獣医師の働き方の種類・勤務形態

獣医師の雇用形態

獣医師の雇用形態は、大きく分けると以下の5つにまとめられます。

・正社員
・派遣
・アルバイト・パート
・フリーランス
・副業・在宅

獣医師免許は誰もが簡単に取れるものではなく、また専門職であることから、正社員としての求人は多いです。

正社員では多くの人が動物病院への勤務を選択しますが、ほかにも公務員、一般企業などに勤めることができます。

派遣やアルバイト・パートの獣医師は、勤務時間や週当たりの稼働日数などの相談に応じてくれる職場が多いため、子育てと両立しながら活躍する獣医師がたくさんいます。

フリーランスでは、独立・開業して自分の動物病院を開院する獣医師もいますし、一つの動物病院に所属せずに複数の動物病院と提携し、それぞれの病院で診療を行う獣医師もいます。

フリーランスになるとボーナスや有給休暇はありませんが、働く日数や休みを好きなように組めるのがメリットでしょう。

さらに副業・在宅の獣医師は、子育て中で外に出るのが難しい人や、さらに給与アップを狙う人が活躍しています。

獣医師の知識を生かして、動物病院や動物関連のメディアで記事の執筆を行ったり、専門家として相談にのったりと、さまざまな仕事をしています。

このように獣医師の雇用形態・働き方は多岐にわたります。

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正社員の獣医師

正社員の獣医師の仕事内容は、職種によって大きく異なります。

たとえば動物病院の獣医師の場合は、ペットの診療を行い、犬や猫だけでなくウサギやハムスターなど、多くの動物を総合的に診察するのが仕事です。

公務員として働くのであれば、食品や動物などの病原菌などを検査したり、狂犬病予防をしたりと公衆衛生の分野で活躍しています。

ほかにも動物園や水族館、競馬の関連施設、家畜診療所など獣医師が活躍できる施設や職場はさまざまで、その職場によって仕事内容が大きく異なるのが特徴です。

安定した収入を得ながら幅広い知識や技術を身につけることができるため、常に自分を高めることが可能でしょう。

とくに公務員は休暇制度などが整えられているため、家事や育児と両立しながら働き続けやすいのも魅力です。

一方デメリットは、忙しい職場の場合、かなり激務であることが予想されることでしょう。

とくに多くの人が目指す動物病院の獣医師は、休診日以外はシフト制で、早番や遅番が入ったり、休みは不定期になったりすることもあります。

職場によっては夜勤も入るなどハードワークになりがちなため、今のうちに体力をつけておくとよいでしょう。

給料は、動物病院の場合は初任給が23万円前後、院長クラスでは35万円ほどが一般的です。

地方公務員は手厚い待遇が受けられる反面、民間企業よりも給与水準が低いケースもあります。

平成30年賃金構造基本統計調査によると、獣医師の男女の平均月収が42万円、ボーナスが86万円、年収が585万円となっています。

派遣の獣医師

派遣の仕事内容は、派遣先によってさまざまです。

動物病院で働く場合には、動物病院で必要な獣医師業務全般を行うことになりますし、研究施設では実験動物の管理や飼育業務、研究補助などを行うことになるでしょう。

派遣で働くメリットは、希望の仕事内容や職場を選べること、そして週何日勤務したいのか、1日何時間働きたいのかなど、ライフスタイルに合わせてムリなく働けることです。

正社員で長時間勤務をすることが難しい人も、派遣なら家事や育児とも両立しながら活躍することも可能でしょう。

デメリットは、あらかじめ契約年数が決まっているため、気に入った職場でも勤め続けられる保証がないことです。

またほとんどの場合、ボーナスや退職金がなく、契約終了になれば次の仕事を探さなければいけません。

そのため正社員に比べて安定感がなく、将来に不安を感じてしまう人もいるでしょう。

給料は時給制で1,600円〜2,400円ほどと、職場によって給与設定も幅広いようです。

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アルバイト・パートの獣医師

アルバイト・パートの獣医師の仕事は、動物病院で募集されていることが多いです。

仕事内容は動物病院での犬猫を中心とした小動物の診療、治療、手術、入院管理などを行います。

この働き方のメリットは、1日3時間だけ働きたいなど勤務時間や、働く曜日をライフスタイルに合わせて相談しやすいことです。

職場によっては子育て中の主婦が多数在籍していて、急に仕事を抜けるときもフォロー体制が整っていたり、そもそも求人募集の時点から柔軟に対応できる内容が記載してある場合があります。

育児をしながら短時間だけでも働きたい人や、一度出産や育児でブランクがあいてしまった人でも、家庭と両立しながら働きやすいのが魅力でしょう。

デメリットとしては、収入が安定しないことが挙げられます。

シフトに入れなければその分、収入が減ってしまうため、正社員のように一定の給料を見込むのは難しいかもしれません。

また正社員のように福利厚生や手当が受けられないことが多いことも、デメリットといえます。

給料は地域や職場によっても異なりますが、時給1,600円〜2,200円ほどが一般的のようです。

フリーランスの獣医師

知識や技術を十分に身につけてから、フリーランスとして独立・開業する獣医師もいます。

フリーランスとして活動する獣医師は、動物病院で診療する臨床獣医師が多く、自分で動物病院を開業するケースは珍しくありません。

また特定の動物病院に所属せずに、複数の動物病院と提携して診療業務を行う人もいます。

複数の病院で診察する場合は、契約内容によっても異なりますが、動物病院で一般的に行う診療が求められます。

メリットは正社員のときよりも、自分が希望する働き方を実現し、待遇面がよくなったり、理想とする診療を行えることがでしょう。

複数の病院で診察する場合には、シフトを自分で組めるため、休みを1ヵ月に10日に設定したり、大型連休を作ることもできます。

デメリットは正社員として働いていたときよりも忙しくなったり、精神的に苦労する人もいるようです。

とくに動物病院を開業する場合は、専門知識や技術が求められる上に、地域間競争も激しいため、高いサービスとホスピタリティを提供できる地域密着型の愛される病院づくりが不可欠です。

給料は正社員時代よりも上がった獣医師も多く、開業で成功した場合、年収何千万円という大きな収入を得ることもできます。

ただし、開業して患者さんが少ないと赤字経営になり、廃業に追い込まれる可能性もあるため、しっかりと準備をしてからフリーランスに転身するのがおすすめです。

副業・在宅の獣医師

副業・在宅の獣医師の仕事内容は、人によってさまざまです。

たとえば、獣医師の知識を生かして動物病院やペット関連のWebサイトの記事を執筆したり、専門家としてペットの飼い主からの電話相談やメール相談などに回答することを行ったりする人もいます。

なかには講演会を行ったり、メディア出演、取材などを受ける人もおり、活躍の場は幅広いといえるでしょう。

この働き方のメリットは、働く場所や時間の融通がききやすいことです。

電話相談をする場合にはシフト勤務になることがほとんどですが、記事の執筆なら空いている時間に作業すればよいため、朝早くても夜遅くても、自分の取れる時間で作業できれば問題ありません。

また副業によってさらに収入アップを狙いたい人は、スキマ時間を生かして働けるのも魅力でしょう。

執筆の仕事などであれば場所を問わないため、海外在住の人でも働けるのもメリットです。

一方デメリットは、副業・在宅の働き方がまだまだ選択肢が少ない点にあります。

子育て中の獣医師をたくさん抱える動物病院では、在宅勤務を積極的に取り入れている場合もありますが、求人情報などを見てみても選べる仕事はさほど多くありません。