女性の市役所職員のキャリアパス・結婚後の生活

女性の市役所職員の現状

地域社会に貢献でき、長く安定して働ける市役所職員は女性にも人気の職業です。

総務省が平成28年におこなった調査によれば、政令指定都市における一般行政職の採用者の「41.6%」が女性となっています。

参考:総務省 地方公務員における女性活躍・働き方改革推進のためのガイドブック

このように女性の採用者が増えている一方、「課長相当職以上」の管理職に占める女性の割合は1割程度、「係長相当職」に占める女性の割合は3割程度にとどまっています。

「女性の管理職が少ない」といった多くの自治体が抱える課題の解消に向けて、今後さまざまな取り組みが期待されています。

女性の市役所職員の強み・弱み

市役所職員は市民と直接コミュニケーションをとる機会も多く、女性の持つ「やわらかい印象」や「親しみやすさ」は大きな強みとなるでしょう。

また、市役所に訪れる人のなかには男性職員には相談しづらい問題を抱えている場合もあり、そういった場面でも女性職員は欠かせない存在といえます。

一方で、市役所職員は配属先や時期によっては非常に忙しい日々が続くこともあり、体力面での厳しさを感じてしまうかもしれません。

「市役所職員だから定時に帰れる」というわけではありませんので、その点には注意が必要です。

市役所職員の結婚後の働き方・雇用形態

女性が長く働ける職場の必須条件のひとつに、仕事と出産・育児などのプライベートとのバランスを取りやすいこと、いわゆるワークライフバランスが優れていることが挙げられます。

その点では、市役所職員は有給休暇や出産・育児休暇、介護休暇、短時間勤務などの各種制度が整っており、結婚後も働き続けやすい職場だといえるでしょう。

とくに、公務員の育児休業期間は3年間まで取得することが可能であり、多くの民間企業では1年間となっている点と比べればかなり手厚い制度といえます。

子育てが大変な時期にゆとりを持って休業することができるので、育児を理由に退職する必要もありません。

市役所職員は子育てしながら働ける?

先ほど説明した育休期間の長さに加えて、その取得率も高い点が市役所職員の魅力です。

地方公務員を対象におこなわれた平成29年度の調査では、女性の育休取得率は「99.3%」と非常に高い割合となっています。

一方、民間企業における女性の育休取得率は「82.2%」という結果が出ており、この数値からも、市役所職員は育休取得がしやすい環境であることがわかるでしょう。

参考:厚生労働省 平成30年度雇用均等基本調査

育休取得率は職場のワークライフバランスの良さをはかるひとつの指標であり、女性の働きやすさに大きく影響する部分です。

市役所職員は、女性が仕事と子育てを両立することに対して理解を得られやすい仕事だといえるでしょう。

市役所職員は女性が一生働ける仕事?

市役所職員は公務員という立場であることから、ここまで説明してきた制度面に加えて、家族手当、通勤手当、住居手当などの各種手当も充実しています。

また、民間企業のように「景気の変動や個人の成績によるリストラ」なども基本的にはありません。

男性・女性に関係なく、長きにわたって活躍していける職業だといえるでしょう。

このような「働きやすさ」がある一方で、「女性管理職の登用」に関してはまだ十分とはいえない状況です。

その対策として、市役所によっては女性職員を対象としたキャリア形成支援研修を実施したり、女性職員の支えとなる指導者を置く「メンター制」を取り入れたりなど、さまざまな試みがおこなわれています。

今後はこういった取り組みがさらに広がっていくことが予想されています。