【2021年版】MRとは? 仕事・なり方・年収・資格などを解説

「MR」とは

医薬品メーカーに所属し、医薬品に関する効能や副作用などの最新情報を病院に提供する。

MR(Medical Representatives)は、日本語で「医薬情報担当者」を意味し、医薬品のスペシャリストとして病院などの医療現場に情報を提供する仕事です。

MRの多くは、製薬会社もしくは「CSO(医薬品販売業務受託機関)」という機関に勤務し、担当する医療機関に自社で取り扱う医薬品の情報を伝えます。

同時に、医師や看護師などと信頼関係を築くなかで、医療現場から医薬品の副作用に関する情報や、医薬品の使用状況を吸い上げる役割も担います。

国家資格が必要とされる職業ではありませんが、大手製薬会社のほとんどで「大卒以上」の学歴を求めます。

営業的な要素もある成果主義の仕事であるため、個人の売上実績に応じてインセンティブがつく企業も多く、年収1000万円以上を得ることも可能です。

「MR」の仕事紹介

MRの仕事内容

医薬品に関する情報を医療現場に提供

MR(Medical Representatives)は、日本語で「医薬情報担当者」を意味し、医薬品のスペシャリストとして医療現場に情報を提供する仕事です。

MRは製薬会社などに所属し、自社で取り扱う錠剤や粉薬のような内服薬から軟膏などの外用薬、注射液や点滴で使う輸液など、あらゆる医薬品の知識や情報を持っています。

そして、医師や看護師に副作用や適応症に関する正しい情報を伝え、適正に使用してもらえるように促します。

同時に、医療現場からは副作用などに関する情報を吸い上げ、自社に報告することで、医薬品による被害を最小限に抑える役割も担っています。

営業職としての役割も担う

もうひとつMRの重要な役割として、自社の医薬品を医療現場へ提案し、販売をすることが挙げられます。

そうした観点では、MRは製薬会社における「営業職」とも位置付けられています。

しかし、ただモノを売ればよいわけではなく、医師など医療の専門的な知識をもつ相手と商談するために、医薬品の情報をきちんと身につける必要があります。

学会や勉強会、講習会などに積極的に参加して、医療情報や医薬品情報の勉強を続けているMRは少なくありません。

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MRになるには

製薬会社の就職試験を受けるのが一般的

MRとして働くために、特別な資格や学歴は必要ではありません。

MRの大半は製薬会社に所属しているため、学校卒業後、各製薬会社の社員採用試験を受けるのが代表的なルートといえます。

なお、製薬会社では「大学卒業以上」の学歴を応募資格にしているところが多いため、大学に進学しておくとよいでしょう。

学部や専攻は問われず、文系出身者も多く活躍しています。

製薬会社のほかには、「CSO(医薬品販売業務受託機関)」に就職して働くMRもいます。

CSOは各製薬会社のMR業務を担う企業であり、そこで働くMRは一般的に「コントラクトMR」と呼ばれています。

入社後にも勉強が必要

製薬会社へ入社しても、すぐにMRとして働けるわけではありません。

MR候補として採用された場合、通常、まず半年ほどの研修を受けます。

その後、厚生労働省認可の「公益財団法人 MR認定センター」が実施する「MR認定資格試験」を受験し、MR認定証を取得します。

MR認定証は、MRとして必要な知識を身につけていることの客観的証明となるもので、専門知識が問われるこの仕事では必要となってきます。

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MRの学校・学費

大学に進学しておくほうが有利に

MRが活躍する製薬会社やCSOでは、大学卒業以上の学歴が求められることが多くなっています。

そのため、MR職を強く志望する場合は、できるだけ大学へ進学しておくことが推奨されます。

学部や専攻は問われません。

医薬品に関わることから理系の仕事と思われがちですが、文系学部を卒業してMRとして活躍する人も大勢います。

ただし、医学部や薬学部等で学んで医師、歯科医師、薬剤師の資格を持っている人の場合には、製薬会社への入社後に受けるMR認定試験の全3科目のうち2科目が免除になるため、その点では他学部より有利になります。

とはいえ、MRとしてしっかりと勉強していく熱意があれば、どのような学部出身者でもMRを目指せます。

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MRの資格・試験の難易度

入社後にMR認定試験を受ける

MRとして働くうえで必須の国家資格などはありません。

しかし、実際には多くの人が就職後に「MR認定試験」を受験し、合格によって「MR認定証」を取得してから現場に出ています。

「MR認定証」があれば、MRとしての基礎的な知識をきちんと習得していることを客観的に示せます。

病院の医師たちからの信頼を得るためにも、この認定証を取得することはMRにとっての必須事項ともいえます。

MR認定試験の難易度、合格率は?

