消防士の需要・現状と将来性

消防士の需要と現状

消防士の需要は、年々高まっているようです。

鉄筋コンクリート造の建物が増え、燃えやすい木造家屋が急激に減少し続けているにも関わらず、全国的に消防の出動件数は大きく減少することはなく、一部の消防署では人員不足となっているケースも見られます。

ベテラン消防士も、定年を迎えれば現場を離れることになるため、体力と熱意のある若い人材はつねに求められています。

また、消防士は火事に対処するだけでなく、台風による洪水・地すべりや、地震による家屋の倒壊などの災害が起こった際にも、真っ先に現地に向かわなくてはなりません。

消防士として経験を積んだうえで、救急救命士として活躍する人もいます。

実際、近年では地震や津波などの大規模な災害が頻繁に見られ、その度にレスキュー隊を始めとする消防隊員が現地に急行し、救命活動に当たっています。

「地震大国」といわれ、首都圏直下型地震や東南海地震などが懸念される今日の日本。

消防士の需要は全国的に高まっており、今後もこの状況は大きく変わらないといえるでしょう。

消防士の将来性

「消防士」「警察官」「医師」など、人間の生命活動や生活環境に関わる職業はいつの時代もなくなることがありません。

こうした職業は、世の中の好景気・不景気に関わらず仕事があるため、イメージ通りの安定した職業といえます。

他人にはない技術や知識で生計を立てることを「手に職をつける」といいますが、消防士などの仕事は、そうした意味では究極の「手に職」といえるでしょう。

また、自分の体や技能をフルに活用して人の命や財産を守ることは、ほかにはない達成感をやりがいを感じられるものです。

最近では「公務員削減」の流れもありますが、この先も、消防士が極端に削減されるとは考えにくいです。

それというのも、消防士が日ごろ行っている業務のほぼすべては消防士にしかできないものであり、担っている責任の重さや使命もひじょうに大きなものだからです。

多大なプレッシャーを背負い危険をともなう仕事だからこそ、手厚い待遇の下で働くことができるのです。

民間企業が軒並み苦しい現代社会のなかで、消防士は安定性と将来性のある職業のひとつだといえるでしょう。

消防士の今後の活躍の場

今後の消防士の活躍の場は、これまでと同様、人々が生活をする日本全国だといえます。

基本的には各エリア内での勤務となりますが、大規模災害時にはあちこちに出動して人命を救うこともありますし、レスキュー隊などの選抜部隊に入ると活動の幅はさらに広がります。

最近では、大きな自然災害が相次ぎ救急活動の需要が大きくなっていることから、救急救命士の資格取得を目指す消防士もさらに増えています。

また、時代とともに建物の高層化・複雑化も進み、より難しい案件に対応しなくてはならないケースも出てきています。

日ごろから訓練を重ね、最新鋭の資材・機材を扱える消防士が活躍できる場は、これまで以上に広がっていくといえるでしょう。