臨床工学技士の需要・現状と将来性



臨床工学技士の現状

医療機器が毎日のように進歩する昨今において、医療の知識と工学の知識の両方を有する臨床工学技士は、業務をおこなう上で不可欠な存在になっています。

臨床工学技士の資格がなかった頃は、院内に出入りする業者やメーカーに機器の修理や使用方法を聞いていましたが、今では「ME(Medical Engineer)室」の臨床工学技士へ依頼すればよいシステムになっています。

だからこそ臨床工学技士への要望は高まっており、技術の研鑽や、新たな知識の習得をし続けることが重要な課題となってきます。

比較的新しい医療職ではありますが、チーム医療として臨床工学技士は今や大事な一角を担う職種として認められており、その責務は医療機器の発展に比例して増えると考えられます。

また、「臨床検査技師」など、他の国家資格も持つダブルライセンス取得者もいます。

臨床検査技師の仕事

臨床工学技士の需要

現在では、臨床工学技士の資格を取得した大部分の人が病院に勤務しています。

大きな大学病院から、地域密着型の民間病院、クリニックなど、業務の内容によって就職する医療機関は変わってきますが、どの規模の病院でも需要があるでしょう。

向上心の高い方の中には、次のステップとして大学や大学院へ進学し、さらなる知識を習得して研究機関や教育者への道を目指す人もいます。

また、昨今注目されているのは「DMAT(災害派遣医療チーム)」の一員としての臨床工学技士の重要性です。

DMATとは、さまざまな事故や災害をこうむった地域へ先がけて医療を提供する、医師を始めとした医療職のチームのことで、研修ののち認定を受けた人だけがおこなえる業務です。

DMATに属する臨床工学技士は、透析などの医療機器を使う処置ができない人などのために現地に送る医療機器の確認をしたり、地域の病院や自衛隊などと連携をとって治療にも携わります。

臨床工学技士の将来性

医療は常に進歩し続けており、医療の進歩は新たな医療機器の技術開発へと繋がっています。

そのため、臨床工学技士もまた常に新たな技術を学び続けていくことが求められる分野の仕事であるといえるでしょう。

現在ではAIの発達など機械工学の発展が目覚ましく、そのため医療機器においても人力を必要とする場面は減っていくと思われます。

しかし、生体に使用する医療機器を完全に無人化するのは困難で、今後も臨床工学技士がまったく不要になることはないといえます。

また、前述のように災害時における医療派遣チームの一員としての臨床工学技士にも、より一層の活躍が期待されます。

異常気象の影響により大きな災害が頻繁に起こっている昨今では、緊急時も医療機器を操作できる資格を持つ臨床工学技士は今後もとくに求められると予想できます。

臨床工学技士の今後の活躍の場

臨床工学技士が操作・管理などをおこなう医療機器は、今後も医療の発達とともに年々発展を遂げていくことが予想されます。

そのため医療機関など臨床で機器の管理や操作をおこなうだけではなく、医療機器そのものの研究開発に携わり活躍する臨床工学技士が現れることも期待できます。

ある程度の臨床経験を積んだあと、大学院へと進んで修士や博士といった学位を取得することで、現場でのニーズを汲んだ機械の研究開発をするといったことも望める可能性があります。

また海外では、医療の発展していない地域の患者さんに対し、医師らと共に治療に当たる「青年海外協力隊(JV)」「シニア海外ボランティア(SV)」として活躍する臨床工学技士もいます。