家公務員と地方公務員の2種類の道がある

食品衛生監視員の任用資格を得る

食品衛生監視員は公務員として働き、国が管轄する検疫所で働く国家公務員と、自治体で運営する保健所に勤務する地方公務員の2つの道があります。

食品衛生監視員の資格は厚生労働省により認定される任用資格となっており、これを取得するためには、以下の条件が必要です。

1.厚生労働大臣の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において、所定の課程を修了した者

2.医師、歯科医師、薬剤師又は獣医師

3.大学又は専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業した者

4.栄養士で2年以上食品衛生行政に関する事務に従事した経験を有するもの

さらに、「21歳以上30歳未満」という年齢制限があるため、注意が必要です。

公務員として働くには

こうして資格を取得したあと、実際に食品衛生監視員として働くためには、公務員試験を受け、厚生労働大臣または都道府県知事から任命される必要があります。

国家公務員として食品衛生監視員になるのであれば、人事院が行う専門職試験である「食品衛生監視員採用試験」を受験する必要があります。

試験の最終合格者のなかから採用者が決定され、全国の主要な海・空港の検疫所などへ配置されます。

地方公務員として食品衛生監視員になるには、各都道府県の職員採用試験を受験する必要があります。

試験内容や採用条件は各都道府県によって異なり、採用後は各自治体の保健所など食品衛生に関する部局に配属されます。

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食品衛生監視員の学校・学費

専門的に学べる大学への進学が近道

食品衛生監視員になるためには、まず食品衛生監視員の資格を取得しなくてはなりません。

これから食品衛生監視員を目指す人には、専門的な知識が学べる学校に進学するのが一般的です。

食品衛生監視員の資格を得るための条件として

(1)大学や高等専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学または農芸化学の過程を修めて卒業すること(卒業見込みを含む)

(2)厚生労働大臣の登録を受けた食品衛生監視員の養成施設において所定の過程を修了すること(卒業見込みを含む)

と定められています。

大学や高等専門学校など、まずは食品衛生監視員の資格が得られる養成施設へ通うのが近道と言えるでしょう。

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食品衛生監視員の資格・試験の難易度

食品衛生監視員試験を受験する

食品衛生監視員試験の概要

食品衛生監視員になるには、食品衛生監視員試験を受験し、パスしなくてはなりません。

これは食品衛生監視員として任用されるために必要な国家公務員の専門職試験です。

1次試験は筆記試験で、公務員として必要な基礎的な能力(知能および知識)について出題されます。

2次試験は専門試験で記述式となり、食品衛生監視員として必要な専門的知識などについて出題されます。

合格すれば、晴れて国で指定する検疫所で働くことができます。

食品衛生監視員採用試験の受験資格は年齢によって若干異なるため、あらかじめ対象となっているかを調べておきましょう。

なお保健所で働く地方公務員の場合は、各都道府県の職員採用試験に合格しなければなりません。

食品衛生監視員試験の難易度

2020年度の申込者351名のうち、最終合格者は77名で、合格倍率は4.6倍、合格率は21.9%となりました。

難易度は「大卒程度」とされており、公務員試験のなかでは標準的なレベルといえますが、食品衛生に関する専門的な内容を問われるため、ほかの資格試験と比べると難易度は高いといえます。

食品衛生監視員採用試験は、幅広い分野の学習が必要となる「基礎能力試験」に加えて、専門的かつ配点比率の高い「専門試験」もあります。

合格までに1年から2年程度の準備期間が必要といわれており、試験に合格するにはまとまった時間をつくるなどの工夫が必要でしょう。

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食品衛生監視員の給料・年収

一般的な公務員と同程度の給料が保証される

国家公務員として働く場合の給料

国家公務員の食品衛生監視員の給料は、「一般職の職員の給与に関する法律」の規定に基づき、人事院が定める「専門行政職俸給表」に沿って計算されます。

これは国家公務員のなかでも専門性の高い仕事に就く人のための俸給表で、そのため一般的な国家公務員と比較して、やや高い給与水準となっています。

人事院の「令和2年国家公務員給与等実態調査」によると、食品衛生監視員を含む「専門行政職」の平均給与月額は、42.5歳で446,847円となっています。

東京都特別区内で勤務する食品衛生監視員の初任給には、地域手当を含めて219,360円、地域手当が支給されない地域へ採用された場合は、182,800円となっています。

地方公務員として働く場合の給料

地方公務員の食品衛生監視員の給料は、各自治体の条例で定める給料表に基づいて計算されますが、自治体によって基準となる給料表の適用範囲が異なる場合があります。

自治体によって食品衛生監視員を専任で行うケースもあれば、獣医師や薬剤師として採用された職員が食品衛生監視員を兼任しているケースもあり、自治体や採用区分などによって給料体系は異なります。

