刑務官の訓練ではどんなことをする?

武道(柔道・剣道)

刑務所内では受刑者同士が衝突することもあるため、そういった有事に対応できるよう、刑務官は武道の習得が必須となります。

武道は柔道か剣道のどちらかを選択し、任官後も定期的に訓練をおこなっていく必要があります。

全国の刑務官を対象にした武道大会も開催されていますが、武道の訓練自体は未経験者がまったくできないような厳しいものではありません。

柔道や剣道の有段者や、「武道拝命」の枠で採用された刑務官については、刑務官に柔道・剣道を教える指導官としての活躍も期待されています。

矯正護身術

「矯正護身術」はいわゆる逮捕術に通じるもので、刑務官が受刑者の暴力から自らの身を守り、相手に必要以上のダメージを与えないように制圧するためのものです。

矯正護身術は刑務官および法務教官のために考案されたもので、教範は法務省が作成しています。

この訓練は任官後から退職するまで継続しておこなわれるもので、「初級・中級・上級」と矯正護身術に関する検定試験も存在しています。

戒具の使用方法

「戒具」とは、相手の身体を拘束して自由を奪う道具のことです。

手錠や捕縄、鎮静衣、防声具などがこれにあたり、施設内での暴動や逃亡行為、刑務官への暴力などを鎮圧するために使われます。

それ以外にも、精神的なストレスからなりふり構わず暴れ出し周囲に被害を及ぼす受刑者もいるため、そういった受刑者を一時的に拘束するケースも出てきます。

さまざまな脅威から刑務所内の治安を守るために、刑務官は戒具の正しい使い方を習得しておかなければなりません。

射撃の実技

射撃の実技訓練もあり、これは迅速な鎮圧を要するような非常事態に備えるためにおこなわれているものです。

訓練は、警察と同じく実弾を使ったものとなります。

なお、刑務官は通常時は拳銃を携帯しておらず、非常時に携帯が必要とみなされた場合のみ装備します。

集団行動の訓練

施設内で事件が発生した際には、機動隊や警察と同じように、警棒や防具を装備して集団で鎮圧や警戒行動をおこなう場面もあります。

そのため、刑務官個人としてではなく、組織のなかで円滑な集団行動ができるようになるための訓練もおこなわれます。

訓練を通して、号令や呼びかけ、挨拶の仕方といった部分も含めて「刑務官としてふさわしい立ち居振る舞い」を身につけることが求められます。

その他の訓練

そのほか、水泳やマラソン、遠距離行軍などの一般的な体育訓練から、山登りや野外でのローテーション活動、いざという時の人工呼吸や応急処置などの救護活動訓練もあります。

上記以外にも、刑務所の中で火災が発生した場合に備える消防訓練や、受刑者をコントロールするための集団の動かし方の訓練など、さまざまな訓練が用意されています。

刑務官は自衛隊や警察と同じく「保安・警備」がおもな役割となるため、あらゆる自体に対応できるよう日々実践的な訓練を積んでいます。