歯科医師の需要・現状と将来性

歯科医師の現状

現代の日本において、歯科医師は供給過多になっているといわれます。

実際、歯科医師国家試験では毎年2000人以上の人が合格し、歯科医師免許の交付を受けています。

歯科医師の仕事は定年がないこともあり、免許を持つ人数は増える一方です。

今後も日本全体の人口減を考慮すると、歯科医師過剰問題は簡単にはなくならないと想像できます。

こうした現状で、歯科医師はいかにして他の歯科医師やクリニックとの差別化を図り、患者さんに支持してもらえるかが大きな課題となっています。

近年、「審美歯科」「矯正歯科「小児歯科」など、専門分野を持つ歯科医院が増えているのはそういった理由もあるといわれます。

CT技術やAIの進化により、これまでは目で見て治療に当たることが難しかった病状や病態の確認が簡単にできるようになっています。

20年後、30年後の技術の進歩を考えると、ますます生き残りをかけた特徴あるクリニックづくりが必要になってくるはずです。

歯科医師の需要

「歯」や「口腔」という、人が生きていくのに重要な器官を扱う歯科医師の需要は、決してなくなりません。

しかし、近年は歯科医師のレベル低下、歯科医師余りが問題となり、新規の歯科医師は一昔前に比べると仕事がしにくい状況であるといわれます。

とくに、都心部で開業を考える場合は供給過多の問題から、経営が立ち行かなくなる場合があります。

実際、なかなか歯科医院に患者さんが来院せず、大変な競争を強いられている地域も出ているようです。

しかしながら、人々の健康とは切っても切り離せない役割を担う歯科医師の需要は、どの時代、どの地域であったとしても変わらずにあります。

地方に行けばまだまだ歯科医師が不足しているところはたくさんありますので、潜在需要を掘り起こせるだけの技術があれば、十分にやっていけると話す歯科医師もいます。

歯科医師の将来性

開業医をとりまく環境はたしかに厳しいものがありますが、丁寧な仕事をして、定期的に通ってくれる患者さんが多くつけば安定した収入が見込め、クリニックの経営は安定します。

しかし、歯科医師になりさえすれば安泰ではないことは頭に置いておくべきでしょう。

近年はインターネットの発達により、SNSや口コミサイトなどで、歯科クリニックや歯科医師自身の評判がすぐに伝わります。

他の歯科クリニックとの比較も容易になっていますので、歯科医師は技術を磨くことはもちろん、患者さんにとって通いたいと思える魅力的な歯科クリニックを作る努力が不可欠です。

歯科医療の現場では、40歳を超えると独立開業を志す歯科医師が多くいますが、医療関係事業の年間倒産件数の約4割が歯科クリニックだといわれます。

住宅団地が建ち始めている地域や人口が増えている場所に開業できれば別ですが、そうでない限りはよほどの腕、そして経営手腕がないと厳しいでしょう。

歯科医師の活躍の場

歯科医師のおもな活躍の場は、街の歯科医院や大規模な総合病院です。

しかし、歯科医師になったからといって、必ず病院に勤めなければならないわけではありません。

これらの医療機関のほかにも、大学などの教育機関や研究所、画像診断センター、化粧品会社、製薬会社、あるいは厚生労働省などの行政機関に勤務する歯科医師もいます。

また、歯科麻酔専門医として大学病院や総合病院などの口腔外科で活躍する人もいます。

このように歯科医師免許保持者が活躍できる場は歯科クリニック以外にも多くあり、求人も常に出ていますので、就職先は比較的見つけやすいでしょう。