皮膚科医の仕事内容、なるには、資格、給料、求人

皮膚科医の仕事内容

皮膚の健康を守る視診のエキスパート

皮膚科医は、人間の身体における最大のバリアである、皮膚の健康を守るエキスパートです。

アトピー性皮膚炎、にきび、じんましん、帯状疱疹などの皮膚のアレルギー・炎症・感染症などを主に扱うほか、皮膚がんをはじめとした悪性腫瘍、床ずれ(褥瘡:ジュクソウ)や火傷(熱傷)などの外からの刺激による損傷、また、爪や髪(脱毛症)の問題も専門としています。

診断のために皮膚の組織を採取する場合や、できものを切除する際には外科手術も行います。

最近は形成外科が行うケースも多いものの、広い範囲に火傷を負った患者さんに対して、植皮術を行う場合もあります。

その他、しみに対するレーザー治療など、美容医療にも携わることができます。

皮膚科医の就職先・活躍の場

病院やクリニックなどの医療機関に勤務

皮膚科医は、一般的には病院やクリニックのなどの医療機関において皮膚科の医師として働きます。

そのほか、シミやほくろのレーザー治療をはじめとした治療を行う美容皮膚科クリニックや脱毛症の治療を行うAGA治療専門クリニックで自由診療を行ったり、在宅医療を行ったりなどといった選択肢があります。

皮膚科医としての専門知識を活かし、薬や化粧品に関係する企業の研究所に勤め、皮膚の再生医療や基礎化粧品の研究・開発に携わる人もいます。

皮膚科医の一日

開院・午前の診察・昼休み・午後の診察

皮膚科医の一日は曜日によって異なりますが、日中は外来・病棟患者の処置・手術が主な業務です。

病院によっては、褥瘡(じょくそう=床ずれ)に対する専門チームを置いている場合もあり、そのリーダーとして各科を回診して治療していく業務もあります。

病院勤務であれば、朝は病棟で入院患者を診察し、外来を行い、午後からは手術。手術が終われば夕方に再度病棟にいき、回診や患者家族への病状説明を行う、といったケースが一般的です。