初任給が20万円前後であることが多く、専門職として採用されている場合は一般的な地方公務員より若干高めで推移していくことが多いです。

このほか、国家公務員、地方公務員ともに扶養手当やボーナスなどのさまざまな手当てがあり、他の公務員と同様に手厚い待遇が用意されています。

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食品衛生監視員の現状と将来性・今後の見通し

食に関する関心が高まるにつれ、食品衛生監視員の重要性が高まる

日本の食料自給率は低く、多くの食材を海外に頼っているにもかかわらず、検疫を行う食品衛生監視員の数は多くありませんし、職業としての認知度も高くありません。

今後、第一次産業離れや労働人口の減少からますます海外からの輸入食材が増えるにしたがって、国の検査体制を支える食品衛生監視員が不足するだろうといわれています。

食品衛生に関して学んだ専門知識や技術を、直接生かせる仕事はまだ多くはありません。

一方で令和3年からは、すべての食品等事業者において「HACCP」という厚生労働省の新たな衛生管理の取り組みがはじめられています。

食に関する関心が高まり、重要性が注目される中、今後ますます食品衛生監視員を目指す人が増えることが予想されます。

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食品衛生監視員の就職先・活躍の場

全国の保健所や検疫所がメイン

食品衛生監視員の勤務先は、全国の自治体に置かれている保健所や検疫所がメインとなります。

そのほかには、空港や港にある検疫所や検査センター、卸売市場などに設置されている検査所などで働いている食品衛生監視員もいます。

さらには厚生労働省や各都道府県等の本庁などで、食品衛生に関わる専門的な仕事をするという働き方もあります。

東京都福祉保健局によると、平成30年度時点では、全国の都道府県、政令指定都市、中核市、保健所設置市には約8,400人の食品衛生監視員がおり、厚生労働省(検疫所を含む)でも約400人が活躍しています。

また東京都で勤務する食品衛生監視員は325人、特別区、八王子市、町田市には合計して469人が勤めていると発表されています。

食品衛生監視員の1日

配属先によって勤務スケジュールはさまざま

食品衛生監視員は、厚生労働省が管轄する検疫所などに配属される国家公務員と、各自治体の保健所などに配属される地方公務員に分けられます。

それぞれの配属先によって業務内容は大きく違い、業務スケジュールもまちまちです。

国家公務員として空港の検疫所で勤務する場合は、交代制での勤務が基本となります。

地方公務員として勤務する場合は「8時30分から17時15分まで」という勤務時間が一般的ですが、卸売市場の検査場で勤務する場合や夜間営業の飲食店が多い地域で勤務する場合は勤務する時間帯が異なることもあります。

<保健所で働く食品衛生監視員の1日>

8:30 出勤・当日のスケジュール確認や検査の準備
10:00 収去検査
12:00 昼食
13:00 検体の搬送
15:00 電話や窓口での対応
16:00 事務作業
17:15 日報の作成・退勤

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食品衛生監視員のやりがい、楽しさ

専門知識を生かして働き、社会に必要とされる仕事

食品衛生監視員の仕事は、食品衛生に関する専門的な知識を持っている人にしかできない仕事です。

食品衛生に関する専門知識を直接生かせる職業は少ないため、自分が大学などで学んだ知識を直接仕事に生かすことができることは、大きな喜びです。

また、昨今「食の安心・安全」に注目が集まっていることから、食品衛生監視員の仕事の重要性も認知されつつあります。

自分のした仕事が直接、食の安心・安全につながり、「社会に必要とされている」ことを実感しながら仕事ができることは、働くうえで大きなやりがいになっていくでしょう。

また、食品衛生監視員は国家公務員や地方公務員として働くため、安定した身分で働けるというところも大きな魅力です。

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食品衛生監視員のつらいこと、大変なこと

多くの人に影響する責任の重い仕事

食品衛生監視員は、「検疫感染症の拡大を水際で防ぐ」という仕事をしています。

場合によっては、大量の食品を廃棄したり、店舗の営業を停止させたりしなければなりません。

もし検査内容や結果にミスがあれば、多くの人に甚大な被害を与えるほか、食中毒の拡大など重大な被害につながる可能性もあります。

その責任の重さを日々受け止めながら、仕事に向き合わっていく必要があります。

さらに、日々変化する輸入食品や、新しい病原菌など、さまざまな知識を学ばなければならず、勉強し続けなくてはなりません。

海外の食文化や日本で流行している食品の知識、法令の改正などについて、常に向上心をもって新しい情報を集め続ける必要があります。

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食品衛生監視員に向いている人・適性

「食の安全」に対する興味関心が強い人

食品衛生監視員は、多くの人々の食生活を守る「食品衛生のプロ」として活躍します。

食品に関する法律や食品の試験検査技術など、さまざまな知識や能力が必要とされるため、まずは「食の安全」に対する強い興味関心を持っていることが必須です。

「好きこそものの上手なれ」といわれるように、自分の仕事が好きで、わからないこと、知らないことを自ら積極的にどんどん勉強して知識を深めていく人こそ向いているでしょう。

