公務員の看護師になるには? 仕事内容は?

公務員として働く看護師もいる

看護師の代表的な活躍の場は、病院や診療所などの医療機関です。

医療機関のなかには、民間ではなく市町村や都道府県によって運営されているところもあり、市町村や都道府県の病院で働く看護師の多くは「公務員」の身分です。

それ以外の公務員看護師の勤務先としては、保健所や保健センター、地域包括支援センター、公立の幼稚園や保育園・保育所、公立の老人・障害者施設などが挙げられます。

なお、上記の場で働く公務員看護師は「地方公務員」ですが、国家公務員として働く看護師もいます。

国家公務員の勤務先・働き方としては、自衛隊看護師、厚生労働省の看護師技官、国立ハンセン病療養所などがあります。

公務員の看護師になるには・仕事内容

ここからは、公務員の看護師を目指す方法と、それぞれの仕事内容について紹介します。

地方公務員の看護師

地方公務員の看護師として働くには、民間の看護師を目指す場合と同様、まず看護師養成課程のある学校で勉強し、国家試験を受験して看護師免許を取得します。

その後、各勤務先への就職を目指します。

市町村・都道府県の病院

公務員看護師の多くは、私立病院や県立病院に勤務しています。

そこでの仕事内容は民間病院と同じく、外来や病棟を中心に、診察・治療の介助や患者さんのケアを行います。

役所などで働く一般的な職員は、地方公務員試験を受けて合格し、採用されなくてはなりませんが、看護師の場合、看護師免許があれば公務員試験の受験は必要ありません。

各病院が出す求人に応募し、選考試験を受けて採用されれば、公務員看護師として働けます。

なお、県立病院で採用されたときは、採用後一定期間経過してから同じ県内の他の県立病院等へ異動になる場合があります。

保健所、保健センター

保健所や保健センターの看護師の求人数は決して多くありません。

これらの場での求人の多くは保健師、または助産師となっていますが、自治体によっては看護師も配置しています。

保健所や保健センターは、地域住民の疾病の予防や健康増進などの役割を担っており、看護師は住民からの健康相談にのって助言・指導を行ったり、検診業務に携わったりします。

求人が少ないことから、こうした場での勤務を希望する場合には、自治体の求人情報をこまめにチェックしておく必要があるでしょう。

公立の幼稚園や保育園・保育所

公立の幼稚園や保育園・保育所でも、看護師の求人が出されることがあります。

以前はあまり数が多くなかったものの、近年は子どもの日常的な健康管理や食育指導、安全確保などを目的に、看護師を配置するケースは徐々に増加傾向です。

しかし、こうした施設での看護師の雇用形態は、非常勤となっている場合もあります。

保育施設での求人は、自治体の職員募集ページやハローワークで探せます。

国家公務員の看護師

自衛隊の看護師

国家公務員として働く看護師は、さほど多いわけではありません。

ただ、あまり知られていないところでいうと「自衛隊の看護師」として働く方法があります。

自衛隊の看護師は、陸上自衛隊・航空自衛隊・海上自衛隊において、隊員の健康管理や診察の介助に携わります。

職場は自衛隊という少々特殊な環境ですが、業務は一般的な病院勤務の看護師と大きく異なるわけではありません。

ただ、災害時に備えた医療チームを組んでの野外病院訓練など、自衛隊ならではの活動も行われます。

自衛隊の看護師になる方法は、いくつかあります。

たとえば、防衛医科大学校の看護師養成課程で学び自衛隊に入る、あるいはすでに看護師免許を持っている場合には、各自衛隊が独自で出す看護師の求人に応募する、などの方法もあります。

詳細は、以下のページでも紹介しています。

自衛隊の看護師になるには? 仕事内容は?

厚生労働省の看護系技官

厚生労働省でも看護師免許を持つ人が活躍しています。

そうした人は、技術系行政官の「看護系技官」として採用され、医療にかかわる専門性と行政官としての専門性を生かしつつ、看護関連政策の立案などに携わります。

ただ、応募のハードルは高めです。

たとえば看護師免許を取得し、かつ保健師免許または助産師免許の取得または取得見込みであることや、看護業務の7年以上の経験などが求められます。

看護師技官は、国の機関において専門的立場で政策に関わるという、臨床現場で活躍する看護師とはまた違った仕事に携われます。

採用情報の詳細は、厚生労働省の採用情報ページで確認できます。

厚生労働省 看護系技官 採用情報

国立ハンセン病療養所

日本全国に13施設ある国立ハンセン病療養所でも、国家公務員の看護師が働いています。

国立ハンセン病療養所とは、「ハンセン病」の後遺症を抱える患者さんのケアを専門的に行う国の医療機関です。

患者さんの多くが視覚障害や聴覚障害を抱えており、看護師は他の医療職員と連携しながら、一人ひとりが自分らしく、安心して療養できる環境を整えていきます。

国立ハンセン病の看護師は、随時募集されています。

公務員の看護師の魅力・メリット

公務員看護師には、一般的な公務員としての待遇が適用されます。

勤務時間や休日は明確に定められていますし、休暇制度についても一般的な職員と同様、年次有給休暇をはじめ、病気休暇・夏季休暇・出産休暇・リフレッシュ休暇などがあります。

育児休業や育児短時間勤務などの制度も整っているため、女性にとっては安心して仕事を続けやすいはずです。

また、期末・勤勉手当(いわゆるボーナス)の支給や、各種手当も充実しており、安定した環境で働けるのが魅力といえるでしょう。