8:00 出勤
病棟で入院患者の診察をします。

9:00 外来
診察室にて、外来患者の診断、処置、薬の処方などを行います。

12:30 休憩

13:00 午後の診療
午前中と同様、外来患者の診断、処置、薬の処方などを行います。
場合によっては、皮膚生検や手術を行うこともあります。

17:00 夕刻~
再度病棟にいき、回診や患者家族への病状説明を行う場合もあります。

皮膚科医になるには

医師資格を取り皮膚科医を目指す

皮膚科医になるには、まず大学の医学部に入学する必要があります。

厳しいしい受験競争を勝ち抜いて医学部のある大学か医科大学へ入学し、6年間、医師になるために必要なことを学習します。

医学部卒業後、医師国家試験に合格することが皮膚科医になるためのスタートラインです。

そして、皮膚科医になるためには2年間の初期臨床研修を終えた後、皮膚科専門医を取得するための後期研修を行います。

後期研修を終えて皮膚科専門医試験に合格すると皮膚科専門医になりますが、一般的には後期研修の段階から皮膚科医として扱われます。

海外では成績順に診療科を選ぶシステムになっている国もありますが、日本では希望すれば基本的に誰でも皮膚科のトレーニングを積むことができます。

皮膚科医の給料・年収

医師としては平均的か、やや低め

皮膚科医の給料・年収は、他科の医師と基本的には変わりません。

しかし、皮膚科の特性上、急患が少なく、長時間の手術も無いため、残業代で稼ぐということはあまりできません。

全体的に女性医師の割合が多いこともあり、平均年収としては他の科よりもやや低めになっています。

一方、残業が少なく業務の見通しが立てやすいことから、平日に当直のアルバイトにいってお金を稼ぐという方法を取りやすいという特徴もあります。

皮膚科医だからといって給料が低いというわけではありません。

皮膚科医のやりがい、楽しさ、魅力

皮膚トラブルを持つ老若男女への貢献

皮膚科の仕事は、対象とする部位が皮膚であるため、自分の目で直接病変を見て診断し、治療をして治っていく過程が目に見えてわかるところが魅力のひとつでしょう。

また、子どもからお年寄り、男女問わず皮膚のトラブルに悩む人は多いので、あらゆる人に役立つ仕事です。

基本的には身体の表面を専門的に扱う科ですが、内臓の病気から皮膚に症状が出ることもありますので、皮膚所見から内臓疾患の診断につながる場合もあります。

中には、皮膚科にかかったらがんが見つかったというケースもあるのです。

診断学に興味がある人にはとても魅力的な科のひとつです。

皮膚科医のつらいこと、大変なこと

売上向上のため効率的な診療が必要

皮膚科は、長時間に及ぶ手術を行うわけでもなく、内視鏡検査のような大掛かりな検査もありません。

そのため、売り上げを伸ばすには数多くの患者さんを診察しなければなりません。

てきぱきとした仕事が求められますので、効率よく仕事をこなすのが苦手な人には大変かもしれません。

また、皮膚科では肉眼での視診と合わせて、顕微鏡をみて診断をつける病理診断も非常に重要です。

そのため、医学生の頃に組織学や病理学の授業が苦痛で仕方なかったというような人には不向きかもしれません。

皮膚科医に向いている人、適性

肌に関心を持ち効率的に業務をこなす人

皮膚科はてきぱきと業務をこなせる人に向いています。

また、自分自身の肌の状態にも高い関心を持っていることも重要な適性のひとつといえるでしょう。

また、診断して治療を行い、治っていく様子を直接自分の目で見られることが皮膚科の大きな魅力の1つです。

「診断だけ」「治療だけ」という断片的な専門分化した作業ではなく、ひとりの患者さんの皮膚症状に対して連続的に最後まで付き合い、治療を完遂することにやりがいを感じられる人には向いているでしょう。

皮膚科医を志望する動機・目指すきっかけ

残業が少なく子育てと両立可能

皮膚科を志望する動機はさまざまです。

「昔アトピー性皮膚炎がひどくて悩んだためアトピー性皮膚炎を根治できるようにしたい」
「効果の高い脱毛症治療法を開発したい」
「アレルギーのしくみを解明したい」などの高い志を持っている場合や、比較的残業が少なく、子育てと両立しやすいという科の特性に惹かれて皮膚科医になる、といった場合などがあります。

近年では、全体的な女性医師の増加もあり、特に皮膚科では女性の割合が多くなってきています。

皮膚科医の雇用形態、働き方

個人の事情に合わせた働き方が可能

皮膚科医は、病院やクリニックで雇用されて働く場合や、自身で開業する場合などがあります。

皮膚科の特徴として、高価な検査機器などが不要であるため、クリニックであっても比較的、総合病院に近いレベルの診療を行うことが可能です。

女性皮膚科医が子育て中の場合には、時短勤務やパート・アルバイトなど個人の事情に合わせた働き方をされている女性皮膚科医も多く活躍されています。

逆に、将来の開業を目指し、他クリニックでのアルバイトも積極的に行っているひともいます。

皮膚科医の勤務時間・休日・生活

緊急対応や休日勤務も少ない生活が可能

皮膚科医の勤務時間は、勤め先によって大きく異なりますが、基本的には平日朝から夕方まで、土日休みというパターンが一般的です。

病院によっては、外科系当直をするローテーションに入っている場合もあり、救急外来を担当することもあります。

皮膚科医は、休日や夜間に緊急対応をすることは比較的少なく、結婚・出産・子育てにおいて、勤務時間を調整するなど、女性としての生活を大切にしたいという方には適しているでしょう。

皮膚科医の求人・就職状況・需要

皮膚トラブルをもつ人は多くニーズは多い
皮膚科医の需要は、産婦人科や小児科ほど、引く手あまたというわけではありませんが、子育て中で時短勤務しかできない医師も多い中、バリバリ働ける医師のニーズは高い状況にあります。

皮膚トラブルを抱えているのは老若男女とも多く、皮膚科の需要は無くなりません。

出産・子育て後の再就職についても、パート・アルバイトで働くことも含め、就職先は多くあります。

しみやほくろのレーザー治療など、美容・アンチエイジング関係においても需要が増えてくる可能性があります。

皮膚科医の転職状況・未経験採用

皮膚科専門医を取得できる施設での研修

皮膚科医を求めている医療機関は多くあります。

皮膚科の救急疾患や、広範囲の熱傷が診られる医師は歓迎されます。皮膚科専門医になり経験をつめば、転職も希望どおりできる可能性が高まります。

皮膚科未経験の場合は、まず皮膚科専門医を取得できる施設で研修することを目指しましょう。

内科や外科の医師が開業する際についでに標榜していることも多い科ではありますが、実際にはとても奥が深く、きちんとしたトレーニングを受けないと正しい診療は困難です。

皮膚科医の現状と将来性・今後の見通し

地方や高齢者むけ医療ではニーズが高い

都内でゆったりと美容皮膚科を中心に診療を行うスタイルは飽和しつつあり、新規参入は難しくなってきています。

一方、地方や、急性期病院、在宅医療などの高齢者向けの医療の現場ではまだまだニーズが満たされていません。

最近では皮膚科の診断においてもAIが開発されてきており、診断自体は今後AIの導入などで代替される部分はあると考えられますが、高いレベルで忙しく働くことのできる皮膚科医はこれからも求められるでしょう。