臨床工学技士になるには? 資格は必要?



臨床工学技士になるまでの道のり

臨床工学技士として社会に出るまでの代表的なルートは、高校卒業後の学校選びから始まります。

高校卒業後、臨床工学技士の養成課程を有する専門学校か短期大学(3年)、または4年制大学に通い、臨床工学技士として必要な知識を身に着けます。

それぞれの学校で養成課程を修了すると、「臨床工学技士」の国家試験の受験資格を得ることができます。

この国家試験に合格すると、臨床工学技士として働くことが認められます。

就職先はおもに透析専門クリニック、循環器内科、集中治療室や救急救命部のあるような大きな病院などです。

業務内容は病院によりさまざまで、臨床工学技士が出来るあらゆる業務を一手に引き受ける場合もあれば、透析室など一つの場所で一定の範囲内の業務のみをおこなうこともあります。

臨床工学技士の資格・難易度

臨床工学技士として働くには、必ず「臨床工学技士」の国家資格を所持していなければいけません。

臨床工学技士の国家試験の合格率は毎年およそ8割前後となっており、所定の教育機関で必修科目をしっかりと勉強しておけば難しい試験ではありません。

しかし、新卒者の合格率が毎年8割以上となっている一方で、既卒者の合格率は2割前後にまで落ち込んでしまいます。

学校を卒業してしまうと、定期的に学習しなくてはならない時間がなくなること、受験仲間がいなくなり張り合いがなくなることなどが合格率低下の原因として考えられます。

そのため確実に国家資格取得を目指すのであれば、一度目の試験で合格できるよう学生のうちに勉学に取り組むことをおすすめします。

臨床工学技士国家試験の難易度、合格率

臨床工学技士になるための学校の種類

臨床工学技士になるためには、所定の養成課程を履修することのできる教育機関を卒業する必要があります。

臨床工学技士になるための教育機関のおもなものには、専門学校(3年制)、短期大学(3年制)、大学(4年制)があります。

大学を卒業すると取得できる「学士」の学位は、大学院に進学して研究の道に進むためには必要な学位です。

また、専門的・実践的な勉強を中心におこない、早いうちから現場で働きたい人には専門学校や短期大学がよいでしょう。

臨床工学技士の学校では、解剖学や生理学、生化学など人体に関わる勉強や、医用工学、機械工学電子工学など工学系の科目を中心に学びます。

そのため、中高のうちから生物や物理、化学、数学など、理数系の科目を重点的に勉強しておきましょう。

臨床工学技士になるための学校と学費(大学・専門学校)

臨床工学技士に向いている人

臨床工学技士として仕事をしていく上で適性が高い人としては、以下のような人などが挙げられます。

協調性がある

臨床工学技士は、必ず医師の指示のもとで業務をおこないます。

また、他の医療従事者とも協力して「チーム医療」で患者さんの治療に当たります。

そのため、周囲の人と密にコミュニケーションを取ることのできる、協調性のある人は適性が高いといえます。

機械に興味がある

臨床工学技士は医療機関で使用されているあらゆる医療機器に関する知識が必要な仕事です。

また、医療機器の技術は進歩し続けており、新たな機材が導入されることもあります。

日ごろから機械に興味を持っている人であれば、その仕組みや操作方法などについても意欲的に吸収できるでしょう。

献身的である

臨床工学技士が関わる患者さんは、心臓疾患や腎不全を患っていたり、自発呼吸ができないといった重い病状であることが多いです。

そのため、容体が急変したときなどに備えて常に注意深く様子を見守る必要があります。

また、ときには病気のために自由に動くことができない苦しみを吐露されることもあるでしょう。

そのようなときに、患者さんの立場に立って物事を考え、支えることのできる献身的な性格の人は重宝されます。

冷静な判断力を持つ

臨床工学技士は、人工心肺や生命維持装置など、患者さんの命に直結する医療機器を操作する機会もあります。

そのような場面では、突発的なアクシデントにも冷静に対処し、常に最善の行動をとれる人が求められます。

臨床工学技士に向いている人・適性・必要なスキル

臨床工学技士のキャリアプラン・キャリアパス

臨床工学技士として働くには、国家試験に合格し、勤務先さえ決まればすぐにでも働くことができます。

国家資格を所持している時点で、いち医療従事者として臨床工学技士の業務をきちんとこなさなくてはいけません。

ベテランの技士として、業務をおこなうかたわら新人技士を教育するような立場になるには、職場の業務内容にもよりますが3~5年の臨床経験が必要になるでしょう。

また現在では、特定の業務領域に精通する「専門臨床工学技士」の認定制度の整備もさかんにおこなわれており、分野ごとの臨床工学のスペシャリストを育成する動きが高まっています。

平成30年度からは、専門臨床工学技士になるための基礎資格となる「認定臨床工学技士」の制度が一部の専門分野で始まっています。

臨床工学技士として、ひとつの専門領域でのスペシャリストを目指して臨床経験を積み、研修や勉強会などで常に研鑽し続けることが、更なるキャリアアップに繋がるといえます。

臨床工学技士を目指せる年齢は?

臨床工学技士の国家試験を受けるのに、年齢制限はとくにありません。

ただし、大切なのは臨床工学技士となった後にどれだけ現場で経験を積むことができるかです。

具体的に、高卒から専門学校や大学を卒業して臨床工学技士になった場合、21~22歳から臨床工学技士としてキャリアを積み始めることになります。

一方で、25歳前後から専門学校に通い、臨床工学技士となった場合、臨床工学技士として社会に出るのは早くても28歳です。

この時点で、同じ年齢でも高卒から臨床工学技士を目指した人とは、約7年もの実務経験の差が生じます。

また、臨床工学技士にも定年がありますので、そういった意味でも実務経験を積める年数は限られるため、あまり年齢の高い新人技士は採用されづらくなります。

これらを考慮すると、少なくとも30歳になる前には臨床工学技士として臨床に立つのが望ましいといえるでしょう。

臨床工学技士は女性でもなれる?

女性の臨床工学技士は過去よりも割合が多くなっていますが、それでも男性技士のほうが女性技士の約3倍程度と、男性のほうがかなり多い状況です。

これには、男性のほうが工学などの理系科目を得意とする人が比較的多く、「臨床工学技士」という職種に興味を持つ人が多いことなどが理由として挙げられるようです。

しかし臨床工学技士養成課程を履修する女性は年々増えてきており、女性ならではのきめ細かな仕事ぶりが評価されていることなどから、今後も女性の臨床工学技士は増加していくと考えられます。

その一方で、出産や育児をする可能性の高い女性には、技士として業務を継続しにくい環境が多いことも確かです。

たとえば24時間体制の透析センターや集中治療室などでの業務では、夜勤やオンコール体制をとり、いつ患者さんが来ても対応できるようにしている職場も少なくありません。

こういった職場の場合、夜中でも子どもを預けることのできる状況にないと勤務を継続するのは難しくなります。

このような状況を受け、院内に臨床工学技士も利用できる託児所を設けたり、時短勤務に対応する医療機関も少しずつ増えています。

女性の臨床工学技士のキャリアパス・結婚後の生活