また、食品衛生監視員は公務員のため、社会貢献に対する気持ちが強く、世の中の役に立つ仕事がしたいと思える人に適した仕事です。

「自分の持つ幅広い専門知識で、人々を守りたい」といった強い責任感がある人にこそ、向いている仕事だといえるでしょう。

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食品衛生監視員志望動機・目指すきっかけ

「食」に関わりたいという気持ちがきっかけ

食品衛生監視員を目指す人は、もともと「食」について興味・関心があったという人がほとんどです。

高校や大学で、生物化学や食品化学、農学などを学び、食品衛生監視員に興味を持つ人もいます。

食に関わる仕事はたくさんありますが、なかでも「食の安全」に直接的に関わることができるのは、食品衛生監視員ならではの魅力です。

社会のために、人々のために、身に付けた専門知識を広く生かしたいという気持ちを持って、この職業を志す人が多いようです。

食品衛生監視員は専門性が求められる仕事なだけに、面接では大学での専攻や研究分野について聞かれることも多いです。

自分がこれまで学んできたことと、これからの展望を併せて話せるようにしておきましょう。

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食品衛生監視員の雇用形態・働き方

全国の検疫所や保健所で公務員として働く

食品衛生監視員の活躍の場となる検疫所は、国により指定されていて、全国に13ヵ所の本所のほか、支所と出張所をあわせて100ヵ所以上あり、配属先は北海道から沖縄まで日本全国におよびます。

そのため、国家公務員となった場合は全国に異動があります。

2~3年で転勤となってしまうため、一定の地域に定住して働きたいという人は地方公務員での保健所勤務を選ぶ人が多いようです。

地方公務員の場合は、地域の保健所での勤務がメインとなり、大幅な異動はあまりありません。

そのほか、大きな空港や港に設置されている検疫所や検査センターで働いたり、都道府県等の本庁へ異動して、厚生労働省や関係自治体とともに食品衛生行政に関する業務を担当したりする人もいます。

食品衛生監視員の勤務時間・休日・生活

配属場所によって勤務体制が異なる

食品衛生監視員の勤務先は、国家公務員であれば全国の検疫所、地方公務員であれば都道府県の保健所、健康安全研究センターなどです。

一般的な勤務時間は「8時30分から17時15分まで」ですが、配属された職場によって勤務体制が異なる場合があり、交替制での勤務をとっている場所などもあります。

なかでも空港の検疫所は365日年中無休で稼働しているため、交代で勤務することが基本となります。

1日の勤務時間は、原則として他の公務員と同様7時間45分、1週間当たりでは38時間45分となっています。

休日は基本的には週休2日制ですが、空港の検疫所などの交代制勤務の職場では、曜日にかかわらず「4週8休」という形がとられることが多いです。

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食品衛生監視員の求人・就職状況・需要

国家公務員は例年70名程度が採用されている

食品衛生監視員は公務員のため、退職等による欠員、あるいは業務状況など全体のバランスを見ながら採用者数が毎年決められています。

例年、国家公務員の食品衛生監視員としては全国で約70名が採用されています。

食の安心・安全が注目される中、食品衛生監視員の重要性が見直されつつありますが、この数字が、今後急激に増減することは考えにくいでしょう。

地方公務員として働く場合は、自治体によって採用人数に大きな違いがあります。

自治体によっては毎年コンスタントに採用がない自治体もありますし、年によっても採用人数には波があり、狭き門となっているようです。

地方公務員として働きたい場合は、近隣地域など広い視野で採用情報を調べておく必要があります。

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食品衛生監視員の転職状況・未経験採用

ほとんどが新卒からのスタート

食品衛生監視員は公務員のため、ほとんどの人が新卒で就職することが多い職種です。

薬剤師や獣医師、管理栄養士などが転職のため資格を取得することはありますが、食品衛生監視員になるには基本的に「21歳以上30歳未満」という年齢制限が設けられています。

現状は若い世代のみに道が開かれている仕事であり、この年齢を過ぎると食品衛生監視員になることはできないため、できるだけ早いうちに進路を決定しておいた方が有利でしょう。

試験に合格した場合は、1年間有効である採用候補者名簿に得点順に記載されます。

この名簿の中から順次採用者が決定され、全国の主要な検疫所へ配置されます。