消防士の勤務先・転勤はある?

消防士の勤務先は?

全国各地の消防本部と消防署に勤務する

消防士の勤務先は、全国各地の消防本部や消防署となります。

平成30年4月1日現在、全国には728の消防本部と1,719の消防署があり、各消防本部や消防署で計16万人以上の消防士たちが活躍しています。

消防士は各自治体での採用が行われており、採用された管轄の消防本部もしくは消防署で働くことになります。

若手のうちはおもに消防署に勤め、火災や事故などの災害現場で消火活動や救急活動にあたります。

また、災害現場や消防署以外でも、学校などで消火器の使用方法や応急手当の方法を指導したり、オフィスや商業施設でスプリンクラーやシャッターなどの防火設備の検査をすることもあります。

しかし、ある程度のキャリアを積んで相応の役職に就き、一方で体力が衰えてくると、消防本部などでデスクワークを担うことが多くなり、現場に出る機会は減っていくのが一般的です。

消防本部と消防署の違いは?

消防本部や消防署は、消防事務に従事する職員が所属する常設の消防機関です。

消防本部は、市町の消防事務を統括する機関で、おもに人事や予算、消防の企画立案等の事務を行っています。

一方、消防署は消防活動の第一線の活動部隊としての役割を果たし、火災や災害、救急救助活動に出動するとともに、火災予防活動に従事します。

消防に関する取り決めがされている「消防組織法」では、「市町村はその区域における消防を十分に果たす責任を有する」と規定されています。

また、同法第9条では、市町村の消防機関として消防本部、消防署、消防団の全部または一部を設けなければならないとも定められています。

消防士の仕事内容

消防士に異動や転勤はある?

管轄地域内での異動はある

消防士は、基本的に自治体(市町村単位)での採用であり、地方公務員として働きます。

配置換えによって担当業務が変わったり、別の消防署へ職場が移ることはありますが、管轄の地域以外への転勤はありません。

国家公務員のように、全国のあちこちへ転勤になることはないと考えておいてよいでしょう。

ただし、大きな消防本部で多数の市町村を管轄しているところでは、比較的遠方への転勤になる可能性もあります。

とくに最近では「消防の広域化」が進んでおり、複数の自治体で消防を運営する傾向が強くなっていることから、転勤範囲が広がり、以前よりも離れた場所へ転勤となるケースも増えているようです。

また、東京都では東京消防庁が東京都内のほぼ全域(島しょ地域と多摩地域の一部を除いたもの)を管轄していることから、他の自治体に比べると離れた場所へ勤務先が移ることが多くなっています。

異動や転勤の頻度はその時々によって異なり、半年から1年で別の職場へ移る人もいるようです。

このほか、各都道府県の消防学校へ出向を命じられる消防士もいます。