【2023年版】航空管制官採用試験の難易度・合格率・倍率

航空管制官の資格とは

航空管制官は国土交通省航空局の国家公務員という身分で働きますが、その仕事に就くために必要な国家資格や学歴はありません。

航空管制官になるには、まず航空管制官採用試験を受験し、合格して採用される必要があります。

航空管制官採用試験は、年齢制限などの応募資格をクリアし、日本国籍を持つ人であれば基本的には誰でも受験できます。

ただし、この採用試験では公務員として必要とされる基礎能力試験や適性検査などが行われるほか、英語力も問われるため、TOEICなどの英語の資格を持っておくと試験対策にもなるでしょう。

航空管制官として採用されてからは、所定の訓練を受け、業務上必要となる各種資格(技能認定)の取得を目指すことになります。

また、転勤によって別の空港や航空交通管制部へと勤務地が変わったときにも、また訓練を受けて試験に合格し、必要な資格を取得しなければなりません。

なぜなら、日本国内でも地域によって気象特性や周辺の地形が異なり、それに応じて必要な業務内容も違ってくるからです。

航空管制官になるには

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航空管制官採用試験の受験資格

航空管制官採用試験の受験するには、以下のいずれかを満たす必要があります。

(1)21歳未満で大学・短大・高等専門学校を卒業していること(見込み者含む)
(2)21歳以上30歳未満であること

学歴の基準はそこまで厳しいものではありませんが、30歳を超えると受験ができなくなってしまうことが特徴です。

このほか、以下のいずれかに該当する人は受験ができません。

(1)日本の国籍を有しない者
(2)国家公務員法第38条の規定により国家公務員となることができない者

航空管制官採用試験の難易度・勉強時間

航空管制官採用試験では、一般的な国家公務員試験の基礎能力試験に加え、航空管制官に求められる能力などを判断する独自の問題や英語が出題されることもあり、難易度はやや高めといわれています。

具体的には、基礎能力試験は国家公務員大卒レベルとされますが、判断数理や数的推理の問題に慣れて確実に解けるように対策しておくことが重要です。

適性試験では、航空管制官に必要な暗記力を図る試験となっており、事前に過去問題を解いてコツをつかんでおく必要があるでしょう。

そして、航空管制官採用試験で最も重要といわれるのが外国語試験です。

聞き取りから英文解釈・和文英訳・英文法など幅広く出題され、英語には時間をかけ、満点をねらうくらい力を入れて勉強をしておいたほうがよいでしょう。

英語以外は3ヵ月から半年程度の勉強期間で合格している人もいます。

大学などに通いながら、航空管制官採用試験の受験対策ができる民間の資格スクールなどへ通い(いわゆるダブルスクール)、準備をしている人もいるようです。

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航空管制官採用試験の受験者数・採用倍率

航空管制官採用試験申込者数の推移

航空管制官採用試験の申込者数は、近年横ばいにあります。2022年度の申込者は前年度より減少し808人となりました。

航空管制官採用試験申込者数の推移_2022

航空管制官採用試験合格倍率の推移

航空管制官採用試験の合格倍率は、2020年度に大幅に上昇していましたが、2022年度の倍率は前年度より大幅に下降9.5倍となっています。

航空管制官採用試験合格倍率の推移_2022

2022年度 航空管制官採用試験合格者男女比率

合格者における男女比は、男性50.6%、女性49.4%となっています。合格倍率を男女別で見た場合、男性10.5倍に対して、女性は8.5倍であり、女性のほうが倍率が低い状況になっています。

航空管制官合格者男女比率_2022

2023年度 航空管制官採用試験の概要

試験日 ・第1次試験:2023年6月4日(日)
・第2次試験:2023年7月5日(水)
・第3次試験:2023年8月24日(木)・8月25日(金)
試験地

第1次試験

札幌市、岩沼市、東京都、新潟市、常滑市、泉佐野市、広島市、松山市、福岡市、宮崎市、那覇市

第2次試験

札幌市、東京都、泉佐野市、福岡市、那覇市

第3次試験

泉佐野市

受験資格 (1)1993年4月2日から2002年4月1日までに生まれた者
(2)2002年4月2日以降に生まれた者で次に掲げるもの
(ア)大学を卒業した者及び2024年3月までに大学を卒業する見込みの
者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
(イ)短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2024年3月までに短
期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者※次のいずれかに該当する者は不合格となります。
<航空管制官>
○矯正眼鏡等の使用の有無を問わず、視力が次のいずれかに該当する者
・どちらか一眼でも0.7に満たない者
・両目で1.0に満たない者
・どちらか一眼でも、80センチメートルの視距離で、
近距離視力表(30センチメートル視力用)の0.2の視標を判読できない者
・どちらか一眼でも、30~50センチメートルの視距離で、
近距離視力表(30センチメートル視力用)の0.5の視標を判読できない者
○色覚に異常のある者
○片耳でも、次のいずれかの失聴がある者
・3,000ヘルツで50デシベル以上
・2,000ヘルツで35デシベル以上
・1,000ヘルツで35デシベル以上
・ 500ヘルツで35デシベル以上
○その他航空管制業務遂行上支障のある者
試験科目

第1次試験

<基礎能力試験(多肢選択式)>
公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験
○知能分野27題
[ 文章理解(11題)、判断推理(8題)、数的推理(5題)、資料解釈(3題) ]
○知識分野13題
[ 自然・人文・社会(13題)(時事を含む。) ]
<適性試験Ⅰ部(多肢選択式)>
航空管制官として必要な記憶力、空間把握力についての筆記試験
○記憶についての検査
(示された図や記号、数値などを記憶するもの)(15題)
○空間関係についての検査
(空間的な方向や移動などの状態を判断するもの)(45題)
<外国語試験(聞き取り)>
英語のヒアリング(10題)
<外国語試験(多肢選択式)>
英文解釈、和文英訳、英文法についての筆記試験(30題)

第2次試験

<外国語試験(面接) >
英会話
<人物試験>
人柄、対人的能力などについての個別面接

第3次試験

<適性試験Ⅱ部>
航空管制官として必要な記憶力、空間把握力についての航空管制業務シミュレーションによる試験
<身体検査>
主として胸部疾患(胸部エックス線撮影を含む)、血圧、尿、その他一般内科系検査
<身体測定>
視力、色覚、聴力についての測定

合格発表 ・第1次試験:2023年6月27日(火)
・第2次試験:2023年8月15日(火)
・第3次試験:2023年10月2日(月)
採用予定人数 約85人(2023年度)
最終合格者数 85人(2022年度)
合格倍率 9.5倍(2022年度)
詳細情報 国土交通省 航空保安大学校