獣医師の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

獣医師の仕事は専門性が高く国家資格が必要なこともあり、統計データを見ると平均年収や給料は、一般的な会社員よりもやや高めの水準となっています。

規模の大きな動物病院に勤めていたり、独立・開業したりすると日本人の平均年収よりも大幅に高い収入を得ている人もいます。

同じ獣医師であっても、働き方や活躍の場などによって年収や給料の差が大きいのが実情です。

獣医師の平均年収・給料の統計データ

獣医師の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

厚生労働省の令和2年度賃金構造基本統計調査によると、獣医師の平均年収は37.7歳で約631万円となっています。

・平均年齢: 37.7歳
・勤続年数: 8.7年
・労働時間/月: 167時間/月
・超過労働: 20時間/月
・月額給与: 457,900円
・年間賞与: 818,600円
・平均年収: 6,313,400円

出典:厚生労働省「令和2年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
獣医師
(Indeed)
4,335,057円 時給 1,521円
日給 19,006円
月給 306,929円
獣医師
(求人ボックス)
418万円 初任給24万円
月給 35万円

求人サービス各社の統計データをみると、獣医師の平均年収は400万円強となっています。

厚生労働省の調査では年収631万円となっており、獣医師の年収には幅があることが特徴です。

勤務先や地域、経験、スキルによって差が出ることが見受けられるため、人によっては低めの水準となりますが、勤務条件や経験年数によっては高水準で働くことができるでしょう。

獣医師の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

厚生労働省の調査から、獣医師のボーナスは月収の2ヵ月分と推定できます。

獣医師の平均年収を410万円とした場合、平均月収は約29万円、ボーナスは約58万円です。

そこから手取りを算出すると月収は約23万円、ボーナスは約46万円でしょう。

国家資格が必要な専門性と難易度が高い仕事ではありますが、医師などほかの医療職に比べると、給与水準はそこまで高くはないようです。

獣医師の初任給はどれくらい?

動物病院で働く獣医師の初任給は、23万円〜25万円が相場になっています。

院長クラスになると月収35万円ほどとなり、技術と経験によって給与が上がる場合が多いです。

地方自治体で働く場合には地方公務員となるため、その地方の給与体系にしたがって、給与が支給されます。

医薬・製薬関連企業へ就職した場合は、企業規模によっても異なりますが、一般的に公務員よりよい初任給を見込めるでしょう。

獣医師の勤務先の規模別の年収(令和2年度)

獣医師の年収は、勤務先の事業所の規模が1000人以上の場合の年収が高くなっています。

10人〜99人の事業所に勤める獣医師の平均年収は612万円、100〜999人は697万円、1,000人以上は906万円、10人以上平均631万円となっています。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

獣医師の勤務先の年齢別の年収(令和2年度)

令和2年度賃金構造基本統計調査によると、獣医師の年齢別の年収は、600万円~800万円がボリュームゾーンといえそうです。最も年収が高い世代は、55~59歳の1,091万円です。

全年代の平均年収は631万円となっています。

 

獣医師の福利厚生の特徴は?

獣医師の福利厚生は、働く職場によってさまざまです。

たとえば小さな動物病院の場合は、雇用保険と労災保険にしか入っておらず、そのほかの福利厚生制度が整えられていないこともあります。

働く獣医師が少ないために、産休・育休制度そのものや、活用した前例がない場合もあるかもしれません。

一方公務員の獣医師は、休日や休暇が取りやすく、産前産後の休暇、育児休暇、看護休暇など手厚い待遇で、福利厚生が充実しているのが特徴です。

働きやすさを重視して、臨床獣医師から公務員に転職する獣医師もいます。

獣医師の給料・年収の特徴

給料・年収の幅は大きい

獣医師は「高収入が得られる仕事」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、獣医師の勤務先は多岐にわたるため、年収にもかなりの幅があります。