MR認定試験では、疾病や治療に関することや薬理学など医薬品全般に関する知識を問う問題が出題され、合格率は例年70%~80%前後になることが多いです。

一見、そこまで低い数字ではないように見えますが、この試験は事前に研修を受講した人が受験するため、そう考えると決して簡単にパスできるとはいえません。

とはいえ、MRの認定試験は、MR認定センターの発行する所定のテキストから出題されます。

過去問題もチェックできるため、きちんと勉強して臨めば合格できるでしょう。

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MRの給料・年収

大手製薬会社では年収1000万円以上も

MRは、医薬品に関する専門知識が求められる職種であることから、一般的な会社員よりも平均年収は高めです。

MR全体の平均年収は550万円~650万円ほどと考えられ、キャリアを重ねたベテランになると、年収1000万円~2000万円になる人もいます。

会社の規模によっても給与水準に違いがあり、大手製薬会社では平均年収が1000万円を超えるところもあります。

外回り中心に行うMRは、基本給に加えて「営業手当」や「外勤手当」などがつくケースが多いことも、高収入の理由のひとつです。

個人の能力に応じて収入に差が出やすい

MRの給与体系は企業ごとに異なりますが、全体としていえるのは「成果主義」の要素が強い仕事であることです。

個人の売上実績に応じて、特別ボーナスのような「インセンティブ」がつく企業が多く、成果を出せる人は年齢や経験年数関係なく、収入が上がりやすいです。

また、外資系製薬会社の場合には、個々の営業成績で給料が決定する「完全歩合制」の給与体系になっているところや、給与額を1年単位で決定する「年俸制」をとっているところもあります。

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MRの現状と将来性・今後の見通し

ジェネリック医薬品の増加により、就職難易度は上がりつつある

医療用医薬品情報のスペシャリストであるMRは、製薬会社と医療現場の架け橋としての重要な役割を担います。

しかし、MRの数が増えたこと、ジェネリック医薬品の増加によって大型の新薬開発に携わる製薬会社が減少傾向にあることから、MRの採用数は頭打ちになりつつあります。

需要はそれなりに安定しており、やりがいも十分にある仕事ですが、今後、MRの採用倍率や難易度は、さらに上がる可能性も考えられます。

また、大手製薬会社のMRは「稼げる仕事」として人気がありますが、その分、個々の能力も問われる厳しさがあります。

この職業に就いて活躍し続けるためには、新たな医薬の知識を取り込み続ける向学心、地道な努力が必要となるでしょう。

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MRの就職先・活躍の場

製薬会社またはCSOに所属して働く

MRの大半は、医薬品を作る製薬会社もしくは「CSO(医薬品販売業務受託機関)」という機関で働いています。

CSOとは、製薬会社にMRを派遣したり、医薬品の営業活動などのアウトソーシングサービスを提供する企業です。

これらの企業でMRとして働く人は、担当の医療機関や調剤薬局などをもち、日々得意先を回りながら情報提供や情報収集を行います。

医療機関にとって、膨大な医薬品の専門知識を広く有するMRは心強い存在です。

医療機関がある場所では必ずMRも必要とされるため、MRは日本全国で活躍できる仕事です。

MRの1日

医療機関などへの外回りが中心の生活

MRの1日は外回り中心です。

担当の医療機関に出向き、医師との面談を行います。

場合によっては、朝の診察時間前に直行で医療機関を訪問したり、夜に病院を訪問し、会社に戻らずそのまま帰宅したりすることもあります。

ここでは、製薬会社勤務のMRのある1日を紹介します。

7:30 出社、訪問準備
8:45 医療機関を訪問
1件目の病院へ行き、頼まれていた資料を渡します。
9:30 別の医療機関を訪問
隣接するクリニック3件に訪問し、医療情報などを提供します。
12:30 昼休憩
13:30 2件のクリニックに訪問し、挨拶
17:15 帰社
チームミーティングで訪問状況を報告します。
19:30 夜診後のクリニックを訪問
20:35 明日のアポイントを確認して、直帰

