女性の薬剤師のキャリアパス・結婚後の生活

女性の薬剤師の現状

ドラッグストアや調剤薬局に勤務する薬剤師は圧倒的に女性が多いといえます。

薬剤師という職種は、年収が高く、また男女の格差がほとんどないことがひとつの特徴です。

「平成29年賃金構造基本統計調査」のデータによれば、全業種の女性の賃金の平均は男性の賃金の73.4%の246万円ですが、薬剤師の場合、女性薬剤師の男性薬剤師に対する賃金は91%の526万円と、ほぼ差がないということができます。

また、給与自体も全職種の平均年収414万円に対し、薬剤師の平均年収は544万円というデータもあり、平均を大幅に上回っていることがわかります(2017年)。

一方、年齢別で見ると、結婚、出産、子育てをはじめとするライフステージの変化が伴う人が増加する30代、40代は女性薬剤師の年収の伸びはゆるやかになります。

退職や転職、時短勤務などといったライフステージの変化の影響を受けにくい男性と比べると、30代前半は男性が576万円で女性が495万円、30代後半は658万円と538万円、40代前半は725万円と557万円といった数字になっています。

しかし、その後は、薬剤師全体に対する男女の年収差は縮まっており、役職に就いたり基本給がアップしたりなどといった昇給で年収は上昇しているようです。

これらの要因としては、育児を終えて職場復帰する人が増える年代であること、また復職後の女性が管理職に就き、年収が上がる割合が他業種に比べても高いことが考えられます。

女性の薬剤師の強み・弱み

女性の薬剤師の強みとしては、薬剤師は資格を持っている人しかできない専門職であり、資格さえとれば待遇や業務の内容に対しての男女格差がないことが挙げられます。

男性と同じように活躍したいと願う女性にとって、対等に仕事ができる働きやすい職場環境があります。

調剤薬局で働く薬剤師の場合、勤務時間が「朝から夕方まで」と常に一定です。

看護職や介護職のように泊まり込みでの勤務があるわけではありませんし、一般企業の社員のように深夜残業や出張があるわけでもありません。

力仕事や長時間拘束される勤務とは異なり、男女関係なく同じ環境で同じ業務をこなすことができる点において、女性ならではの細やかさなどが十分に生かされる職業であるといえます。

緻密なコツコツとした作業や、患者さんと直接接するコミュニケーション力が求められる薬剤師という仕事では、気配りや真面目さなどのスキルが重要になってきます。

男性との格差なく同じ状況で同じ業務に当たれる女性の薬剤師は、スキルアップもまた男性と同じように重ねていくことが可能です。

薬剤師は、女性が活躍しやすい職業だと言われています。

実際に調剤薬局に行くと、たくさんの女性薬剤師の姿を見ることができます。

管理職などの役職者になった際、同じ女性の多く勤務する医療現場で女性がより働きやすく能力を発揮しやすい環境づくりにも大きく寄与することができるのではないでしょうか。

一方で、強いてあげるとするならば、万が一のことが起こった場合に物理的に対応できないことがあるというのが男性薬剤師ばかりの職場に比べると考え得る弱みかもしれません。

調剤中に薬局内で患者さんが倒れてしまった、容体が急変してしまった場合などに、力でその患者さんを助けることが難しいケースも考えられます。

男性の力があると安心な場面においては、女性薬剤師の弱みとして挙げることができるかもしれません。

薬剤師の結婚後の働き方・雇用形態

結婚を機に、退職や引っ越しの選択をする女性も少なからずいる中、医療専門職の免許を持つ薬剤師は、いったん退職してしまっても就業先には困ることのない安定した職種です。

状況が変わっても、自らのスキルで長く働き続けたいという人にとっては魅力ある職種でしょう。

また、ドラッグストアや調剤薬局は全国にわたってあり、高齢化や医薬分業の背景からもますます求人の需要は増すものと考えられます。

薬剤師免許や医薬品に関する法律やルールは全国共通であり、また一度身に着けた実務経験、知識は多くの転職先で活かすことができるものともいえます。

そのため、転勤などで生活拠点を変えなければならない場合でも、他のドラッグストアや調剤薬局へ転職することは、他の職種で就業先を探すケースよりも圧倒的に有利であるといえるでしょう。

薬剤師は子育てしながら働ける?

子育てをしながら薬剤師として働く場合、育児への理解、サポートがあるかどうかは就業先の職場次第といえます。

女性にとって出産、育児中は、多くの場合、独身時代のような仕事中心の生活はできなくなることが想定され、たとえば子どもの突然の発熱や学校行事への参加等、育児と仕事の両立に悩む女性は非常に多いでしょう。

しかしながら、薬剤師には女性が多いため、働くお母さんにとってワークライフバランスがとりやすい職場環境が期待できます。

産休や育休を取りながら、仕事を続ける環境が整いつつある業界のひとつといえます。

また、勤務時間も比較的固定されていることが多く、夜勤や休日出勤、残業などもあまり起らないと考えられるため、家庭を持つお母さんにとって両立して働きやすい職業だといえるでしょう。

薬剤師は女性が一生働ける仕事?

女性の薬剤師の多くが、薬剤師として仕事を続けていく中で持つ悩みは、結婚・出産・子育・介護などのライフイベントとどのように両立するか、ということではないでしょうか。

この点において、医療専門職である薬剤師は、「柔軟な働き方ができること」や「一般の職種と比較して再就職が容易なこと」が挙げられます。

街の調剤薬局やドラッグストアにおいて、薬剤師は常に人手不足であるため、人材確保の競争力を上げるために、多くの企業や病院が働きやすい環境作りを進めています。

女性の薬剤師が家庭と両立しやすいよう、たとえば、産休制度、育休制度、時短制度をはじめ、ライフイベントに合わせた様々な働き方が整備されている場合が多くあります。

また、仮に退職して、数年のブランクができたとしても、薬剤師業界はいまだ売り手市場のため再就職先を探すのは難しくなく、パートや契約社員など、時間や出勤日の調整をしやすい社員形態を選ぶことも十分に可能です。

子どもを保育園に預けたタイミングや、小学生・中学生や高校生になってから復帰した人もいます。

制度が整っているがゆえに、雇用形態や産休・復職などの選択肢が多いことが特徴といえ、自身の人生の中で優先順位が変わるライフイベントをこえながら、長く続けていくことができる仕事だといえます。