自衛隊の体育学校とは? 特別体育課程とは?

自衛隊の体育学校とは?

自衛隊のひとつの機関

大きな組織である自衛隊には、「体育学校」という機関が存在します。

あまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、自衛隊の体育学校とは、自衛隊員の体育指導に必要な知識や技能を習得させるための教育訓練を行うとともに、体育に関する調査研究を行うことを目的として、1961年に設置されました。

現在、この体育学校は陸上自衛隊朝霞駐屯地内に設置されており、陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊の共同の機関のひとつとして運営されています。

体育学校に対する指揮監督は、陸上自衛官の最高位である「陸上幕僚長」を通じて行われています。

オリンピック選手を多数輩出

世界的なスポーツの祭典であるオリンピック。

このオリンピックの出場選手たちは、全国の高校や大学、企業、そしてプロチームなどさまざまな組織に所属していますが、じつは自衛隊の体育学校からも多くのオリンピック選手が出ています。

体育学校からは、これまでに200人以上の選手を輩出し、20個のメダルを獲得しているといいます。

体育学校には、照明付きの全天候型400メートルトラックがある陸上競技場や、国内最大級のレスリング場、ボクシング上、柔道場、日本水泳連盟公認のプールなどがあり、自衛隊で唯一、馬も飼育されています。

そしてトレーニング施設も最新の設備を備えるなど充実しており、体を鍛え、オリンピックに向けたトレーニングをするにも最適な環境があります。

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自衛隊の体育学校に入るには

それでは、自衛隊の体育学校に入るにはどうすればよいのでしょうか。

まず重要なポイントとして、自衛隊体育学校に所属するのは、全員「自衛官」であるということです。

体育学校の学生になる方法は大きく2つあり、ひとつは自衛官候補生・一般曹候補生として部隊に配属され、選考に合格してアスリートになる方法です。

このケースでは、18歳以上33歳未満で、将来的に有望な資質があると判断されれば自衛官として合格となりますが、いきなり体育学校の学生になれるわけではありません。

まずは新隊員としての基礎教育を受け、2度の選考を受け合格することで体育学校の学生になることが可能です。

もうひとつは、大学院・大学・高校卒業者(卒業見込み者含む)のうち「体育特殊技能者」として採用される方法です。

後者は世界的に活躍できる資格がある者としてみなされ、非常に高いレベルの能力が求められるため、狭き門となっています。

体育特殊技能者として採用された場合、自衛官として入隊と同時に、体育学校の学生として指定されます。

特別体育課程学生とは?

自衛官アスリートとして認められた人のこと

自衛隊の体育学校で、自衛官アスリートとして認められた人は「特別体育課程学生」の身分が与えられます。

特別体育課程学生は「自衛官としてオリンピック等国際級の選手を育成する課程」とされており、自衛隊の体育学校にて、体育特殊技能者として合格になった人、もしくは一般曹候補生・自衛官候補生として採用されたうえで、2度の選考試験に合格した人が、なることができます。

特別体育課程学生は、完璧なサポート態勢を誇る最高のトレーニング環境のもと、己を磨き続けることが可能です。

特別体育課程にある競技(種目)は?

現在、特別体育課程に編成されている競技(種目)は以下の通りです。

レスリング、ボクシング、柔道、射撃(ライフル競技、ピストル競技)、アーチェリー、ウエイトリフティング、陸上(マラソン、競歩)、競泳、近代五種、カヌー(スプリント競技)、ラグビー(女子)

さらに冬季種目として、バイアスロン、クロスカントリースキー合計13種目です。

所属監督・コーチは各競技連盟・協会の強化委員、ナショナルチームコーチを兼任しており、全日本レベルの指導を受け、最新の情報を得ながらより高いレベルのアスリートを目指すことができます。