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MRのやりがい、楽しさ

医薬品のスペシャリストとして医療業界に貢献できる

MRのやりがいはいろいろとありますが、複雑多様化する医療業界のスペシャリストとして活躍できることに、やりがいを感じている人が多いようです。

自社で開発された製品が医療機関に導入され、その後、現場からよいフィードバックが得られたときにも、ポジティブな気持ちになります。

MRはさまざまな病院や薬局を訪れるため、医学や薬学の最前線で、現在どのようなことが課題となっているのかを直に見聞きすることができます。

それを再び自社の製品開発部に報告したりすることで、新たな製品をより良いものにするために貢献できることも魅力です。

医療従事者のように患者さんと直接向き合うことはなくても、自分の活躍によって間接的に多くの患者さんを助けることができ、医療現場を支えている実感が味わえる仕事です。

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MRのつらいこと、大変なこと

営業職として数字の責任を負うプレッシャーも

MRは毎日、担当エリアの病院や薬局などを回ります。

1日に10件以上の施設を訪問することもあり、体力的にはなかなかハードです。

また、MRは医薬品のエキスパートではありますが、同時に自社の医薬品を提案する「営業職」としての位置づけでもあります。

自社製品が、いかに他社の製品より優れているかをプレゼンしなければなりません。

売上目標などの「ノルマ」が課せられることもありますし、営業成績が伸び悩めば収入や待遇に差が出てくることもあり、プレッシャーを抱えます。

また、医師との信頼関係を築くために気を遣わなくてはならないことも多く、精神的に疲れてしまうこともあるかもしれません。

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MRに向いている人・適性

医療分野に関する興味が強く、コミュニケーションが得意

医薬品に深く関わっていくMRは、医療分野に興味がある人のほうが望ましいです。

医師ら医療関係者と対等に商談をするために、病気や疾患、最新の医療事情に関する幅広い情報を得ておかなくてはならないからです。

もちろん、自社で取り扱う医薬品の正しい知識の習得も不可欠です。

また、時代の移り変わりとともに新薬が出るため、MRはずっと勉強を続けなくてはなりません。

同時に、MRは営業職としての要素も強いため、人とコミュニケーションをとることが得意で、相手の話をよく聞いて求めていることを的確に掴めるような人は、MRとしての適性があるといえるでしょう。

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MR志望動機・目指すきっかけ

医療系学部で勉強していた人が多い

MRを目指す人の多くは、もともと医療業界に興味を持っているようです。

最初は医師や看護師、薬剤師などメジャーな職業を目指していたものの、勉強を続けていくなかで、医療現場で働く仕事よりも、製薬会社に勤務するMRの役割に魅力を感じ、この仕事を志す人もいます。

また「人と接する仕事」や「営業関連職」という観点で職業選びをするうちに、MRのことを知り、目指す人も少なくありません。

医療系学部でない人でも、身内が医薬品によって病気がよくなったり、QOL(生活の質)が向上したりしたときに医薬品の可能性を実感し、その素晴らしさを正しく普及したいという動機でMRを志望することもあります。

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MRの雇用形態・働き方

正社員もしくは業界独自の派遣として働く人が多数

製薬会社に勤務するMRは、担当エリアのさまざまな医療機関へ足を運び、医療従事者と信頼性を築くことが大切です。

したがって、長期雇用が前提の「正社員」として働くことがほとんどです。

MRの仕事では商談相手の都合に左右されるため、帰宅時間が遅くなったり、休日出勤をしなくてはならなかったりと、やや忙しくなりがちです。

しかし、MRの給与水準は高めで、福利厚生も充実している会社が多いです。

一方、「CSO」といわれる会社に就職し、「派遣MR(コントラクトMR)」として製薬会社に派遣され、正社員ではまかないきれないエリアを任されたり、新薬導入時の一時的なフォローのために働いたりする人もいます。