小さな臨床病院の駆け出しの獣医師と、独立・開業して成功している人の年収の差は非常に大きなものとなります。

またハードな仕事内容に対して、給料や待遇はあまりよくない場合もあるため、収入を第一で考えていると毎日がつらいと感じてしまうかもしれません。

駆け出し時代の給料は高くない

駈け出しの獣医師が雇われて働く場合は、年収350万円〜450万円程度といわれています。

一般的な会社員と同じくらいの水準であり、決して高くはありません。

現場で何年も経験を積み、ようやく一人前の獣医師として認められるようになると、収入が少しずつ上がっていきます。

年収が高くてもハードな仕事

経験を積むほど獣医師の給料や年収は上がりますが、その分仕事もハードです。

動物病院では週休1〜1.5日で1日平均12時間くらい働くことになります。

手術などがあれば勤務時間は15時間にもおよぶこともあり、時給計算すると、決して割がいいといえない部分もあるのです。

まずはこの仕事が好きで、忙しい中でもやりがいや情熱を持ち続けられるかどうかが、獣医師を長く続けていくポイントになるでしょう。

獣医師の勤務先別の給料・年収

動物病院で働く獣医師

動物病院で臨床獣医師として働く人の給料・年収は、約300万円〜350万円程度です。

給料を算出すると約21万円〜25万円程度となるので、ほかの職業と比べても決して高い水準とはいえません。

動物病院の勤務医は、獣医師として現場で実績を積みたい若い獣医師が多いため、平均年収が低くなる傾向にあるようです。

公務員として働く獣医師

公務員として国家公務員、都道府県職員、市町村職員として働く獣医師は、所属する地方自治体によって給料・年収が異なります。

場合によっては規模の大きな動物園に比べて収入が低い場合もありますが、たとえば動物園などの獣医師の年収は約400万円〜450万円です。

また正確には公務員ではありませんが、農林水産大臣の監督下にある特殊法人JRAで働く場合、年収は約650万円〜1,200万円とされており、非常に高収入を得られます。

公務員は定時で帰りやすく休暇制度など福利厚生も整っているため、働きやすい勤務先でしょう。

民間企業で働く獣医師

製薬会社、食品会社、飼料関連会社などの民間企業で働く獣医師の給料・年収は、働く企業によっても異なりますが、年収は約600万円〜800万円です。

勤務先の規模によっても給料は変わってきますが、民間企業では獣医師が重宝されるため、実績が認められれば高収入を得ることができるでしょう。

獣医師の正社員以外の給料・年収

派遣社員

派遣社員として働く獣医師の給料は、時給1,600円〜2,400円ほどが一般的です。

仕事内容は派遣先によってさまざまで、派遣先は動物病院から研究施設で実験動物の管理や飼育、研究補助などを担当するため、給与設定も職場によって幅広くなっています。

アルバイト

アルバイト・パートの獣医師の給料は、地域や職場によっても異なりますが、時給1,600円〜2,200円ほどです。

動物病院で募集されていることが多く、犬猫を中心とした小動物の診療や治療、手術、入院管理などを行います。

フリーランス

フリーランスとして活躍する獣医師は、動物病院で診療する臨床獣医師が多いです。

知識や技術を十分に身につけてから、特定の病院に所属せず、複数の動物病院と提携して診療業務を行っています。

複数の病院で診療する場合は契約内容によっても異なりますが、日給10,000円〜18,000円が相場です。

どれだけ休みの日を作るかは自分次第なので、人によって年収が変わってきます。

独立・開業

独立して自分の動物病院を開業した場合、動物病院は診療の値段を自由に決められる「自由診療」です。

自分で動物病院を開業し、その病院が大人気になれば、年収数千万円という大きなお金を得ることもできます。

副業・在宅

副業・在宅の獣医師の仕事内容は人によってさまざまです。

よくみられるのは、動物病院やペット関連のWebサイトに掲載する記事の執筆をしたり、専門家としてペットの飼い主からの電話相談やメール相談に回答したりする仕事です。

シフト制で在宅勤務する場合は、時給1,000円〜1,200円ほどと、ほかの仕事と大きな差がありません。

獣医師の働き方の種類・雇用形態

獣医師が収入を上げるためには?

獣医師が収入を上げるためには、大きく2つの方法が挙げられます。

1つ目は、独立して自分の動物病院を開業する方法で、成功した場合には年収1,000万円以上も夢ではありません。

なかには年商何千万円を得る人もいますが、開業して患者が少ないと赤字経営となり廃業に追い込まれる可能性もあるため、しっかりと準備をしてから独立することをおすすめします。

2つ目の方法は、勤務医として年収アップを狙う方法です。

規模の大きな動物病院では、経験を積み昇進すれば年収1,000万円以上を得られるケースもあります。

開業資金などの出費を抑えてローリスクで高収入を得たい人は、こうした動物病院に就職や転職する方法も考えられるでしょう。

獣医師の年収・給料のまとめ

獣医師は一般的な職業から比べると高めの給料を見込むことができますが、働く場所や経験、働き方によっては年収に差があります。

とくに若いうちはなかなか年収が上がらず、苦労することもあるでしょう。

ただし規模の大きな動物病院に勤めたり、独立・開業したりするとより多くの収入を得られることができます。