女性の国税専門官のキャリアパス・結婚後の生活

女性の国税専門官の現状

2021年度国税専門官採用試験の女性申込者割合は40.9%で、ここ何年も連続して右肩上がりです。(参考:2020年度は39.1%、2019年度は38.7%)

また、試験の女性合格者数は、20年度より298人増えて1.837人となり、5年連続の過去最高となっています。

最終合格者に占める女性の割合は43.8%(前年度39.4%)でした。

こういった傾向から、国税専門官を目指す女性は増え続けているといえます。

国税専門官が活躍する現場でも、全職員が「子育てと仕事の両立支援」の研修を繰り返し受講するなどしており、女性の働き方に対する意識も高くなっています。

女性にとって働きやすい制度・環境づくりも進んでおり、女性の志願者が増えるきっかけになっていると考えられます。

女性の国税専門官の強み・弱み

国税調査官の仕事では、細かなデータを確認して不正がないかを確認することが多くなります。

一般的に女性の方がきめ細やかな作業が得意といわれることが多く、細かなチェックが得意な人にとってはやりがいを感じやすいでしょう。

逆に女性だからこそ苦労する点は、納税者に「女性だから」と威圧的な態度を取られることがまだあるということです。

たとえば不正を疑って企業に調査へ行ったときに、女性だからと言って舐めた態度できちんと取り合ってくれないこともありますし、「担当者を男性に変えろ」などと言われることもあります。

また、国税専門官は男性・女性関係なく転勤があるため、場合によっては引っ越しをしなくてはいけない可能性もあります。

夫の仕事により家族での引っ越しが難しいのであれば、子どもと一緒に引っ越してワンオペ育児になる可能性は拭えません。

国税専門官の結婚後の働き方・雇用形態

国税専門官の仕事では、会計や税務の高い知識が要求されるため、知識を身につけるまでは大変です。

しかし、専門性を磨いていけば、女性にとって働きやすい環境といえるでしょう。

国家公務員として働くため有給制度もしっかりしていますし、産休や育休を取得して復帰する女性も多いです。

妊娠中には通勤緩和制度というものも用意されており、交通機関の混雑の程度が母体または胎児の健康維持に影響があると認められるときに、通勤ラッシュを避けることができます。

育休から復職してからも周囲の理解を得やすいため、子どもの病気などで休まなくてはいけないことがあっても、フォローを受けながら安心して働けます。

国税専門官は子育てしながら働ける?

繰り返しになりますが、国税専門官が活躍する職場では女性の働き方に非常に理解があるため、子育てをしながら働いている女性もたくさんいます。

たとえば、限られた時間内で仕事を完璧に終わらせるようにすれば、定時の17時を迎えたらすぐに帰ることができます。

また、昼休みを30分へ短縮して帰宅時間を30分早めるという働き方や、時間短縮制度も子育て期間中は利用できます。

テレワーカーとして在宅勤務をしている人もいます。

通勤をせず、子どもの体調などに合わせながら柔軟に仕事ができることも、育児と仕事を両立させていくうえでの安心材料になるでしょう。

国税専門官は女性が一生働ける仕事?

国税専門官の職場では、一般企業に比べても、結婚・出産を経てキャリアアップしていくために必要な制度の整備や、職場の理解が進んでいます。

子育て中は育児短時間勤務を使ったり、昼休憩短縮の制度を利用したりして子育てに重きを置いて仕事を行い、子育てが一段落したら仕事に集中して管理職となる女性も多いです。

もちろん、出世するためには実力が必要になりますが、子育てなどで仕事に重きを置けない期間があってもリカバリーできることはやりがいに繋がります。

本人の「働きたい」というしっかりとした意思があれば、ライフスタイルに合った働き方で、定年まで働ける仕事といえます。