コントラクトMRは一般的な事務職などの派遣社員とは異なる種類のもので、働き方は製薬会社の正社員とほぼ同じです。

1つの派遣先(製薬会社)で働くのはだいたい2~3年ですが、派遣先の製薬会社で高い実績を残した場合、その会社の正社員としての転籍の誘いを受ける人もいます。

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MRの勤務時間・休日・生活

勤務時間は不規則になりやすい

MRは、担当先の病院やクリニック、院内薬局の開業時間に合わせて働くのが一般的です。

たいていの医療機関が8:30~17:00くらいで外来診療を行っているため、この時間内に面談や営業に行けるように調整して動きます。

時には先方に急な用事が入り、訪問時間が遅くにずれ込んだり、キャンセルになったりすることもあります。

営業全般に言えることですが、商談相手ありきの仕事だからこそ、勤務時間は不規則になりやすいです。

その分、自宅からの直行直帰が認められていたりと、比較的フレキシブルに動けることが多いでしょう。

休日は何も予定がなければ休めますが、学会や勉強会、各種セミナーが週末に入ることも多いため、時期によっては忙しくなります。

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MRの求人・就職状況・需要

安定した需要と求人がある仕事

医薬品が新たに開発され続けている以上、MRの仕事に終わりはなく、需要が途絶えることもありません。

したがって、MRは求人の増減が景気に左右されにくい職種であるといえます。

MRの就職先となる製薬会社は、東証1部上場の大手企業から、特定の分野の医薬品に特化した小規模な企業までさまざまです。

大手企業は待遇面のよさなどから人気がありますが、ジェネリック医薬品の開発が増え、MRの求人は一時期に比べると減少傾向です。

また、近年は外資系製薬会社の国内進出が急増しており、求人数が増えています。

とくに外資系は成果主義の要素が強く、常に優秀な人材を求めているため、年間を通して求人を出している人も多いです。

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MRの転職状況・未経験採用

異業種からMRを志望する人もいる

MRは中途採用も活発に行われています。

まったくの未経験からMRへ転職することも可能で、薬局のスタッフや医療機器メーカーの社員、さらには薬剤師、看護師などがMRへの転職を目指すケースは比較的多いです。

未経験者、医療とは関係ない仕事からMRになることも可能ですが、新薬メーカーは非常に人気が高く、未経験者は採用されにくいです。

ジェネリック医薬品メーカーや、製薬会社から販売業務を受託するCSOへの転職が現実的でしょう。

また、MRの転職では35歳くらいまでは比較的採用されやすいものの、それ以上の年齢になると求人が見つかりにくくなります。

一人前のMRになるまでに一定の時間がかかることを考えても、20代後半~30代前半までの転職を目指すほうがよいでしょう。

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MRから薬剤師に転職するには

薬剤師免許を取得して調剤薬局などへ転職

MRとして働いていた人が、「薬剤師」への転職を考える例は決して少なくありません。

MRと薬剤師はどちらも医薬品に深く関わっていく仕事ですが、学生時代に医療などの勉強をしていなくても目指せるMRに対し、薬剤師になるには大学の薬学部で薬学を専門的に学び、「薬剤師免許」を取得しなくてはなりません。

もしMRから薬剤師への転職を目指す場合には、薬剤師免許を持っているかどうかで、転職ハードルが大きく変わります。

薬剤師免許を取得している場合は、薬剤師の求人を出している調剤薬局やドラッグストアなどに応募し、採用を目指します。

薬剤師の主要業務である調剤・服薬指導は現場に入ってから覚えられるため、心配いりません。

なお、外回り中心で営業活動を行うMRと、薬局など屋内で患者さんと向き合う薬剤師の仕事は、職場環境や雰囲気も大きく異なります。

いざ薬剤師になったものの、MRとまったく異なる職場環境に戸惑ってしまう人もいるため、本当に転職することがベストかどうかは事前によく考えておいたほうがよいでしょう。