食品衛生監視員に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

食品衛生監視員に向いている性格・適性

「食の安全」に対する興味が強い人

食品衛生監視員は、世の中の人々の食生活を守る「食品衛生のプロ」として活躍します。

仕事をするうえでは、食品に関する法律や食品の試験検査技術など、さまざまな知識や技術が必要とされるため、何よりも「食の安全」に対する強い興味関心を持っていることが不可欠だといえます。

近年は輸入食品が多様化し、正しい検査の根拠となる各種法令も状況により日々変化しているので、常に新しい情報を集め続ける必要があります。

「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、まずは自分の仕事を好きになり、わからないこと、知らないことを自ら積極的にどんどん勉強して知識を深めていく姿勢が求められます。

社会貢献の気持ちや責任感が強い人

食品衛生監視員は公務員であるため、国民全体や地域住民のために奉仕する精神が不可欠です。

社会貢献に対する気持ちが強く、公平性をもって仕事がしたいと思える人に適した仕事です。

また、昨今の日本ではさまざまな食の問題が取り上げられており、そこに直接的あるいは間接的に関わっていくこの職種は、とても重要な役割を担います。

「日本の食の安全は自分が守る」といった強い責任感がある人にこそ向いている仕事だといえます。

分析することに興味がある人

食品衛生監視員の仕事には、サンプリングした食品の検査や試験分析を行う業務もあります。

輸入食品・検疫検査センターでは高度な分析機器や特殊な機器を用いて、微生物による汚染がないか、残留農薬などの有毒有害物質が含まれていないかなどを検査し、分析を行います。

検査の結果、法違反の可能性が高いと判断された場合は、回収や輸入禁止などの措置を講じるなど、この業務は食の安全・安心を守るためにも重要なものとなります。

情報やデータを基に分析を行い、原因や課題などの答えを導き出すことに興味のある人、好きな人には向いている仕事といえます。

食品衛生監視員になるには

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食品衛生監視員に必要なスキル・能力

コミュニケーション能力

食品衛生監視員は、一見、机に向かっての仕事や検査ばかりしていると思われがちですが、輸入業者、飲食関係事業者など、人と接する機会も多々あります。

飲食店を利用したり、食品を購入したりした市民からの苦情を受けて対応することもあります。

その際には、関係する法令や専門用語などをわかりやすく説明したり、相手の立場や置かれている状況などを踏まえながら、食品衛生についての正しい知識を伝えることが必要となります。

会話の中から情報を引き出す洞察力や人とのコミュニケーション能力が求められます。

対応力

飲食店などの営業施設を巡回・監視をするうえで何か問題があった場合は、事業者に対して改善するように指導をします。

事業者にもいろいろなタイプがあり、なかには良好な関係を築けず、なかなか話を聞いてくれない人もいます。

そのようなときは相手の性格や状況に合わせて、話し方や指導の方法を変えることも必要になります。

食品衛生の大切さを理解して、最終的に指導を受け入れてもらうには、現場での対応力が重要になります。

また国家公務員として勤務する場合は、2~3年ごとの転勤があり、生活環境が頻繁に変わることもあります。

新しい環境にも柔軟に対応できれば、さまざまな勤務地で実務を経験でき、知識やスキルを高めていくこともできます。

的確な判断力

現在、食品の輸入量は年々増加し、それにともなって輸入監視業務の際に審査する輸入届出書などの書類も膨大な量になっています。

とくに東京検疫所では全国の輸入食品の約30%を取り扱い、輸入量・業務量ともに日本でもっとも多い状況です。

検疫所での検査は、製造方法が適合しているか、添加物の使用基準は適切であるか、有毒有害な物質が含まれていないか、衛生上の問題がある製造者ではないか、製造の方法が日本の国内法の規制を遵守しているかなど、多岐にわたります。

輸入業者のなかには輸入時の審査や検査に要する時間を早くするよう一方的に催促してくる人もいます。

このようなときは身につけた知識や経験を基に、スピーディに、かつ的確に判断する能力が求められます。

食品衛生監視員に向いていないのはどんな人?

食品衛生監視員の仕事は、飲食によって生じる危害の発生を未然に防ぎ、人々の食の安全・安心を陰で支えることです。

輸入業者や飲食店などの事業者、市民に対して、衛生意識を上げてもらい、食品衛生の大切さを理解してもらうことは、一見地味で、時間がかかることもあります。

道路や公園などの公共設備を作るのとは違い、食品衛生監視員の仕事の成果はわかりやすい形にはなりません。

目に見える結果を求める人には向いていない仕事といえます。