労働基準監督官になるには? 必要な資格はある?

労働基準監督官になるまでの道のり

労働基準監督官は国家公務員ですので、この職につくための代表的な道のりは「労働基準監督官採用試験」に合格することです。

「労働基準監督官採用試験」は毎年実施されており、2017年は478人、2018年は612人、2019年は573人が採用されています。

労働基準監督官は多種多様な事業場に立ち入り、賃金・労働時間や安全衛生などが法律に則って行われているかを調査するため文系的な知識に加え、理系的な知識も求められます。

そのため試験は「A(法文系)」と「B(理工系)」の区分に分けられていますが、どちらの区分で合格しても採用後の処遇に違いはありません。

労働基準監督官の資格・難易度

労働基準監督官として働くために特別な資格は必要ありません。

労働基準監督官採用試験の第1次試験、第2次試験に合格し、勤務を希望する都道府県労働局での採用面接に合格すれば採用となります。

2017年~2019年の合格率は14%程度となっており、難易度としては高い方に分類されるでしょう。

なお合格率14%程度は「労働基準監督A(法文系)」と「労働基準監督B(理工系)」合計の合格率で、参考までにそれぞれの合格率を紹介しますと、A(法文系)は約13%、B(理工系)は約21%です。

労働基準監督官採用試験の難易度・合格率・倍率

労働基準監督官になるための学校の種類

労働基準監督官採用試験の受験資格は以下の通りです。

1.受験年度の4月1日の時点の年齢が21歳以上30歳未満の者
2.受験年度の4月1日の時点の年齢が21歳未満の者で、次に掲げる者
(1)大学を卒業した者および受験年度の3月までに卒業する見込みのある者
(2)人事院が(1)と同等の資格があると認める者

このように、受験資格には学部などの制限はありませんが、大学を卒業することが最低条件といえます。

試験は労働基準監督A(法文系)と労働基準監督B(理工系)では共通している問題と、異なる問題があります。

<共通試験問題>
●公務員として必要な基礎的な能力試験
文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈など

●専門試験
労働法、労働事情(就業構造、労働需給、労働時間・賃金、労使関係)など

<異なる試験問題>
●労働基準監督A(法文系)の専門試験
憲法、行政法、民法、刑法、経済学、労働経済・社会保障、社会学

●労働基準監督B(理工系)の専門試験
工学に関する基礎(工学系に共通な基礎としての数学、物理、化学)
工学に関する専門基礎(機械系、電気系、土木系、建築系、衛生・環境系、応用化学系など)

労働法、労働事情といった労働に関する問題は当然共通ですが、それぞれの専門試験になるとかなり専門的な知識が必要になるため、該当分野の学部に通っていた人は有利かもしれません。

参考:厚生労働省 労働基準監督官採用試験

労働基準監督官に向いている人

コミュニケーション能力の高い人

労働基準監督官は労働者からの相談やヒアリング、事業主への説明や説得などを行うなど、多くの人と関わりながら仕事を行います。

上手に聞き出す能力や相手に合わせた説明の仕方、協力的ではない事業主への対応など、高いコミュニケーション能力が求められます。

何事も公平に判断できる人

労働基準監督官は労働者の権利を守るのが職務ですが、労働者に肩入れするという意味ではありません。

公平な立場で労働者と事業主の話を聞き、帳簿の確認や事業場の調査などを行わなければならず、労働者の話だけを聞いて劣悪な環境というイメージが先行してしまうと誤った判断を起こしかねません。

いい意味で感情をなくして事実のみを見極める冷静な判断力が必要です。

向上心のある人

労働基準監督官が相手にする業種は多種多様ですが、指導・監督する立場であるためその業界特有の知識も必要になります。

また労働基準法などの業務に関連する法律にも精通しなければならず、法改正が行われれば迅速に確認し、業務に対応しなければいけません。

常に知識を吸収する姿勢が必要なため、向上心のある人にも向いているでしょう。

労働基準監督官に向いている人・適性・必要なスキル

労働基準監督官に役立つ資格は?

労働基準監督官の中には、キャリアアップのために社会保険労務士の資格取得に向け、労働関連知識について勉強している人もいます。

公務員であるため、資格を取得したからといって特別な手当がつくというわけではありませんが、業務に役立てることができるより専門性の高い知識を身に着けるのに役立つ資格といえるでしょう。

労働基準監督官を目指せる年齢は?

受験年度の4月1日の時点の年齢が30歳未満の人までが労働基準監督官採用試験の受験資格があります。

つまり29歳までが労働基準監督官を目指せる限界となります。

中途採用などはあまり実施していないようですので、年齢の範囲内で労働基準監督官採用試験を受ける以外に道はないようです。

ただし資格取得など特別な条件はありませんので、やる気次第では社会人をしながら目指すこともできますし、社会人経験があるということはメリットになるかもしれません。

労働基準監督官は女性でもなれる?

全体的にはまだ男性の方が多いですが、当然ながら女性でも労働基準監督官になれます。

女性だからといって業務上不利になることはないので、男女の差がなく働ける職種です。

国家公務員全体でワークライフバランスに力を入れていますし、出産・育児休暇や復帰後の時短勤務制度など、各種制度もしっかりしているため子育てをしながら仕事を続けられる環境が整っています。

女性の労働基準監督官のキャリアパス・結婚後の生活