裁判官の服やバッジにはどんな意味がある?
裁判官の着ている法服の歴史
裁判官が法廷で着ている黒色の服は「法服」と呼ばれるものです。
法服は裁判官だけでなく、裁判所書記官、検察官、弁護士など、法廷に立ち合う法曹関係者と裁判所職員は着用しなければならないと決められています。
法服の制度は、明治政府の時代に生まれました。
それ以前の法廷では判事・検事の服装もまちまちだったそうです。
そこで、日本でも法廷で着用する制服を導入することを初代司法大臣の山田顕義が提案したのが法服の始まりです。
ヨーロッパ諸国で古くから使われてきたガウン型の法服を参考にした法服となりました。
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法服が黒色の理由
法服の色は、大審院(戦前の最高裁判所)の時代から黒色と決められています。
黒色とされた理由ですが、「黒色はほかの色に染まることはない」という意味で、公正さを象徴する色として最適であると考えられたためといわれています。
厳粛に、秩序正しく手続きが進められなければならない裁判において、「人を裁く者の職責の厳しさ」を象徴するものとして、法廷に参加する法曹関係者や職員には着用が義務付けられています。
なお、法服には男性用と女性用の2種類があり、女性用の法服にはリボンを付ける場合もあります。
裁判員の服装
裁判員制度において、裁判員として選ばれた国民の服装に決まりはあるのでしょうか。
法曹関係者や裁判所職員は法服を着用しなければなりませんが、裁判員の服装はとくに決まりはありません。
基本的には自由な服装で参加することができますが、たとえば露出度の高い服装であったり、目立ちすぎる服装は避けたほうが無難といえます。
その裁判の当事者の心境を考え、不快な思いをさせないように配慮し、落ち着いた服装を選ぶとよいでしょう。
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裁判官のバッジの意味
続いて、裁判官の付けているバッジについて見ていきましょう。
裁判官のバッチは裁判官だけが付けているわけではなく、裁判所職員の人が付けているバッチです。
裁判所職員のバッジは「八咫の鏡(やたのかがみ)」をかたちどっており、中心には裁判所の「裁」の字を浮かした形となっています。
八咫の鏡とは、日本神話における「三種の神器」の一つであり、鏡がはっきりと曇りなく真実を映し出すことから、裁判の公正を象徴するものとされているそうです。
ちなみに、検察官と弁護士が付けているバッジにもそれぞれ意味があります。
まず、検察官のバッジには、紅色の朝日に菊の白い花びら、金色の葉があしらわれています。
その形が霜と日差しの組合せに似ていることから、検事の厳正な職務内容とその理想像が重なり合い、「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)のバッジ」と呼ばれています。
「秋霜烈日」とは、秋の冷たい霜や夏の厳しい日差しという意味から、刑罰の厳しさをたとえる言葉として用いられています。
また、弁護士のバッジには、外側にひまわり、中央には秤(はかり)がデザインされています。
ひまわりは自由と正義を意味し、秤は公正と平等を追い求めることを意味しています。