公務員試験とは? 種類や難易度を解説

公務員試験とは?

公務員になるために受験必須

公務員になるためには、必ず「公務員試験」を受験しなくてはなりません。

この公務員試験は、民間で行われている資格試験や国家試験とは異なり、公務員になるにふさわしい人を選考するための試験です。

国民全体のために働く公務員は、「公平公正に採用を決めなくてはならない」ということが定められており、コネなどではなく、誰もが公務員試験を受けて合格、採用を目指す必要があります。

現在、国家公務員地方公務員ともに、職種や職務などによって、たくさんの種類の試験が実施されています。

試験によって年齢などの受験資格が異なりますが、さまざまな学歴の人が受験できるものとなっています。

また、公務員試験は無料で行われており、日程が重ならなければ併願をして、複数の試験を受験することも可能です。

公務員試験の内容はどんなもの?

ひとことで公務員試験といってもさまざまではありますが、多くの試験は「筆記試験」や「人物試験(面接)」などを中心に成り立っています。

筆記試験の教養試験(基礎能力試験)では、中学・高校までに習ってきた一般知識を中心に出題されます。

時事問題の出題もあり、きちんと世の中の動きに興味を持ち、真面目に勉強を行ってきたかどうかが問われます。

一般知能に関する問題では、文章理解や数的推理、資料解釈などを通じて、読解力や論理的思考力、ひらめき、といったものが判断されます。

また、一部の試験では専門試験も行われます。

専門試験では、受験する区分により出題される科目が異なり、行政(事務)区分では法律や経済を中心に、人間科学系区分では心理学や社会福祉を中心に、そして技術系区分では建築や機械などに関する専門知識が問われます。

多肢選択式と記述式の試験があり、受験区分に応じた勉強をしておく必要があります。

独自色の強い試験を実施する自治体も

最近では、教養試験を行わず、面接試験や小論文、プレゼンテーションのみで選考を行う自治体も出てきています。

この背景には、高い志と熱意を持ち、日本や地域を代表する立場にふさわしい人材を集めるために、より受験生一人ひとりの人柄や考え方が見える試験を行いたいという思いがあるようです。

従来の教養試験を行う自治体等であっても、人物重視の傾向は強まっていますので、今後はますます筆記試験以外の対策にも力を入れていく必要があります。

公務員になるためにはどんな大学・学部に行けばいい? 学歴は必要?

公務員試験の種類と難易度

国家公務員試験にはたくさんの種類がありますが、代表的なものを紹介します。

国家公務員試験

総合職試験(大卒程度・院卒者)

行政府で働く職員のうち、政策の企画・立案や高度な知識、技術を必要とされる仕事をする職員を募集する試験です。

いわゆる「キャリア」や「官僚」といわれる人は、この総合職試験を受験し、採用されています。

公務員のなかでも最難関の試験といわれ、難関大学の学生でも、試験に向けて継続的な勉強が不可欠とされています。

一般職試験(大卒程度・高卒者・社会人)

行政府で働く職員のうち、事務処理などの定型的な業務を担当する職員を募集する試験です。

「大卒程度試験」や「高卒程度試験」があり、採用された管区内の本局または地方事務所を中心に勤務します。

採用予定がある場合のみ、「社会人試験[係員級]」も実施されます。

国家一般職(大卒程度)試験は、地方公務員の都道府県の試験とほぼ同等の難易度といわれることもありますが、国家一般職では「官庁訪問」があり、志望の府省の面接を経て内定をもらわなくてはなりません。

専門職試験(大卒程度・高卒程度)

国家公務員のなかでも、特殊で高度な専門性が求められる仕事に就くための試験です。

大卒程度レベルでは、「国税専門官」「財務専門官」「労働基準監督官」「食品衛生監視員」「皇宮護衛官」「法務省専門職員(人間科学)」「外務省専門職員」「航空管制官」の各職種において、専門職試験が行われています。

それぞれの試験で、受験資格や試験科目に違いがあります。

国家公務員の仕事

地方公務員試験

地方上級・地方中級・地方初級

上級は大卒程度レベル、中級は短大卒程度レベル、初級は高卒程度レベルの試験です。

都道府県や政令指定都市、特別区などで行われています。

自治体によって「1類」「2類」「3類」などのように呼び方が異なる場合もあります。

これらの試験は学歴要件を示しているわけではないので、年齢などの応募条件を満たしていれば、たとえば上級を高卒者が受けることも可能です。

ただし、自治体によっては学歴制限を設けており、たとえば初級と中級は大卒者が受けられないようにしているなどのケースもあります。

地方公務員の仕事

市役所上級・市役所初級

地方公務員試験のうち、政令指定都市を除く一般の市で実施される試験です。

上級は大卒程度、初級は高卒程度の難易度となっています。

市役所の試験内容は自治体によって大きく違いがあり、一つの区分でのみ試験を行う場合や、初級でも短大卒・大卒程度の人が受験できる場合もあります。

また、定期的な採用を行わない自治体もあります。

市役所職員の仕事

警察官

警察官の採用試験は、都道府県ごとに実施されます。

大卒程度と高卒程度の2種類の試験があり、職務の特性上、男性と女性の試験は別々に行われます。

年齢制限のほか、身長・体重・視力などの身体基準が設けられている自治体もあり、体力検査が行われることも特徴的です。

警察官の仕事

消防士

消防士の試験は、基本的には市町村ごとに実施されます(ただし、東京都の場合は東京消防庁が一部地域を除き、一括して採用試験を行います)。

市役所の試験の一部として実施する自治体が多く、毎年採用試験を行わない自治体もあります。

警察官と同様、身体基準や体力検査が行われることが多いです。

消防士の仕事

資格免許職

看護師栄養士保健師、教員、学芸員社会福祉士など、特別な資格・免許を必要とする職種に就くための試験です。

大学などで養成課程を修了し、資格・免許を取得(あるいは取得見込み)する必要があります。

そのうえで、各職種に対応する公務員試験を受けることで、専門的な仕事に就くことができます。