診療情報管理士の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

病院で働く診療情報管理士の1日

診療情報管理士の仕事は、所属する医療機関の患者情報やカルテを整理・管理することです。

医療機関によっては、カルテの入力を任されたり、レセプトを作成したりと、医療秘書医療事務の仕事内容と重なったり、兼任したりということもあります。

その場合は、業務内容やスケジュールも異なります。

今回は、とある大規模病院において勤務する診療情報管理士を例にとり、1日の流れを紹介します。

8:30
出勤。院内メールなどをチェックし、その日の業務の優先順位を決める
9:00
情報管理室メンバーで軽く打ち合わせ。それぞれがその日担当する業務について、情報共有
9:15
その日到着した新患のカルテ情報登録。ICD10(国際疾病分類第10版)に沿ってコーディングを行いながら登録する。
また、再来の患者のカルテ情報の更新も行う。
11:00
その日到着した対象患者のDPC(包括医療費支払い制度方式)の診療報酬計算に必要なデータを抽出し、経理部門に提出。
12:00
カルテの記載事項についての質問を担当医師に確認。
忙しい医師を午前診療時間中に捕まえることができず、休憩時間に話をすることも。
12:15
1時間の昼食休憩。
通常の休憩時間は12:00〜13:00だが、午前中の業務が休憩時間にずれ込んだ場合は、後ろにずらして休憩することも。
13:15
院内がん登録作業。
がんの種類を分類し、ICD10に沿って登録していく。
診療報酬請求の際に重要な分類なので、神経を使う。
15:00
進行中の医療訴訟に必要なカルテの点検。
カルテ開示の内容について、担当部門と相談。
15:30
経理部門からの依頼を受け、患者データ分析。
16:00
在籍医師のカルテ記載評価登録。
医師がカルテに必要事項を確実に記載しているか、病名に対する薬の処方は正しいかなどをチェックし、評価を付ける。
自身の診療に対して誇りをもっている医師に対して、評価を伝えるときは、言い回しに気を遣う。
17:00
業務終了、残業なしで帰宅。

週末を利用して研修会に参加することも

診療情報管理士として働くためには、パソコンが扱えたり決まった内容を間違いなく入力できる、というだけでは足りません。

診療情報の管理方法や、国際的な疾病の分類や規格、疾患名、国内における診療報酬請求に必要なデータなど、診療情報に関わる決め事やルールは日々変わります。

各医療機関がそのルールにのっとって間違いない形で診療情報を管理していく必要があるのです。

診療情報管理士であれば、これらのルールや決め事に関する知識を常にアップデートし、不備がないよう整えておく必要があります。

また、診療情報を管理するためには、疾患や治療に関する知識も必要です。

このような知識を常に最新とし、診療情報管理士が自分のスキルを育てるため、日本診療情報管理士会という職務団体では診療情報管理士を対象としたセミナーや学習会も行われています。

これらの会に参加し、知識をアップデートしていくことは診療情報管理士として大切なことなのですが、残念ながら、業務時間として認められる例は現状少ないようです。

そのため、多くの場合は週末など自分のプライベートの時間を利用して参加することになります。

業務時間外の時間を利用して学び続けることはやや負担となることもありますが、長い目で見ればこうした投資が診療情報管理士としての実力を高めてくれ、結果的には勤務先での立場向上に繋がっていくでしょう。

診療情報管理士の勤務時間・休日

診療情報管理士の勤務時間

診療情報管理士の勤務時間は、勤務先の医療機関によって個別に設定されています。

ほとんどの場合、その施設の診療時間に合わせて勤務することになります。

医療機関では診療開始時間が午前9時、終了時間が午後5時のところが多いため、午前8時半頃から午後5時15分頃の勤務となることがが一般的です。

また、午前診療のみの日がある勤務先では、午前8時半から午後12時半など、半日の出勤もありえます。

休憩時間は午前診療と午後診療の休診の合間に1時間ほど取れることが多いようです。

事務職であるため、医師や看護師とは違い夜勤シフトはありません。

医療機関内の職種の中では、手のかかる年頃の子どもがいる人が続けやすい職種といえます。

診療情報管理士の休日

こちらも医療機関の開院日に準じますが、基本的には土日祝日をしっかりと休める職場が多いようです。

24時間・365日体制の病院においても、事務職は土日祝日が休みとなっていることがほとんどです。

年間休日数は、夏期休暇や年末休暇を合わせると115日〜120日が平均的です。

もちろん、年次有給休暇も付与されます。

有給休暇日数や消化のしやすさは職場によりますが、数人体制で診療情報管理をしている職場であれば有給消化を申し出やすいでしょう。

土曜日のみ午前診療がある職場では、午前中のみ土曜出勤がある場合があります。

その場合は別の日に振替半休を取得するなどしていることが多いようです。

診療情報管理士の残業時間

診療情報管理士のプラス面として、残業の少なさを挙げる人は多いです。

緊急性のある業務が少ないため、残業してまで仕事をこなすよりは、就業時間内でしっかり頼まれた仕事をすることが望まれるためです。

この点においても、仕事と家庭を両立したい人には向いている仕事といえます。

残業が発生するにしても、月に5〜15時間程度のところが多いため、私生活に支障をきたすほど働き詰めになることは少ないようです。

給与の安さがマイナス面として挙げられる診療情報管理士ですが、残業が少ない仕事を希望する人にとっては、バランスがとれた職業かもしれません。

診療情報管理士は忙しい? 激務?

診療情報の管理を一手に担う診療情報管理士ですが、基本的にはデータを相手にした仕事であり、ルーチンの内容も多いため、業務量はある程度一定しているということができます。

時期によって多少の差はあるものの、激務というまでではなく、自分のペースで仕事ができるという声をよく耳にします。

ただし、勤務先の医療機関によっては、管理すべき診療情報の量が多かったり、しっかり整理されていないなどの理由で、手間がかかることもあります。

あるいは単純に業務量に対して人手不足のため、常に忙しいということもあるようです。

一部の施設では、診療情報管理の仕事だけでなく、事務職一般を一手に担うこともあり、勤務先選びの際には、自分の希望する働き方と、勤務先の求める業務内容が一致しているのかを確認しておく必要があります。

診療情報管理士の休日の過ごし方

残業が少なく、土日祝日しっかりと休めることが多いため、診療情報管理士の仕事は比較的自分の時間をしっかりと確保しやすい仕事といえるでしょう。

休日は自分の趣味のために使ったり、あるいは家族サービスをしたりと、自分らしく過ごすことができます。