海上保安官の特殊救難隊とは? どんなスペシャリスト職がある?

海上保安官の特殊救難隊とは?

海上保安官の「特殊救難隊」とは、その名の通り、特殊な海難に対応するための救難隊で、通称「トッキュータイ」と呼ばれています。

漫画や映画で人気を博した「海猿」のモデルになっている部隊といえば、どのようなことをしているかイメージしやすい人も多いのではないでしょうか。

特殊救難隊は、転覆した船や火災で燃えている船、危険物を搭載している船など、特殊な状況下で人命救助を行うスペシャリスト集団です。

潜水技術もさることながら、ヘリコプターからの降下や吊り上げ救助などの高度なスキルと知識も保有しています。

特殊救難隊の基地は、東京・羽田の「羽田特殊救難基地」です。

1隊6人のチームが6隊あり、計36名によって特殊救難隊が構成され、全国各地の現場に航空機やヘリコプターで向かいます。

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特殊救難隊になるには

特殊救難隊は、希望すれば誰もが入れるわけではありません。

まずは一般の海上保安官として数年ほど現場で経験を積み、その上で本人の希望や適性、水泳能力や健康状態を見極めて「潜水士」の研修生に選抜されます。

潜水士自体、約120名しかいないため狭き門といえますが、特殊救難隊に入るにはそこからさらに選抜されます。

特殊救難隊は、海上保安官のなかでは、就くのが最も難しい専門職といえるでしょう。

特殊救難隊以外の海上保安官のスペシャリスト職

特殊救難隊以外にも、海上保安官には専門部隊が存在します。代表的なものを紹介します。

機動防除隊

機動防除隊は、海上災害防止のスペシャリストです。

具体的な業務内容の一部として、船舶事故などによって海上に流れ出た油や有害液体物質の除去や、海上火災の消火・防止の指導などが挙げられます。

事前に事故を防止し、起きてしまったことに対しては、被害を極力最小限に抑える措置を行うスペシャリスト集団です。

特別警備隊

特別警備隊は、海上警備を担うペシャリストです。

海上デモやテロ警戒、覚せい剤密輸の取り締まり、密航の摘発、核拡散防止のための臨検など危険な事案に対処します。

測量船の乗務員

測量船の乗務員は、海洋調査やそれに伴う機器整備を担当するスペシャリストです。

高度な専門知識とスキルを有した乗務員が海底地形の測量、海流・潮流観測、海洋汚染などの調査を専用船に乗船して行います。

化学分析のスペシャリスト

東京都立川市にある海上保安試験研究センターは、化学分析に関するプロフェッショナルが活躍しています。

海上保安業務に関する資材や海上犯罪の科学捜査に関する研究、海洋汚染のもととなる物資の分析などを担当します。

国際捜査官

国際捜査官は、ロシア語や中国語、韓国語といった外国語を駆使して、外国人犯罪の捜査を行います。

単に通訳をするだけでなく、時には自ら外国人の取り調べや立入検査も行うため、高い語学力が求められます。

海上保安官のなかから適性と希望によって選抜されたあと、研修を経て専攻した外国語を活用できる勤務先に配属されます。

鑑識官

鑑識官は、化学知識と技能を活用して犯罪捜査を行うスペシャリストです。

現場に残された指紋や血液、衣類といった証拠の科学分析を行い、犯人逮捕につながる証拠を見つけ出すことを職務とします。。

それだけでなく、遺体に不自然な点が見受けられた場合、死因や身元を明らかにするため検視なども職務に含まれています。

海上保安庁音楽隊

海上保安庁音楽隊は、音楽を通じて一般の人たちと交流するとともに、海上保安庁の広報活動効果を高め、海上保安官の士気を高めることを目的とする部隊です。

各種式典や定期演奏会、国家行事やイベントなどで演奏活動を行っています。

海上保安庁音楽隊の隊員は、通常本庁などで、ほかの隊員同様の職務を行いながら音楽隊の練習や演奏を行っています。